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【御朱印情報】埼玉県「秩父今宮神社」の神仏習合の歴史を感じる「秩父修験発祥の地」の御朱印

埼玉県秩父市にある「秩父今宮神社」は、神仏習合の歴史を現代に伝える古社です。「秩父修験発祥の地」と記される御朱印には、開祖である呪術者・役行者の強力な験力や地域の水の神として信仰をあつめる龍神の力が込められています。

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神仏習合の歴史を現代に伝える「秩父今宮神社」

埼玉県秩父市、観光客でもにぎわう中心市街地の一角にある「秩父今宮神社(ちちぶいまみやじんじゃ)」は、かつて神と仏が融合していた「神仏習合」の濃密な面影を現代に伝える、約1,300年の歴史を有するといわれる古社です。

 

その起源は西暦100年頃、信州諏訪の勢力が秩父へ移り住み、武甲山(ぶこうざん)の霊泉に水神を祀ったことに始まると伝わっています。のちにこの霊泉には、国生みの神である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)の二柱が祀られ、神聖な地としての性格を強めていきました。
奈良時代には、修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が秩父を訪れ、霊泉のほとりに八大龍王を祀る「八大宮(はちだいぐう)」を創建し、神仏習合の霊場として秩父修験の中心地となりました。

 

平安時代初期の天長2年(825年)には、真言宗の開祖・弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)がこの地を訪れ37日間の護摩秘呪を行い、永観2年(984年)に「大宮山満光寺(おおみやさんまんこうじ)」、長暦2年(1038年)には「長岳山正覚院金剛寺(ちょうがくさんしょうかくいんこんごうじ)」が開山され寺院としての性格も強まりました。
平安時代後期には熊野権現が勧請され、大日如来と宮中八神の習合した「八大権現社(はちだいごんげんしゃ)」が建立され、中世に入ると、天文4年(1535年)に疫病退散を願い、京都・今宮神社(いまみやじんじゃ)から須佐之男命(すさのおのみこと)が勧請されました。

 

戦国時代から江戸時代にかけては「今宮坊(いまみやぼう)」と総称され、神社・寺院・観音堂が広大な境内に共存する神仏習合の一大霊場として栄えました。しかし、明治元年(1868年)の神仏分離令により今宮坊は解体され、現在の秩父今宮神社の姿となりました。

 

現代においても、神仏習合の面影を色濃く残す聖地として、伊邪那岐命と伊邪那美命の夫婦神の良縁成就・家庭円満をはじめ、開運・厄除け・健康長寿など幅広いご利益を授かれるといわれ、地元の人はもちろん、秩父に観光に訪れた人など、たくさんの人が参拝に訪れています。

秩父今宮神社_社殿
江戸時代創建の旧社殿は聖神社(ひじりじんじゃ)に寄贈され、平成31年(2019年)2月に朱塗が鮮やかな現在の社殿が完成しました。

 

※聖神社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

 

【御朱印情報】埼玉県「聖神社」の日本初の流通通貨「和同開珎」の朱印がおされる金運上昇の御朱印

 

 

役行者と龍神の力を感じる「秩父修験発祥の地」の御朱印

秩父今宮神社の御朱印は、中央に「今宮神社」の墨書きと朱印、右側に「奉拝」の墨書きと「秩父修験発祥の地」の朱印、左側に「参拝日」のスタンプと社印がおされるデザインです。

秩父今宮神社_御朱印
「秩父修験発祥の地」の朱印から神仏習合の深い歴史を感じる秩父今宮神社の御朱印です。

 

御朱印に「秩父修験発祥の地」と記されるのは、修験道の開祖である役行者に由来します。
深山幽谷での厳しい修行で身につけた超能力「験力(げんりき)」を使って加持祈祷を行い、「物の怪」を祓ったり、病気の治療などを行ったりするのが「修験者」で、その信仰は「修験道」と呼ばれます。修験道の創始者は、飛鳥時代の呪術者・役行者だと信じられています。舒明天皇6年(634年)に出雲の加茂氏と葛城氏の娘との間に生まれた役行者は、17歳の時に孔雀明王(くじゃくみょうおう)の呪法を学び、葛城山(かつらぎさん)や熊野山(くまのさん)、大峯山(おおみねさん)で修業を重ねていきました。孔雀明王とは災厄を取り除き、安寧をもたらすといわれる仏様です。吉野の金峯山(きんぷせん)で一千日間の過酷な修行をしていた役行者は、目の前に現れた蔵王権現から人びとを救うための教えを授かり、修験道の基礎を築きました。役行者はその強力な験力によって神とも仏とも敬われ、第119代・光格天皇(こうかくてんのう)から「神変大菩薩(しんぺんだいぼさつ)」の名を賜っています。
その後も「国家安泰」「万民幸福」への道を探って難行苦行を続け、各地に神仏習合の神々を祀り、役行者が開基と伝えられる寺社は、全国に40ヶ所を越えるといいます。

秩父今宮神社_役尊神祠
秩父今宮神社の境内には「役行者大神(役尊神)」を祀る祠があります。

 

役行者は呪術者として多くの伝説を残しています。平安時代初期に編纂された史書「続日本紀(しょくにほんき)」によると、葛城山に住む役行者は、鬼を弟子にし、空を飛んだ超人だったとも伝わります。文武天皇3年(699年)には、人の讒言を受けて伊豆大島(いずおおしま)へ流刑(島流し)にされてしまいますが、役行者は夜になると島を抜け出し、富士山や関東の険しい山々へ飛んで修行を重ねていたという伝説も残っています。
701年頃、罪を許され秩父の地を訪れた役行者は、霊峰・武甲山の麓にこんこんと湧き出る清らかな泉を見つけ、「ここには本物の水の神・八大龍王が宿っている」と感じ、泉の傍らの庵に龍神を合祀して八大宮と名づけました。この泉は現在の秩父今宮神社の龍神池(りゅうじんいけ)にあたります。龍神が祀られるには、「霊山」「洞」「湧水」の三つの条件が必要とされるのですが、秩父今宮神社には霊山の武甲山、大欅の樹洞、湧き水による龍神池があり、すべての条件が揃っているため、役行者は八大龍王をここに祀ったとされています。

 

秩父今宮神社の主祭神・八大龍王神は、仏法を守護する8体の龍神「難陀(なんだ)」「跋難陀(ばつなんだ)」「娑伽羅(しゃから)」「和修吉(わしゅうきつ)」「徳叉迦(とくしゃか)」「阿那婆達多(あなばだつた)」「悩摩那斯(まなし)」「優鉢羅(うはら)」です。それぞれ歓喜、亜歓喜、大海、宝有、多舌、清涼、大力、青蓮華といった八様の働きをして、あらゆる願い事を叶えてくれる神仏両方の力をもつ尊い神様だといわれています。
古来より豊富に湧き出る武甲山の伏流水と龍神信仰が結びつき、地域の人にとっての聖地としてあつい崇敬をあつめます。現代にも続いている4月4日の水分祭(みくまりさい)では、秩父今宮神社の伏流水の御神徳である水幣(みずぬさ)が秩父地域でもっとも格式が高いとされる秩父神社(ちちぶじんじゃ)に授与され、秩父神社ではこの水幣によって御田植祭が執り行われています。

 

※秩父神社に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

 

【御朱印情報】埼玉県「秩父神社」の「知知夫国総鎮守」の風格と「秩父宮家」との関係が刻まれた御朱印

 

秩父今宮神社_龍神池
龍神の仮の姿といわれる龍神池では、今なおこんこんと清らかな水が湧き出ています。
秩父今宮神社_龍上観音
龍神池そばの樹洞に祀られている龍上観音は、大慈悲と智慧で人々の苦しみを取り除き幸運をもたらすといわれる仏様です。
秩父今宮神社_清龍の滝
境内の清龍の滝を流れる武甲山の伏流水は、「平成の名水百選」に選ばれ、一滴でご利益が万倍になる「一粒万倍の御神水」といわれています。

 

「秩父修験発祥の地」を称する秩父今宮神社の御朱印からは、最古の呪術者であり修験者・役行者の強力な験力や、地域の水を司る神として重要な役割を果たしてきた深い歴史を感じることができます。

 

 

 

 

生命力あふれる御神木「龍神木」

秩父今宮神社の境内のほぼ中央には、目を見張るほどの大きな欅(けやき)の御神木があります。樹周約9mの大樹で、樹齢は1,000年を越えるといわれ、昭和19年(1944年)に埼玉県の天然記念物に指定されました。
四方にのびのびと枝を広げ、青々とした葉が生い茂る大樹には龍神の住んでいるといわれて信仰の対象となり、「龍神木」とも呼ばれています。龍神木は生命力の象徴として、健康長寿や大願成就のご利益があると信じられていますので、秩父今宮神社を参拝の際にはその大きな力を体感してみてください。

秩父今宮神社_龍神木
樹齢1,000年を越える御神木は、「千年欅」「駒つなぎの欅」とも呼ばれ、秩父今宮神社の聖地性を象徴する存在です。

 

 

秩父今宮神社は、役行者に端を発する神仏習合の深い歴史や幅広いご利益で広く信仰をあつめています。武甲山の伏流水が湧く龍神池や生命力あふれる龍神木に癒やされ、役行者と龍神の御神徳が凝縮された御朱印をいただいてみてはいかがでしょうか。

 

※秩父地域で有名な秩父三社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

 

【御朱印情報】埼玉県秩父地域を代表する「秩父三社」でいただける御朱印

 

 

 

 

ペンネーム:木々野緑
日本の旧暦としきたりを日々研究するライター。御朱印との出会いは一期一会と感じていて、皆さまの良きご縁の一助となれるよう、御朱印にまつわる歴史や込められた思いをお伝えします。

 

 

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