- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
奈良県三郷町にある「龍田大社」は、風を司る神を祀り、古くから崇敬をあつめてきた神社です。「風神」と記される御朱印には、風を鎮めることにより五穀豊穣・航海安全・健康長寿などのご利益をもたらす強大な御神徳が込められているように感じました。
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奈良県三郷町、大和川(やまとがわ)と龍田川(たつたがわ)が流れる静かな山あいにある「龍田大社(たつたたいしゃ)」は、五穀豊穣や交通安全など日々の生活に密着した御神徳で古くから崇敬をあつめる神社です。
龍田大社は、第10代・崇神天皇(すじんてんのう)の御代に凶作や疫病が続いた際、天皇の夢に神様が現れ、「龍田の立野の小野に私を祀りなさい」というお告げを受け、お告げの通りに社を造営したところ、たちまち豊作となり疫病も治まったことに始まります。
奈良時代に編纂された日本最古の史記「日本書紀(にほんしょき)」には、天武天皇4年(675年)に勅使を遣わして龍田の立野に神を祀ったという記述があり、この年から数えても1300年以上の歴史を持つ古社であることがわかります。
平安時代に成立した律令細則「延喜式(えんぎしき)」に収められた「龍田風神祭祝詞(たつたのかぜのかみをまつるのりと)」には、天御柱大神(あめのみはしらのおおかみ)と国御柱大神(くにのみはしらのおおかみ)の男女一対の二柱が、大和川を挟んで西方にそびえる龍田山に降臨したと記され、山中には「御座峰(ございがみね)」と刻まれた石碑が現在も残っています。
官社一覧「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」では名神大社に列し、明治維新後の近代社格制度では最高位である官幣大社となり、格式の高い神社として広く信仰をあつめてきた歴史を有します。


拝殿の脇には、奈良時代に活躍した歌人・高橋虫麻呂(たかはしのむしまろ)の歌碑が安置されており、奈良時代末期に成立した日本最古の和歌集「万葉集(まんようしゅう)」にも収められた龍田の神への信仰をうかがわせる歌が刻まれています。難波宮(なにわのみや、現在の大阪府大阪市)から龍田路を越えて平城京(へいじょうきょう、現在の奈良県奈良市)へ向かう旅の途中、峠にさしかかった際に龍田の神へ道中の無事を祈る様子を表した歌です。龍田古道が大阪と奈良を結ぶ要路として栄えた奈良時代、旅人たちが龍田の神に安全を託していたことがしのばれます。
このほかにも、龍田の名は和歌の世界で長く親しまれてきました。能因法師(のういんほうし)の「あらし吹く三室の山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり」や、在原業平(ありわらのなりひら)の「ちはやぶる神代も聞かず龍田川からくれなゐに水くくるとは」といった「百人一首(ひゃくにんいっしゅ)に選ばれてる名歌が、龍田大社ゆかりの和歌として神社の栞にも紹介されています。

また、隣町の斑鳩町にある法隆寺(ほうりゅうじ)には、飛鳥時代に活躍した皇族・政治家である聖徳太子(しょうとくたいし)が寺院の建立地を探した際に龍田の神に導かれたという伝承が残っています。現在でも御分霊を祀る「龍田神社」が鎮守社として境内に建てられており、龍田大社が古代の日本の中心地で大きな影響力がある神社であったことがわかります。
※法隆寺に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】奈良県「法隆寺」の聖徳太子の言葉「以和為貴」が記される御朱印
龍田大社では、境内の社務所で、基本の御朱印のほか、祭事にあわせた限定御朱印などが授与されており、受付時間は9時~17時です。
令和8年(2026年)7月に私がいただいた基本の御朱印は、右上に「風神」、中央に「龍田大社」、左に「参拝日付」の墨書きに、中央に「龍田大社」の朱印がおされるデザインで、持参した御朱印帳に直書きしていただき、初穂料は500円でした。

「風神」は、主祭神である天御柱大神・国御柱大神が、志那都比古神(しなつひこのかみ)・志那都比売神(しなつひめのかみ)とも呼ばれ、天と地の間を吹き渡る風を司る神様であり、すなわち大気や生気そのものを司る神様だと伝わっていることを表しています。「御柱」とは天地万物生成の中心となる柱を意味し、「志那」は息長(いきなが)に通じ気息が長く遠くまで吹き渡ることを表すとされ、御祭神の名前にも風神たる由縁が込められています。
龍田大社が鎮座するこの地は、大和と河内を隔てる山並みが大和川によって切り開かれた地点にあたり、風が山あいを吹き抜ける道でもありました。天地宇宙万物を生み出す「気」そのものを守護する神が風の通り道に祀られたのです。
二柱は古くから「龍田の風神」と総称され、地域で重要な役割を果たしてきました。
「風」にまつわる伝承として、鎌倉時代の「元寇(げんこう)」に際してのエピソードが語り継がれています。
文永11年(1274年)と弘安4年(1281年)の2度にわたって蒙古(もうこ、現在のモンゴル)が日本に襲来の際、朝廷は龍田大社をはじめとする各地の社寺に異国調伏の祈祷を命じたところ、暴風が吹いて蒙古の船団が退けられた「神風」の伝説です。風を意のままに操るの神様として、龍田大社の名は広く知られるようになったそうです。
平安時代の律令制度のもとでは、「龍田風神祭」が朝廷の公式な祭祀として、毎年4月と7月の年2回、盛大に執り行われていました。延喜式にはその際に奏上される祝詞が収められており、五穀の実りを損なう暴風を鎮め、順調な収穫をもたらしてくれるよう祈る内容が記されています。国家の祭祀として風神に単独で祈る例は多くなく、「龍田の風神」が国家・朝廷にとって重要な神であったことがわかります。
独特の書体で書き入れられる風神の御朱印には、風を鎮めることにより五穀豊穣・航海安全・健康長寿などのご利益をもたらす強大な御神徳が込められているように感じました。
龍田大社から東に約7kmの場所にある「廣瀬大社(ひろせたいしゃ)」は「水神」として崇められており、古くから「龍田の風神、廣瀬の水神」と並び称されてきました。両社ともに河川が合流する要所に鎮座し、ご利益や地域で果たしてきた役割に共通点があります。
両社の御朱印のデザインも同じような構成になっており、2社をあわせて参拝し御朱印を拝受すれば、より大きな御神徳とご縁をいただけることでしょう。
※廣瀬大社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】奈良県「廣瀬大社」の「水神」「橘の花」が記される神聖な祈りが込められた御朱印
また、龍田大社では、毎月1日(元日は除く)に斎行される「ご神縁祈願祭」に参列すると、オリジナル御朱印帳とともに、通常とは異なる特別な御朱印を拝受することができます。「安心龍命」という墨書きに、神紋である「八重の楓」の印がおされる特別な御朱印です。「安心龍命」とは、心を安んじて天命に身を委ねるという意味の「安心立命(あんしんりつめい)」に、龍田大社ゆかりの「龍」の字を重ねた、龍田大社ならではの特別な言葉です。祈祷および御朱印帳・御朱印授与は完全予約制で初穂料は5,000円とのことです。
今回私が参拝したのは1日ではなかったので、この御朱印にはご縁をいただけませんでしたが、次回は1日にあわせて参拝し、特別な御朱印を拝受してみたいと思っています。
龍田大社では、「風」や「気」への信仰の形が、境内のあちこちで表現されています。
社殿の近くに掲げられている「風の言霊 丙午歳 氣宇」と題する木札には、氣宇とは物事に対する心の持ち方・気構えのことだと記されていました。日々の心の持ちようを整えることで、大神様のご加護のもと健やかな1年を過ごせるように、という願いが込められています。丙午歳」と記載されていることから、年ごとに異なる言葉が掲げられるようです。
また、龍田大社では「美氣流行(びきりゅうこう)」という祈願も行われています。美しく麗しい気が滞りなく巡り渡るよう願う祈願で、「なにか調子が悪い」「物事が上手く進まない」といった、気の流れが滞った状態を解消するためのものだと案内されていました。「気」の巡りを司る神を祀る龍田大社らしい、独自の信仰の形だと思います。

私が龍田大社を参拝した令和8年(2026年)7月4日は、翌日に控えた祭典「風鎮大祭」の準備が進められている最中でした。毎年7月の第1日曜日に執り行われ、飛鳥時代から続くとされる龍田大社にとって重要な祭典のひとつです。祭事を控えた境内に漂う、どこかあらたまった清々しい雰囲気も、強く印象に残りました。

境内には「白龍神社」「黒龍神社」という龍神を祀るお社もありました。白龍神社には、江戸時代末期に境内に白蛇が出現し、後に白龍として再び姿を現したという逸話が伝わっています。社名の「龍田」とも関連する霊気あふれる社ですので、龍田大社を参拝した際にはぜひあわせてお参りください。

龍田大社は、風神を祀る神社として、古代から地域はもとより国家・朝廷からも崇敬をあつめてきた古社です。「風神」と記される御朱印には、境内を流れる清々しい「風」「気」の気配が表わされているように感じました。参拝の折には、深呼吸をしながら、龍田大社に流れる風と気をぜひ体感してみてください。
※全国の大社に関して、以下リンクの記事でまとめて紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】全国の有名な「大社」でいただける御朱印情報まとめ
ライター:さすらいのライターCulchan(カルチャン)
土地の持つエネルギーや記憶を探し求めて、寺社巡礼や御朱印拝受を行う日々を送っています。日本の自然や神仏、文化との邂逅が活力源になっていて、ライティングを通して日本の歴史や文化を次世代へ語り継ぎたいと思っています。
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福岡県福岡市博多区にある「十日恵比須神社」は、恵比須様と大國様を祀る神社で、特に正月大祭の際には、商売繁昌や家内安全を願う大多くの人々が参拝に訪れています。通常の御朱印のほかに、祭事限定や月替わりなどの華やかなデザインの御朱印も授与されています。
神奈川県横浜市西区にある「成田山横浜別院延命院」は、明治時代より成田山新勝寺の横浜別院として信仰をあつめてきた真言宗智山派の寺院です。真言密教信仰の真髄や、成田山信仰の歴史が凝縮された御本尊「不動明王」の御朱印をいただくことができます。
埼玉県秩父地域にある「秩父神社」「三峯神社」「寳登山神社」からなる「秩父三社」は、秩父地域を代表する信仰の聖地です。古くから自然信仰や山岳信仰を受け継ぎ、日本武尊の伝説とも深く結び付いてきました。3社それぞれの歴史や特徴とともに、信仰や伝説が刻まれた御朱印の魅力をご紹介します。
愛媛県松山市にある「湯神社」は、古くから「道後温泉の守護神」として親しまれている神社です。道後温泉を長きにわたって見守り続けてきた歴史と温泉守護・病気平癒・開運厄除・縁結びなどの多様なご利益をもたらす御神徳が詰まった御朱印をいただくことができます。