- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
静岡県掛川市にある「事任八幡宮」は、古くから遠江国一宮として信仰をあつめている神社です。御祭神・己等乃麻知比売命を示す「ことのまち本宮」の朱印がおされる伝統的なデザインの御朱印を、オーダーメイドの御朱印帳「千年帳」に丁寧に書き入れていただきました。
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静岡県掛川市にある「事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)」は、遠江国(とおとうみのくに、現在の静岡県西部)の一宮として地域で長く信仰されている神社です。
創建年代は定かではありませんが、成務天皇(せいむてんのう)の頃(紀元前29年〜22年)という説があります。
平安時代の文献「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」には「己等乃麻知神社(ことのまちのじんじゃ)」として記載されており、大同2年(807年)に坂上田村麻呂(さかのうえたむらまろ)が桓武天皇(かんむてんのう)から指示を受けて、それまで鎮座していた「本宮山」から現在地にうつしたと伝わっています。
時代が進み、貴族社会から武士社会にかわると、戦の神とされていた八幡信仰が盛んになったことで、平安時代末期の康平5年(1062年)に源頼義(みなもとのよりよし)が京都の石清水八幡宮を勧請し「八幡宮」となり、江戸時代には「誉田八幡宮(こんだはちまんぐう)」とも呼ばれていたそうです。
また、旧東海道五十三次の宿場町「日坂宿(にっさかじゅく)」の近くに鎮座していることから、街道を行き来する旅人の安全祈願の神社としても信仰をあつめるようになり、街道沿いの信仰の拠点として繁栄していきました。
その後、古来の祭神であった「己等乃麻知比売命(ことのまちひめのみこと)」の信仰を再興する動きが進み、平成11年(1999年)に正式に主祭神として認められました。現在は、己等乃麻知比売命と八幡大神三柱(誉田別命(ほんだわけのみこと)、息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと)、玉依比売命(たまよりひめのみこと)を祀る神社として、多くの参拝者を迎えています。
社名の「ことのまま」は、「言葉の通り願いが叶う」ということを意味し、古くから多くの人々の願いを聞き届ける神として崇められてきました。特に平安時代には枕草子にもその名が記されるなど、都でも広く知られていました。
現代でも人生の願いや悩み事を相談するたくさんの参拝者が訪れています。
事任八幡宮では、伝統的でシンプルなデザインの御朱印を御朱印帳に直書きしていただけます。
「遠江国一の宮」「ことのまち本宮」「事任八幡宮」の朱印がおされ、「奉拝」「事任八幡宮」「参拝日」の墨書きを、社務所にて初穂料300円で、丁寧に書き入れていただきました。
「ことのまち本宮」と記される所以の主祭神・己等乃麻知媛命(ことのまちひめのみこと)は、古代から神事を執り行う神職の一族の神・忌部の神(いんべのかみ)である玉主命(たまぬしのみこと)の娘にあたる神で、興台産命(こことむすびのみこと)の后とされる神でもあります。また、春日大社に祀られていることで有名な天児屋根命(あめのこやねのみこと)の母にもあたります。
「己等(こと)」は「事」や「言」の意味があり、「麻知(まち)」は「真知」と解釈されていることから、「言葉で真実を知る神」とされています。このことから、ことのままに願いを叶える女神様として広く知られています。願望成就、交通安全、学業成就、家内安全、健康祈願、縁結びなどが幅広いご利益があるといわれ、特に女性の参拝者が近年増加しているそうです。
また、御朱印に「遠江国一の宮」と記されていますが、遠江国一宮は古来より2社あり、事任八幡宮と小國神社(おぐにじんじゃ)がそれにあたります。
遠江国は、浜名湖の西に位置する現在の湖西市から牧之原市の大井川付近までにあたる広範囲で、北部の山間部と南部の平野部で地形や住民の生活様式が異なっていたため、国全体を代表する一宮を定めることが困難だったとされています。そこで、北部は土地の開拓や農業の神として祭神・大己貴命(おおなむちのみこと)が山間部の住民からあつく信仰されていた小國神社が、南部は交通の要衝にあり旅人・商人・武士など多様な人々が祭神・八幡神を信仰していた事任八幡宮が、それぞれの地域の一宮として定められたといわれています。
この御朱印は、私がオーダーメイドの注文をしたオーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」に書いていただきました。本紙は、職人さんが1枚1枚手漉きした高品質の土佐手漉和紙の中でも「楮紙(こうぞし)」という、和紙らしい表面感があり、あたたかみのある白色が特徴のものを選択しています。
書いていただいた文字は、「事」が特に強調され、すべての文字のトメがにじみなく効き、右左のハライも特徴的にのび、独特な書体から力強い印象を受けます。
土佐手漉和紙は、墨が瞬時に浸透するので、筆の運びによる微妙なニュアンスが引き立つところが、特に一般的な御朱印帳の本紙との違いだと感じています。
書き手の巧みな技術と古来から伝わる技術を駆使した土佐手漉和紙の特徴が見事に調和している御朱印だと思います。
※千年帳の本紙に関しては、以下リンクをご参照ください。
事任八幡宮を訪れた際には、創建当初に祭神が祀られていた「本宮」もあわせてお参りすることをおすすめします。
事任八幡宮の現在の境内から、旧東海道(県道415号線)を挟んだ北側の本宮山の山頂に本宮があります。
本宮を参拝する際には、事任八幡宮の社務所で配布されている「ふくのかみ(紙)」をぜひお持ちください。
本宮の社周辺にある白い石を3つ選び、それぞれ「神様」「みんな」「自分」と思いながらふくのかみで磨きます。その紙は、持ち帰って自宅を拭いたり、社務所に納めたりすると福が訪れるといわれています。
本宮までの山登りはそれほど距離も標高差もありませんが、坂を登るのが難しい人向けには、事任八幡宮の拝殿の近くに本宮の遥拝所がありますので、そちらから本宮をお参りするのもよいでしょう。
事任八幡宮は、遠江国一宮と古くから信仰され、御祭神の己等乃麻知媛命は「ことのままに願いが叶える女神様」として知られ、たくさんの参拝者が訪れています。
言葉を通じて加護を授ける神様ですので、参拝の際には心を込めて祈願して、御祭神とのご縁を深める御朱印もいただいてみてください。
ライター:竹内友章
知多半島のお寺が好きで、知多四国霊場を中心にいろいろな霊場を巡礼し、観光やご当地グルメ(特にラーメン)を楽しんでいます。御朱印集めも趣味で、知多半島のお寺の御朱印はもちろん、全国各地の御朱印をもらいに巡り、アート御朱印などは取り寄せたりもしています。
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