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【御朱印情報】宮城県「志波彦神社・鹽竈神社」の2社が一体となった「奥州陸奥国一之宮」の御朱印

宮城県塩竃市にある「志波彦神社・鹽竈神社」は、同じ境内に2社が鎮座する珍しい形式の神社です。2社が一体となった見開きサイズの御朱印には「奥州陸奥国一之宮」として地域で重要な役割を果たしてきた歴史が刻まれています。

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同じ境内に2社が鎮座する「志波彦神社・鹽竈神社」

宮城県塩竈市、日本有数の漁港である塩釜港(しおがまこう)の近くの小高い丘にある「志波彦神社(しわひこじんじゃ)・鹽竈神社(しおがまじんじゃ)」は、同じ境内に2社が鎮座する珍しい形式の神社です。

 

志波彦神社は、平安時代に編纂された官社一覧「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」にも記載されている地域の中核的な古社です。もとは現在の仙台市宮城野区岩切に鎮座していましたが、明治7年(1874年)に鹽竈神社へ遷祀され、昭和13年(1938年)に現在の社殿へ遷座しました。

 

鹽竈神社は、日本神話において武甕槌命(たけみかづちのみこと)と経津主神(ふつぬしのかみ)が東北を平定した際に両神を先導した塩土老翁神(しおつちおじのかみ)がこの地に留まり、現地の人々に製塩を教えたことが起源だと伝わっています。
中世以降は、平安時代に奥州を支配した藤原氏や、江戸時代に仙台藩主となった伊達氏など、歴代の領主からあつい崇敬をあつめました。

 

両社は、「東北の総鎮守」「東北開拓の守護神」とされ、東北全域に強い影響力をもつ神社として今なお信仰をあつめています。
約260の島々が浮かぶ景勝地で日本三景のひとつにもなっている「松島湾(まつしまわん)」に面し、近くには日本有数のマグロの水揚げ量を誇る「塩釜港」があり、海の安全を守る神、漁業をはじめとした商工業の神などとして、地域で重要な役割を果たしてきました。
戦後に始まり、毎年7月の第3月曜日(海の日)に開催されている「塩竈みなと祭」では、鹽竈神社が祭りの出発点となり、志波彦神社・鹽竈神社の神輿が塩竈市内を練り歩き、御座船をはじめ約100隻の船を従えて松島湾を巡航します。海を舞台に盛大に開催される祭礼は、塩釜市の夏の風物詩として有名で、日本三大船祭りのひとつともされています。

志波彦神社_鹽竈神社_社殿
志波彦神社と鹽竈神社は、同じ境内にそれぞれ独立した社殿を有しています。

 

 

2社が一体となった「奥州陸奥国一之宮」の御朱印

志波彦神社と鹽竈神社では、共通の授与所で2社の御朱印が見開きサイズにまとまった形で拝受することができます。

 

見開きの右側に配される志波彦神社の御朱印のページには、「延喜式内名神大社」と「志波彦神社」の朱印に、「奉拝」「陸奥国(むつのくに)」の墨書きが入ります。見開きページの左側に配される鹽竈神社の御朱印のページには、「奥州一之宮(おうしゅういちのみや)」と「鹽竈神社」の朱印に、「一之宮」「参拝日付」の墨書きが入ります。

志波彦神社_鹽竈神社_御朱印
2社の御朱印が見開きページで一体となった珍しい形式の志波彦神社と鹽竈神社の御朱印です。

 

志波彦神社の御祭神は志波彦大神(しわひこおおかみ)で、農業守護をはじめ、国土開発・殖産・商工業の神とされています。
鹽竈神社の御祭神は塩土老翁神を主祭神に、神社の起源と関係している武甕槌神と経津主神も祀られおり、塩業・漁業・家内安全・交通安全・厄除け、安産守護の神とされています。

 

朱印で「奥州一之宮」、墨書きで「陸奥国一之宮」と記されているのは、鹽竈神社がこの地域の一之宮として重要な役割を果たしてきたことを表しています。
一之宮とは、平安時代から中世にかけて確立した律令制に基づく旧国区分において、その国で最も社格が高いとされる神社のことで、国司(こくし、国の統括官)が派遣された際には、最初に参拝する神社とされていました。「奥州」「陸奥国」は、東北地方の旧国名で、現在の青森県・岩手県・宮城県・福島県にあたる地域です。

 

また、全国の海や製塩に関わる地域には、鹽竃・塩竈・塩釜・塩釡などの名が付く神社が多数あり、これらは鹽竈神社より分祀されています。鹽竈神社は全国のしおがま神社の総本社として広い範囲から崇敬をあつめる神社でもあるのです。

 

志波彦神社と鹽竈神社の2社が一体で記されるこの御朱印は、2社がそれぞれに地域で大きな役割を果たしてきたこと、由緒正しき歴史を現代に受け継いでいることを堂々と表現しているといえるでしょう。

 

 

境外末社「御釜神社」の御朱印

授与所では、境外末社である「御釜神社(おかまじんじゃ)」の御朱印もあわせて拝受することができます。
中央に「御釜神社」の朱印に、「奉拝」「御釜神社」「参拝日」の墨書きが書き入れられるシンプルなデザインの御朱印です。

志波彦神社_鹽竈神社_御朱印_御釜神社
製塩の歴史と深く関わる御釜神社の御朱印です。

 

御釜神社の境内には4口の竈が安置されており、これらは塩土老翁神が海水を煮て製塩する方法を人に教えた時のものであると伝わっていて、「塩釜」という地名の由来にもなったとされています。奈良時代から平安時代にかけて実際にこの竈を使って塩作りが行われていたともいわれていて、この古代製塩手法は、毎年7月の鹽竈神社例祭の神饌を調進する特殊神事「藻塩焼神事」にもつながり、現代にも受け継がれているそうです。

 

御釜神社にも参拝に訪れて、御朱印を拝受することにより、地域の歴史的背景を深く理解できると思います。

 

 

 

 

歴史的建造物と「鹽竈桜」など豊かな自然が見どころ

志波彦神社・鹽竈神社の境内には歴史的建造物や豊かな自然など見どころがたくさんありますので、いくつかご紹介します。

 

まずは、「鹽竈神社の表参道の石段」です。鹽竈神社の表参道には202段の長い石段が続いていて、石段の両側には奉納された石灯籠が並んでいます。陸奥国一之宮としてのあつい信仰をあつめてきた歴史や格式の高さを感じることができる景観だと思います。なお、表参道が正式な参拝路ですが、石畳のなだらかな坂道で比較的歩きやすい東参道や、神社創建当初からの古い参道である七曲坂と、複数の参道がありますので、境内をじっくり散策して歴史の深さを体感してみてください。

鹽竈神社_石段
両脇に木々が立ち並ぶ長い石段が聖域へといざなってくれる鹽竈神社の表参道です。

 

次に、「志波彦神社の鳥居と境内からの眺望」です。志波彦神社の鳥居は朱塗りが鮮やかで規模が大きく、鹽竈神社の石造の鳥居とは対照的な意匠です。志波彦神社の境内の展望スペースからは塩釜港や松島湾の気持ちの良い景色を望むことができます。

志波彦神社_鳥居
鹽竈神社と志波彦神社の異なる趣を比較するのも参拝の楽しみのひとつです。

 

最後にご紹介するのが「鹽竈桜(しおがまざくら)」です。鹽竈桜は、花弁が約40片からなる大輪の八重ザクラです。その歴史は古く、平安時代の第73代・堀河天皇(ほりかわてんのう)の和歌に「鹽竃櫻」と詠まれていることから、そのころにはすでに品種として成立していたものと考えられています。歴史ある著名な桜として昭和15年(1940年)には国の天然記念物に指定され、塩竈市の木にもなっている鹽竈神社の名物です。

鹽竈神社_鹽竈桜
鹽竈桜は、接木や苗木の育成をしながら、大切に受け継がれています。

 

同一境内にある志波彦神社と鹽竈神社は、それぞれに特徴的な建造物や景観を有していますので、心静かにゆったりと散策してみてください。高台にある境内から遠方に目を向けると海や山の豊かな自然を感じることができるのもおすすめポイントです。

 

 

志波彦神社・鹽竈神社は、それぞれに独自の歴史を歩み、地域で大きな役割を果たしてきた名社です。2社が一体になった御朱印を拝受すれば、歴史的背景や格式の高さを存分に感じることができるでしょう。歴史的建造物や豊かな自然を有する境内や、境外末社の御釜神社など、参拝・御朱印拝受体験をより豊かにする資源にも恵まれた神社ですので、じっくりと堪能してみてください。

 

※全国の一の宮に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

 

【御朱印情報】全国の有名な「一の宮」でいただける御朱印情報まとめ

 

 

 

 

ライター:shi-(しぃ)
宮城県在住のライター。神社巡り・御朱印巡りが好きで、訪れた場所の空気や小さな発見を大切にしています。御朱印を通して感じた神社の魅力やその土地に息づく物語を、現地の臨場感が伝わる写真とともにお届けします。

 

 

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