【御朱印情報】兵庫県「淡路島弁財天厳島神社」の伝統的なデザインの達筆な御朱印

兵庫県洲本市にある「淡路島弁財天」と呼ばれて親しまれている「厳島神社」は、神社を中心として洲本の街が発展した歴史があり、地域で重要な役割を果たしてきました。その歴史の重みを感じる伝統的なデザインの達筆な御朱印を御朱印帳に書き入れていただきました。

「淡路島弁財天」と呼ばれて親しまれている「厳島神社」

兵庫県淡路島の中心地である洲本市の洲本城がある三熊山(みくまやま)を背に鎮座しているのが、「淡路島弁財天(あわじしまべんざいてん)」と呼ばれて親しまれている「厳島神社(いつくしまじんじゃ)」です。

厳島神社の正確な創建年は不明ですが、江戸時代には港の近くに祀られていて、明治時代になって洲本城の城下町を二分していた外堀が埋め立てられたときにそこを神社の社地として遷座されたと伝わっています。
厳島神社がある場所は現在の洲本の中心市街地にあたり、厳島神社を中心として洲本の町が整備されたといわれていて、参道沿いには飲食店などが立ち並び、「弁天銀座」と呼ばれてにぎわっています。

参道の大鳥居は厳島神社が現在地に遷座したときに建てられたもので、平成4年(1992年)に社殿が建て替えられたときに鳥居も新しくなりました。

厳島神社の御祭神は「市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)」で、水を司り海を守護する神様です。「宗像三女神(むなかたさんじょしん)」の一柱で、田心姫命(タゴリヒメノミコト)と湍津姫(タギツヒメノミコト)とともに天照大神(アマテラスオオミカミ)と素戔嗚尊(スサノオノミコト)の誓約によってうまれた女神です。

境内にはさまざまな摂社末社が祀られていますが、ユニークなのが狸の神様「武左衛門(ぶざえもん)」です。洲本には狸の伝説が多く残り、洲本の城下町は8匹の狸に守られていたといわれていて、武左衛門狸もその1匹です。
近くにある洲本八幡神社には芝居の神様として大阪・中座に祀られていた狸「芝右衛門(しばえもん)」が祀られているので、あわせて参拝するのもおすすめです。
※洲本八幡神社について、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

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伝統的なデザインの達筆な御朱印

厳島神社では拝殿の隣にある授与所で達筆な直書きの御朱印をいただくことができ、朱印と墨書きのみの伝統的でシンプルなスタイルです。御朱印の初穂料は「お気持ちの額をお納めください」となっていました。こういった場合にはいくらお納めすればいいのか迷うと思いますが、一般的な300円や500円を目安に、御朱印巡りで複数の寺社を巡っている場合は近隣の寺社の金額を参考にしてお釣りのないように準備するのがおすすめです。

墨書きされるのは右側に「淡路島弁財天」、中央に「厳島神社」、左側に参拝した日付です。朱印は中央に「淡路國洲本鎮座厳島神社印」、左下に「厳島神社」がおされます。基本的には直書きしていただけますが、お正月や祭礼などでは書き置きでの対応となる場合もあるようです。

御朱印に書かれている「淡路島弁財天」とは厳島神社の別称です。地元では神社名よりもこちらの呼び方のほうが有名で、地元では古くから「弁天さん」として親しまれています。
弁財天は大黒天や布袋尊などと同じく七福神の一柱で、仏教を守護する天部に属する神です。弁財天はインド発祥の水にまつわる神「サラスヴァティー」が元となっていて、財運や芸事に関する御利益がいただけるとされています。

日本に仏教が広まるにつれ、日本古来の水の神である市杵島姫命と同一の神とされるようになり、神仏習合の時代には弁財天は市杵島姫命の本地仏とされていました。神仏習合思想では日本古来の神はさまざまな仏の化身であり、神の正体と考えられた仏のことを本地仏といいます。
厳島神社の入り口の看板や拝殿に掲げられている扁額にも「淡路島弁財天厳島神社」と書かれていて、神仏習合の名残を感じます。

朱印にある「淡路國(あわじのくに)」は淡路島の旧国名です。現在の淡路島は兵庫県に属していますが、江戸時代には阿波国(あわのくに、現在の徳島県)とともに徳島藩に属していました。さらに古い時代には淡路国として独立しており、六万石ほどの小さな国ですが朝廷にさまざまな食料を献上する「御食国(みけつくに)」として重要な場所でした。

左下の印は墨書きと重なって読み取りにくいですが、厳島神社の四方に「参拝記念」という文字が入っていると思われます。御朱印に使われる字体は象形文字が元となっている篆書(てんしょ)や篆書を簡略化した隷書(れいしょ)が使われることが多く、読み取るのが難しいことがしばしばあります。

達筆な墨書きと古い書体の朱印に、淡路島弁財天厳島神社の歴史の重みを感じました。

淡路島弁財天として現在も親しまれている厳島神社は、周辺を海に囲まれた淡路島の海の神様として信仰され、現在の淡路島の中心地である洲本の発展にも大きな役割を果たしてきた歴史があります。伝統的でシンプルながらとても達筆な御朱印がいただけるので、淡路島で御朱印集めをするときにはぜひ参拝してみてくださいね。

ライター：kanakana
神社仏閣・御朱印ブロガー。徳島県を中心に四国や淡路島で神社仏閣巡りを楽しむ御朱印ガールで、年間300体以上の御朱印を拝受しています。御朱印を通じて神社仏閣の魅力をご紹介します。