- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
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三重県桑名市にある「桑名宗社」は、「桑名総鎮守」として地域の信仰において重要な役割を果たしてきた神社です。桑名神社・中臣神社の2社からなり、2社の社名と組み合わさった社紋が特徴の見開き御朱印のほか、神宝である名刀「村正」が描かる御朱印など、多種多彩な御朱印が授与されています。
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目次
三重県桑名市の中心市街地、伊勢湾に面する「海道の名城」と称された巨大城郭「桑名城(くわなじょう)」の跡地のすぐ近くにある「桑名宗社(くわなそうしゃ)」は、桑名神社(くわなじんじゃ)と中臣神社(なかとみじんじゃ)の2社からなる神社です。春日神社(かすがじんじゃ)の通称でも知られていて、地域では古くから親しみを込めて「かすがさん」と呼ばれ、「桑名総鎮守」として信仰をあつめてきました。


境内には、桑名神社と中臣神社の独立した二つの本殿が並んでおり、その姿は全国的に見ても珍しいものです。
桑名神社は土地の守護や繁栄を司る神として、中臣神社には奈良県・春日大社(かすがたいしゃ)から勧請された春日四柱神が祀られ春日信仰に結びつく厄除け・開運の神として、地域の人々の暮らしを見守ってきました。
2社が並び立つ姿は、地域の歴史と人々の強い結びつきを現代に伝えています。
※春日大社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】奈良県「春日大社」の千年帳にいただいた「春日神」とご縁を結ぶ伝統的な御朱印

桑名宗社の詳細な創建年代は不明ですが、約1,900年の歴史があると考えられていて桑名地域では最古級の神社であり、今も桑名の総鎮守として地域の人からあつく信仰されています。
桑名宗社では、社殿に向かって右側にある社務所で多種多彩な御朱印が授与されています。
今回私は桑名神社と中臣神社が見開きページに併記される御朱印をいただきました。「奉拝」「桑名神社」「中臣神社」「参拝日付」の墨書き、中央に「社紋・上り藤(あがりふじ)に大三」の大きな朱印がおされるデザインです。

この御朱印は、桑名宗社の成り立ちをよく表しているといえ、特に中央の社紋が神社の歴史やいわれを象徴しています。桑名神社は「上り藤に三」、中臣神社は「上り藤に大」のそれぞれの社紋があり、この御朱印の社紋は2社の社紋をあわせた形になっています。
春日神社・かすがさんとも呼ばれている桑名宗社は、春日大社を中心とする春日信仰の地域における拠点です。
かつて春日大社の祭祀を担った藤原氏(中臣氏)を象徴する花が「藤」で、藤を象った社紋が全国の春日系神社に広まりました。桑名宗社ではその系譜を受けつつ、繁栄や発展を象徴する「上り藤」を採用し、春日信仰の権威と地域の隆盛への願いがあわせて表現されているといえます。
桑名神社には日本神話における最高神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)の第三御子である天津彦根命(あまつひこねのみこと)と、その御子・天久々斯比乃命(あめのくぐしびのみこと)が祀られていて、かつては「三崎大明神」と呼ばれていて、社紋に「三」が記されていると考えられます。
中臣神社には、春日大社から勧請された春日四柱神が祀られていて、かつては「春日大明神」と呼ばれていて、春日大社との深い関係性から社紋に「大」が記されていると考えられます。
2社の社名と組み合わさった社紋が記されるこの御朱印からは、桑名宗社の信仰の深さと大きな御神徳が静かに伝わってきます。
多種多彩な御朱印の中で、特に注目に値するのが「村正(むらまさ)」の御朱印です。「村正」の堂々とした墨書き、二振りの鋭い刀身が描かれるデザインのアート御朱印になっています。

室町時代から戦国時代にかけて、桑名の地を中心に活躍した刀工集団「村正」は名刀を数多く生み出しました。鋭い切れ味は日本全国に知れ渡り、武士に重宝される一方、のちに江戸幕府を開くことになる徳川家康(とくがわいえやす)を輩出した徳川家に仇なす刀として忌避された逸話も有名です。その妖刀伝説により神秘的な存在として語り継がれ、日本刀史の中でも特異な位置を占めています。
桑名宗社には、御朱印にも描かれている二振りの刀が神宝として受け継がれていて、これは村正が天文12年(1543年)に奉納したとされています。それぞれの刀には「三崎大明神」「春日大明神」というかつての神号が刻まれていて、桑名が名刀を生み出してきた歴史と、村正にとっても桑名宗社が重要な信仰の拠り所であったことをこの御朱印から感じとることができます。
桑名宗社では月替わりの限定御朱印も授与されていて、私が令和8年(2026年)3月に参拝した際には春らしい花の意匠と「桜梅桃李(おうばいとうり)」の言葉が印象的な華やかな御朱印を拝受しました。

「桜梅桃李」とは、桜は桜として、梅は梅として、桃は桃として、李は李として、それぞれが自分らしく花を咲かせるという意味がある言葉です。仏教でも親しまれてきた表現ですが、今では「人と比べるのではなく、自分らしく生きることの大切さ」を伝える前向きな言葉として広く知られています。
季節の美しさを映した限定御朱印には、その時期ならではの彩りと、参拝した日の記憶をそっと閉じ込めるような特別感があります。
桑名宗社の多種多彩な御朱印は、1体ごとに長い歴史や深い信仰、そして季節のやさしさまで感じられるのが魅力です。その日その場所で手を合わせた証は、とても大切な思い出になることでしょう。
桑名宗社ではご紹介した御朱印以外にも、アーティストとコラボした御朱印や、祭事にあわせた日数限定の御朱印など、たくさんの種類の御朱印が授与されていますので、参拝の際にはどのような御朱印が授与されているかチェックして、お気に入りの1体を見つけてみてください。
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桑名宗社を訪れたら、聖地に流れる歴史や祈りの空気にじっくりと目を向けてみてください。
ぜひ立ち寄ってみていただきたいのが「眺憩楼(ちょうけいろう)・村正ミュージアム」です。
ここでは村正ゆかりの太刀を通して、桑名宗社に受け継がれてきた歴史と祈りにふれることができます。名工の技の美しさと、神様へ捧げられた祈りの心が重なり合う、桑名宗社ならではの見どころです。


桑名宗社の名物祭事として知名度が高いのが毎年8月に行われる「石取祭(いしどりまつり)」です。
約400年の歴史があり、ユネスコ無形文化遺産にも登録されたこの祭礼は、「日本一やかましい祭」といわれています。鉦や太鼓の音が町いっぱいに響き渡り、豪華な祭車が桑名宗社へと向かう様は、桑名の夏の風物詩でもあります。

盛大な祭事が開催される一方で、普段の境内には静かで凛とした空気が流れ、桑名の総鎮守として長く人々の祈りを受け止めてきた時間を感じさせてくれます。
私が参拝した日は、澄んだ青空が広がり、少しひんやりとした空気が心地がよく、境内には巫女さんが竹ぼうきで落ち葉を掃く、さっさっというやさしい音が静けさの中に響いていました。


桑名宗社は、2社からなる珍しい形式の神社で、長い間桑名の街や海を守り続けてきました。多種多彩な御朱印には、地域の歴史・信仰・文化が凝縮しており、御朱印に込められたそれぞれの意味を紐解くと参拝に込めた願いがより鮮明になることでしょう。何度も訪れていろいろな御朱印を拝受することで、地域の信仰や御朱印巡りの楽しみを深く感じられると思います。
ライター:伊藤みいり
言葉を通して前向きな気持ちを届けたいライターです。普段は言葉を綴る仕事をしていますが、最近御朱印巡りの世界に足を踏み入れました。墨書きの美しさや境内の静かな空気にふれるたび、心が落ち着いていくのを感じます。その土地の歴史や由来にふれる時間が好きで、感じた魅力を自分の言葉で丁寧に綴っていきたいと思っています。
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