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【御朱印情報】奈良県「龍泉寺」の8ヶ月かけてそろえる「八大龍王」の8体の月替わり御朱印

奈良県天川村にある「龍泉寺」は、修験道の開祖・役行者が開いたと伝わる真言宗醍醐派の大本山の寺院です。役行者が祀ったとされる「八大龍王」の8体の御朱印が月替わりで授与されているほか、「神変大菩薩」「弥勒菩薩」「不動明王」など修験道の聖地にまつわる複数種類の御朱印が授与されています。

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役行者が開いた大峯山に向かう修験者の第一行場「龍泉寺」

奈良県天川村、古来より修験の聖地として知られる大峯山(おおみねさん)への洞川(どろがわ)登山口にある「龍泉寺(りゅうせんじ)」は、修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)が開いたと伝わる真言宗醍醐派の大本山として信仰されている寺院です。

 

役行者が修行中に、岩場から湧き出る泉を見つけ、八大龍王(はちだいりゅうおう、水の守護神)を祀りました。この泉を「龍之口(たつのくち)」と名付け、龍神様のいらっしゃる泉という意味から龍泉寺と名付けられたと伝わっています。

 

平安時代には、龍泉寺から1kmほど上流にある「蟷螂の岩屋(とうろうのいわや)」に雌雄の大蛇が住み付いて人々を襲ったため、修験者たちが訪れなくなり、龍泉寺も衰退したそうです。そこで、京都の醍醐寺を創建した理源大師聖宝(りげんだいししょうぼう)が真言の力で大蛇を退治し、龍泉寺を再興したという伝説がのこっています。以降龍泉寺は、真言宗醍醐派の有力寺院として信仰をあつめるようになります。

龍泉寺は、古くから修験場として受け継がれている大峯山の登山口にあります。大峯山の山頂には、現在も女人禁制の伝統を守り、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産にもなっている「大峯山寺(おおみねさんじ)」があり、龍泉寺は大峯山寺の護持院のひとつでもあります。現代においても、大峯山へ修行に向かう行者が修行前に心身を清める第一の行場としての役割が続いています。

龍泉寺_山門
龍泉寺は修験道の聖地への入口としての役割を現代においても受け継いでいます。

 

 

「八大龍王」の8体の月替わり御朱印

龍泉寺では、八大龍王の御朱印をいただくことができます。
八大龍王とは、法華経の序品に登場し霊鷲山でお釈迦様の説法を聞いたとされる8体の龍族の王を指し、主に水や自然を司り、仏法を守護する存在とされています。

 

龍泉寺の八大龍王の御朱印は、月ごとに8体の龍王のうちの1体の御朱印が授与されていて、私が参拝した令和8年(2026年)3月は「和修吉龍王(わしゅきつりゅうおう)」の御朱印を拝受しました。
右に「奉拝」「参拝日」の墨書き、中央には「和修吉龍王」の墨書きと御影を表す朱印、左には「大峯山龍泉寺」の墨書きが入るデザインでした。

龍泉寺_御朱印_和修吉龍王
躍動感あふれる龍泉寺の和修吉龍王の御朱印です。

 

和修吉龍王は、災難除けと病気平癒を司る龍神とされており、私たちの日常生活に密着したご利益を与えてくれる存在だといえます。
インド神話の「乳海攪拌(にゅうかいかくはん)」し、神々が海をかき混ぜ不老不死の霊薬アムリタを求めた際に、神々が引っ張った山に絡めた綱が和修吉龍王であるとされます。日本では、九頭竜大神(くずりゅうおおかみ)と呼ばれることもあり、神道においてもよく知られていて、強い浄化と守護の象徴と考えられています。

 

龍泉寺では、令和8年3月以前の直近は以下のスケジュールで月ごとに8体の龍王の御朱印が授与されており、1巡したあとはまた順番に8ヶ月で1巡するようになっています。

 

令和7年8月:德叉迦龍王(とくしゃかりゅうおう) 知恵・洞察・浄化
令和7年9月:麻那斯龍王(まなしりゅうおう) 大地守護・安泰
令和7年10月:優鉢羅龍王(うばらりゅうおう) 心願成就・成功
令和7年11月:阿那婆達多龍王(あなばたったりゅうおう) 清浄・浄化・慈悲
令和7年12月:鳩利迦龍王(くりかりゅうおう) 破邪・厄除け
令和8年1月:難陀龍王(なんだりゅうおう) 喜び・繁栄
令和8年2月:跋難陀龍王(ばなんだりゅうおう) 降雨・安定
令和8年3月:和修吉龍王(わしゅきつりゅうおう) 災難除け・病気平癒

 

8体の龍王の御朱印をすべてそろえると「成満(じょうまん、修行や願い事が完全に達成されること)」となり、記念に8体の龍神が一堂に会した「八大龍王御朱印成満記念特別朱印」と「特別お守り」をいただくことができます。成満するまでには、異なる月で8回参拝・御朱印拝受する必要があり、私が成満できるのはまだかなり先になってしまいますが、成満できた際には8ヶ月間の様々なできごとが御朱印と共に思い起こされ、新たに前へと進む気持ちが芽生えることと期待しています。

 

今回の参拝でいただいた和修吉龍王の御朱印1体だけでも、墨書きの力強さと和修吉龍王の迫力ある御影の朱印から、強大なご加護を授かれたような気がします。

 

 

役行者の神通力を感じる「神変大菩薩」の御朱印

私が今回龍泉寺を参拝した際には、和修吉龍王の御朱印以外に、御本尊の未来仏「弥勒菩薩(みろくぼさつ)」の御朱印、近畿三十六不動尊 霊場巡礼の一願不動「不動明王(ふどうみょうおう)」の御朱印、開祖の役行者を表す「神変大菩薩(じんぺんだいぼさつ)」の御朱印が授与されていて、この中から神変大菩薩の御朱印も拝受しました。

 

神変大菩薩の御朱印は、右に「奉拝」「参拝日」の墨書きと「役行者霊蹟札所」の朱印、中央に「神変」の墨書きと「火炎宝珠(かえんほうじゅ)の中に梵字(ぼんじ)」の朱印、左に「大峯山龍泉寺」の墨書きと「大本山大峯山龍泉寺」の朱印が入るデザインでした。

龍泉寺_御朱印_神変大菩薩
役行者の神通力が感じられるかのような特徴的な書体の龍泉寺の神変大菩薩の御朱印です。

 

神変大菩薩とは、江戸時代後期の寛政11年(1799年)に第119代・光格天皇(こうかくてんのう)から、役行者に生前の偉業を称えて贈られた諡号です。
中央の火炎宝珠は、お願い事を叶える如意宝珠(にょうほうじゅ)と浄化の威力を象徴する火炎が組み合わさったものです。宝珠の中の梵字は「ウン(ウーン)」と読み、龍泉寺では修験道の御本尊である蔵王権現(ざおうごんげん)を表わしています。役行者が大峯山で感得したのが蔵王権現であったとされるため、神変大菩薩の御朱印にはこの梵字が配されています。

 

龍泉寺は、ここまでにご紹介したように役行者との由縁が非常に深いことから、役行者霊蹟札所の1ヶ寺になっています。
役行者霊蹟札所とは、近畿圏にある役行者ゆかりの36ヶ寺で構成される霊場巡礼で、平成12年(2000年)に役行者1300年遠忌記念事業の一環として発足しました。役行者が修行した聖地に所在する寺院が多数含まれ、修験道の歴史を現代に伝える山岳寺院も多いことから、すべての札所を参拝する難易度が高い霊場巡礼ですが、その分役行者の功績や自然の力を体感できると思います。

 

龍泉寺の神変大菩薩の御朱印にも、役行者の神通力が込められているかのように感じました。

 

 

 

 

八大龍王のご加護を感じる「龍之口」「龍王の瀧」「龍の天井画」

役行者が八大龍王を祀ったと伝わる「龍之口」からは、現在も霊水がこんこんと湧き出ていて、龍泉寺を流れ水行場を満たし、修行前の心身清浄化に使用されています。

龍泉寺_龍之口
龍之口から湧き出る清らかな水は現代でも水行に使われています。

 

また、昭和35年(1960年)に龍泉寺が女人禁制解禁になった際に水行場として新たに設けられた「龍王の瀧」では滝行を行うこともできます。寺務所受付で水行着をレンタルし、男女別の脱衣所で着替えてから滝行を行います。水行着は水を含むと透けるため、下に水着を着用することがおすすめです。滝行は春から秋にかけて実施されていますが、山の霊水は水温がとても低いので、くれぐれも無理のないようにしてください。老杉の木立に囲まれた龍王の瀧で清浄の水と空気を感じる体験は特別なものになることでしょう。

龍泉寺_龍王の瀧
龍王の瀧の霊水の冷たさは、秋の時期には足が痛くなるほどでした。

 

龍泉寺でぜひご覧になってみていただきたいのが八大龍王堂の中の天井画です。龍王を参拝し、龍王のご真言「オン メイギャ シャニエイ ソワカ」と唱えると、龍王のご加護を体いっぱいに感じることができるかもしれません。

龍泉寺_八大龍王堂天井画
龍が自分に迫ってくるかのような躍動感と目力にあふれる天井画です。

 

 

龍泉寺は、修験道の歴史を霊気を現代に伝える聖地であり続けている寺院です。修験道との深い関係性を体感することができる八大龍王や神変大菩薩の御朱印を拝受すれば、聖地に身をおいたことを実感し、心が整う感覚を得ることができるでしょう。境内の静謐な空気を体いっぱいに感じ、拝受した御朱印を見返すことで、龍泉寺での体験を呼び起こしてみると、日々の生活の活力になると思います。

 

 

 

 

ライター:さすらいのライターCulchan(カルチャン)
土地の持つエネルギーや記憶を探し求めて、寺社巡礼や御朱印拝受を行う日々を送っています。日本の自然や神仏、文化との邂逅が活力源になっていて、ライティングを通して日本の歴史や文化を次世代へ語り継ぎたいと思っています。

 

 

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