【御朱印情報】長野県「諏訪大社」の四社巡りと「信濃國一之宮」の御朱印4種

長野県にある「諏訪大社」は、諏訪湖周辺に鎮座する「上社本宮」「上社前宮」「下社秋宮」「下社春宮」の四社から成り、全国の諏訪神社の総本社として信仰されています。四社それぞれでデザインが異なる御朱印をいただくことができ、4種を揃えたくなる仕掛けもあります。

 

 

諏訪神社の総本社で四社から成る「諏訪大社」

長野県に鎮座する「諏訪大社(すわたいしゃ)」は、日本最古の神社とされる古社で、全国に約25,000社あるとされる諏訪神社の総本社として信仰をあつめています。諏訪湖を囲むようにある「上社前宮(かみしゃまえみや)」「上社本宮(かみしゃほんみや)」「下社春宮(しもしゃはるみや)」「下社秋宮(しもしゃあきみや)」の四社から成っています。

 

主祭神は「建御名方神(たけみなかたのかみ)」とその妃「八坂刀売神(やさかとめのかみ)」で、武神として信仰をあつめるとともに、五穀豊穣や風雨の神としても崇敬されています。
下社では、建御名方神の御兄「八重事代主神(やえことしろぬしのかみ)」も祀られています。八重事代主神は、七福神の恵比須(えびす)と同一視される神で、商売繁盛や漁業の神として知られます。

 

諏訪大社は本殿を持たない「諏訪造り」、つまりは自然を御神体とする古来の信仰を現代に見ることができる希少な神社でもあります。御神山・御神木を通して、その地の自然の豊かさや恵みを感じることができる聖地です。

 

諏訪大社において最重要神事とされ、全国的な知名度を誇るのが「御柱祭(おんばしらまつり)」です。
7年に一度、寅と申の年に開催されるこの祭りでは、巨木を山から切り出し、神社へ曳き建てる勇壮な儀式が執り行われます。1200年以上の歴史があるとされていて、諏訪の氏子が団結し奉仕する御柱祭は、諏訪の伝統文化として大切に受け継がれています。

 

 

四社巡りと4種類の御朱印

四社からなる諏訪大社の各社に優劣の区別はなく、四社を巡る際の順番も特に定められていません。諏訪湖の南側に「上社前宮」「上社本宮」、北側に「下社春宮」「下社秋宮」が鎮座しており、それぞれで御朱印をいただくことができ、初穂料は各社500円です。また、四社全てを巡り御朱印をいただき、最後に御朱印をいただく社で四社を巡ったことを伝えると、記念品をいただくことができます。記念品の内容はいただいてからのお楽しみです。

 

四社巡りをする際には、各社が離れた距離にあるので車での移動がおすすめです。各社に無料の駐車場があるので、カーナビを使う場合は各社の駐車場を目的地にセットするとスムーズにたどり着くことができます。なお、四社で御朱印の授与時間が異なるので、参拝前によく確認しておくと安心です。
諏訪大社の神紋は「梶の葉」ですが、上社・下社でデザインが異なります。このように四社それぞれで特徴や景観が異なる部分があるので、それぞれの違いにも着目しながら四社を巡ると参拝をより楽しむことができます。

 

四社それぞれで異なる御朱印が授与されていますが、デザインの共通点としては「信濃國一之宮 諏訪大社」と墨書き・朱印されていることです。「信濃國一之宮」は、昔から信濃國(しなののくに、現在の長野県)において古くから最も格式高い神社であることを表しています。祭神に授けられる位階も最高位の「正一位(しょういちい)」です。

 

信濃國は古事記神話の「出雲の国譲り」に登場し、諏訪大社主祭神である建御名方神は、信濃國を築いた力強い神として信仰されてきました。中世には武将たちから勝利祈願の対象として崇敬されました。また風や水を司ることから、古くから豊穣の神ともされ、広く信仰されています。

 

四社を巡って御朱印をいただけば、諏訪大社の長い歴史の威厳や建御名方神の御神徳をより身近に感じることができるでしょう。

 

 

上社前宮の御朱印

「諏訪大社上社前宮」は、諏訪湖南部の茅野市宮川に位置しています。
諏訪信仰の発祥地とされ、境内は比較的小規模ながらも、「水眼(すいが)の清流」と呼ばれる小川が流れており、古来からの自然豊かで清廉な雰囲気が感じられます。本記事冒頭で紹介したように、四社の中で唯一本殿を持つ造りとなっています。

 

 

 

上社本宮の御朱印

「諏訪大社上社本宮」は諏訪湖の南部の諏訪市中洲宮山に位置しています。
本殿は設けられておらず、守屋山(もりやさん)を神体山として拝する、諏訪造りの代表格です。本殿はありませんが、国の重要文化財に指定されている「入口御門 布橋」など、たくさんの歴史的建造物を有しています。

 

 

 

下社春宮の御朱印

「諏訪大社下社春宮」は、諏訪湖の北部の下諏訪町大門に位置しています。
「杉の木」が御神木とされ、「浮島」「万治の石仏」が点在していることが特徴です。浮島はどんなに大水が出ても流されない島とされていて、万治の石仏は春宮に奉納する大鳥居の石材へノミを入れたところ、傷口から流血し、恐れをなした石工が建立したとされる阿弥陀様です。

 

 

 

下社秋宮の御朱印

「諏訪大社下社秋宮」は、諏訪湖の北部の下諏訪町に位置しています。
華やかな神楽殿が特徴で、「ネイリの杉」が御神体とされています。また、手水では御神湯が流れていて、熱いお湯で手水をするのはたいへん珍しいです。

 

 

 

四社の御朱印を揃えると完成する印

このように四社を巡ってそれぞれで御朱印をいただくと、基本のフォーマットは似ていますが、朱印が少し違ったり、書き手によってそれぞれに味のある書体であったりと、デザインの違いを比較するのも楽しく、また、諏訪信仰の奥深さをより身近に感じるきっかけにもなると思います。

 

四社の御朱印をご覧いただいて、気がつかれたかと思いますが、御朱印の右下にそれぞれ「前宮 神」「本宮 諏」「春宮 訪」「秋宮 社」のカラー印がおされていて、4種をあわせると円形に完成するような仕掛けになっています。ぜひ四社のコンプリートを目指してみてください。

 

 

諏訪大社は、四社それぞれが異なる特徴を持ち、四社巡りをすれば各社で御朱印をいただくことができます。御朱印を集めて四社を巡る中で、諏訪大社の威厳や壮大な自然信仰の奥深さも感じることができると思います。四社で御朱印をいただけば、四片の印が完成し、記念品がいただける素敵な仕掛けもありますので、諏訪大社を訪れた際にはぜひ四社巡りをしてみてください。

 

 

 

 

ライター：おみき
日本の伝統文化や食文化に傾倒するライター。日本茶スペシャリストとしても活動しています。小学生から社会人に至るまで巫女を経験し、神社の境内が心の拠り所です。北関東を中心に全国の神社仏閣を巡り御朱印を集めており、皆様と御朱印巡りの楽しさを共有できましたら幸いです。