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福島県福島市にある「福島稲荷神社」は、安倍晴明によって創建されたと伝わる古社です。地域で大きな役割を果たしてきたことを示す「信夫総鎮守」と表記される基本の御朱印のほか、月替りで季節や祭事の絵柄が入る限定御朱印が授与されています。
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目次
福島県福島市、JR福島駅から1kmほどの繁華街の一角にある「福島稲荷神社(ふくしまいなりじんじゃ)」は、福島旧城下町の総鎮守として地域の信仰をあつめ、「おいなりさん」の愛称で親しまれている神社です。
社伝によると、創建には平安時代中期に朝廷で活躍した陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)が関わっているとされています。
永延元年(987年)、安倍晴明は奥羽へ向かった際、吹島の里(現在の福島市周辺)に立ち寄りました。すると吾妻山(あづまやま)や信夫山(しのぶやま)といった山々や、阿武隈川(あぶくまがわ)の清流など、自然の雄大さに目を見張ったといいます。そこで安倍晴明は、将来有望な地相であるとして、衣食住をつかさどる豊受比売命(とようけひめのみこと)を伊勢神宮(いせじんぐう)の外宮(げくう)より勧請したと伝わっています。
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その後、江戸時代には福島藩の総鎮守として、歴代の藩主や地域の人々からあつい崇敬をあつめました。
昭和41年(1966年)には、明治神宮(めいじじんぐう)のヒノキで作られた玉垣鳥居を譲り受けます。
近年では、東日本大震災をはじめ幾多の災難に見舞われましたが、現在も変わらず美しい姿をとどめています。
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福島稲荷神社では、拝殿左手の細い道路を挟んだ先の社務所で、基本の御朱印と数量限定の月替り御朱印の2種類の御朱印が授与されています。
「信夫総鎮守」「福島稲荷神社」「参拝日付」の墨書きに、中央に「神社印」、右下に「丙午(ひのえうま)」の朱印がおされるデザインで、私が参拝した令和8年(2026年)現在は書き置きでの授与のみの対応で、初穂料は500円でした。

右下の「丙午」は、私が福島稲荷神社を参拝した令和8年(2026年)の干支です。干支は60年で一巡するため、この年にしかいただけないまさに一期一会の御朱印であることが、この朱印によって表されています。
「信夫総鎮守(しのぶそうちんじゅ)」の表記は、福島稲荷神社が地域で重要な役割を果たしてきたことを物語っています。
福島稲荷神社がある福島市中心市街地から北に2kmほどの場所に、標高275mの信夫山がそびえ立っています。信夫山の歴史は古く、修験道の信仰の山として栄えてきました。大きな岩をくり抜き、60体以上の菩薩が彫られた岩谷観音(いわやかんのん)や、日本一の大わらじが奉納される羽黒神社(はぐろじんじゃ)など、様々な信仰の形を現代にも受け継いでいます。また、桜の名所としても有名で、福島市街地を見渡すことができるビュースポットとしても親しまれています。
その信夫山一帯地域の代表的な神社として、福島稲荷神社は崇敬をあつめてきました。神社が建立されたのちに安倍晴明の孫が社殿を改築し、戦乱や大暴風で倒壊したあとも地域の協力で復興を果たしてきた歴史があります。
福島稲荷神社の御朱印には、幾度もの困難を乗り越えてきた神社の歴史と、それを支え続けた地域の人々のあつい祈りや絆を後世へ伝えていきたいという想いが込められているかのようです。
福島稲荷神社では、月替りの御朱印も授与されており、私が参拝した2月の御朱印は節分がモチーフになったデザインでした。

毎年2月3日には、福島稲荷神社の境内で節分祭追儺式(せつぶんさいついなしき)が行われます。福男・福女に選ばれた人々が特設舞台に立ち、人々に向かって豆を撒く行事です。節分祭は、立春に差し掛かる時期の前に1年分の厄をはらい、新たな福を招き入れるために行われます。祭りに参加できなかった人も、2月の月替り御朱印をいただけば新たな福を招き入れるご利益をいただけることでしょう。
福島稲荷神社は、他の多くの稲荷神社で見られる朱色の鳥居や本殿、狐などが見当たらないのも特徴のひとつです。伏見稲荷大社をはじめ多くの稲荷神社が宇迦之御魂大神(うかみのたまおおかみ)を主祭神としていますが、福島稲荷神社では豊受比売命を主祭神としているのも大きな違いです。
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この違いの背景には、安倍晴明が関わっている可能性があります。晴明の母はかつて白狐であり、彼はその霊力を受け継いで天才陰陽師になったという伝説があります。福島稲荷神社は安倍晴明に由来し、他の一般的な稲荷神社とはルーツが異なるため、それが独自の特徴に結びついているのかもしれません。
主祭神こそ違えど、豊受比売命もまた食物や穀物をつかさどり、五穀豊穣をもたらす神様であることに変わりはありません。福島稲荷神社の御朱印には、日々の生活が豊かに実り、絶え間ない福がもたらされるようにとの想いが込められているのではないでしょうか。
月替りの御朱印は数量限定ですので、拝受を希望される際にはご留意ください。福島稲荷神社の公式Instagramで各月のデザインを確認できますので、参拝前にチェックされるのがおすすめです。
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福島稲荷神社では、「競馬勝守」が有名です。信夫山の麓には福島競馬場があり、古くから神社と競馬の結びつきが強く、競馬にちなんだ5種類のお守りが頒布されています。



福島は、昔から生活や戦いに欠かせない馬の生産をはじめ、1,000年以上の歴史を持つ伝統行事「相馬野馬追(そうまのまおい)」など、馬との結びつきが非常に強い地域でした。そのような土地柄だからこそ、福島競馬場は福島の人々にとって大切な財産でもあります。
福島稲荷神社で頒布されている競馬勝守は、平成9年(1997年)の福島競馬場リニューアルを機に、競馬のマイナスイメージを一新して魅力を伝えたいという想いから誕生しました。3頭の馬が疾走するデザインの競馬勝守には、絶大な人気を誇ったトウカイテイオー、ナリタブライアン、ビワハヤヒデがモチーフになっていて、西陣織で美しく仕立てられています。現在も福島での競馬開催前には福島稲荷神社の神職によるお清めが必ず行われており、神社と競馬の結びつきの強さがうかがえます。
福島稲荷神社でお参りをして御朱印をいただいたあとは、競馬勝守も拝受して、勝運のご利益を引き寄せてみてはいかがでしょうか。
福島稲荷神社では、競馬勝守のほかにも全国的に珍しいものとして「ペン塚」があります。
日本では、使い古した筆を供養して塚を建てる「筆塚」という慣習が古くからありました。しかしペンにはそのような塚はなく、福島稲荷神社ではペンへの感謝および発展を願って昭和63年(1988年)にペン塚が建立されました。

福島稲荷神社は、日本の民間新聞の発祥の地とされています。日本初の民間新聞「福島新聞」は、福島稲荷神社の社司が発刊したもので、新聞をつくる人の命ともいえるペンへの想いと、言論の自由と闘ってきた人たちへの感謝の気持ちがペン塚には込められています。
福島稲荷神社は、安倍晴明による創建の伝説や、かつて明治神宮にあったヒノキ製の大鳥居がそびえるなど、深い歴史を有する神社です。御朱印の背景にある長い歴史や地域の人々の信仰の形をぜひ感じ取ってみてください。競馬勝守やペン塚など地域の歩みを示す珍しいものもありますので、じっくりと参拝されるのがおすすめです。
ライター:綾木ゆうき
福岡出身、山口県北部在住のWebライター。幼少期に6年間習字を習っていたことから、筆跡の美しさに魅了され御朱印収集をはじめました。現在は九州・中国地方を中心に、趣味の国内旅行を兼ねて全国各地の御朱印を集めています。
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京都府京都市上京区にある「廬山寺」は、疫病退散の「角大師」として知られる元三大師良源によって創建された天台宗の寺院です。寺院が現在立地している場所は、平安時代の女流作家「紫式部」の屋敷跡として古典ファンにも注目され、紫式部にちなんだ御朱印など多種多彩な御朱印が授与されています。
滋賀県大津市にある「日吉大社」は、全国にある日吉神社・日枝神社・山王神社の総本宮として信仰されている古社です。御朱印には比叡山の神の使いである「神猿」が描かれ、豊かな自然景観を表現した季節限定アート御朱印も話題になっています。
大阪府大阪市中央区にある「難波神社」は、1600年以上の長い歴史があると伝わり、「あやめ祭」や「氷室祭」などの神事が有名です。神社にゆかりが深い「菖蒲」の印が印象的な御朱印をいただくことができます。
三重県伊勢市にある「伊勢神宮」は、天皇家とつながりが深く、最高位とされる神社です。たくさんの参拝者が訪れる「内宮」と「外宮」では、余計な装飾がない、神様との絆を深めることができる伝統的な御朱印をいただくことができます。