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【御朱印情報】東京都「大國魂神社」の武蔵国守り神「武蔵總社」の歴史の重みを感じる御朱印

東京都府中市にある「大國魂神社」は、武蔵国の守り神「総社」として古代より崇敬をあつめてきた名社です。豊かな杜に包まれた厳かな社殿でいただく御朱印に記された「武蔵總社」の墨書きは、歴史の重みと奥深さを伝えてくれます。

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武蔵国の守り神「総社」として信仰をあつめる「大國魂神社」

東京都府中市、JR府中本町駅からすぐ、近くには東京競馬場がある市街地に鎮座する「大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)」は、「武蔵国の総社」として古代より崇敬を集めてきた神社です。

 

大國魂神社の起源は、12代・景行天皇(けいこうてんのう)の時代の西暦111年に大神の託宣によって創立されたと伝わっています。
主祭神である大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)は、大国主命(おおくにぬしのみこと)の名で広く知られる国造りの神様です。島根県・出雲大社(いずもおおやしろ・いずもたいしゃ)の御祭神でもあり、因幡の白兎を助けた心優しき大国主命は、福と良縁を招き、厄を払う神として崇められてきました。
※出雲大社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

 

【御朱印情報】島根県「出雲大社」の伝統的なデザインの御朱印4種

 

飛鳥時代、大化の改新(645年)以降に武蔵国府がこの地に置かれると、大國魂神社は国内の神々を合祀した「武蔵総社(六所宮)」となり、武蔵国の中心的神社として崇敬されるようになります。
平安時代後期の永承6年(1051年)には、奥州征伐に向かった源頼義(みなもとのよりよし)・義家(よしいえ)父子が、東北地方を御神威で治めようと、南向きだった社殿を北向きに改めました。康平5年(1062)、阿倍氏を討ち果たした父子は、勝利した記念として欅の苗木1,000本を寄進、これが現在も続く大國魂神社の欅並木の由来となっています。

大國魂神社_大鳥居
御影石製として日本一の大きさを誇る大鳥居をくぐり、木々に囲まれた参道が社殿へと続きます。
大國魂神社_隋神門
国産の総檜づくりの隋神門は、扉1枚が畳5畳分に相当するなど、木造の門としては類い稀な大きさを誇ります。

 

その後、鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(みなもとのよりとも)が正室・政子(まさこ)の安産の祈願を行い、社殿を造営しました。
室町・戦国時代を経ても地域の信仰は衰えず、江戸時代には徳川将軍家からもあつい庇護を受けました。特に江戸幕府初代将軍・徳川家康(とくがわいえやす)は鷹狩りでこの地を訪れることが多く、武蔵国の総社として大國魂神社を崇敬し、慶長11年(1606年)に社殿をはじめとする建物の大造営を行っています。
正保3年(1646年)の火災で社殿は焼失しましたが、4代将軍・徳川家綱(とくがわいえつな)により寛文7年(1667年)に再建され、これが現在の本殿へとつながっています。

 

中世・近世を通じて武家から社領の寄進や改修を受けて発展してきた大國魂神社は、明治4年(1871年)に「武蔵総社六所宮」から「大國魂神社」へと改称されました。
現在でも厄除けや縁結びのご利益を求めて、都内のみならず全国から多くの参拝者が訪れる神社として親しまれています。

大國魂神社_鼓楼
時を告げる太鼓をおさめた鼓楼は、徳川家康によって建立されました。
大國魂神社_拝殿
深い杜に包まれた境内は、都会の喧騒を忘れさせる静けさが広がっていました。

 

 

歴史の重みと奥深さが伝わる「武蔵總社」の御朱印

大國魂神社の御朱印は1種類のみで、御朱印帳への直書きと、手漉き和紙の台紙の書置きから選ぶことができます。

 

中央に「大國魂神社」の朱印と墨書き、右側に「奉拝」、左下に「参拝日付」の墨書きと「大國魂神社社務所」の朱印がおされる伝統的なシンプルなデザインで、私は持参した御朱印帳に直書きしていただきました。

大國魂神社_御朱印
「武蔵總社」の文字が歴史の重みを感じさせる大國魂神社の御朱印です。

 

鮮やかな朱色と、重厚な墨色が調和した御朱印は、飾り気のない清々しさと気高さを感じさせます。また中央に堂々と記された社名からは、古来より人々のあつい信仰をあつめてきた古社の荘厳さが伝わってきます。

 

大國魂神社の御朱印の特徴は、なんといっても社名上部に記される「武蔵總社(むさしそうじゃ)」の墨書きです。「総社」とは、古代の国府(こくふ)において、その地域に点在する神社の神々を1ヶ所にまとめて祀った社を指します。
古代の日本では、律令制度にもとづき全国を「国(くに)」にわけ、それぞれの国に行政機関である国府が置かれました。中央から派遣される地方行政官の国司(こくし)は任国内の有力諸社へ参拝する必要がありましたが、武蔵国は現在の東京都、埼玉県、神奈川県の一部を含む広大な領域であり、すべてを巡拝するのは容易ではありません。そこで、武蔵国内の有力な神社を大國魂神社に集めて祀り、国司が参拝できるよう整えられたのが「総社」です。

 

大國魂神社は「六所宮(ろくしょぐう)」とも呼ばれ、三殿一棟の本殿の両側に武蔵国の一の宮から六の宮までの六社を合祀しています。

 

中殿:大國魂大神、御霊大神、国内諸神
東殿:一ノ宮小野神社(おのじんじゃ、東京都多摩市)、二ノ宮二宮神社(にのみやじんじゃ、別称・小河神社(おがわじんじゃ)、東京都あきる野市)、三ノ宮氷川神社(ひかわじんじゃ、埼玉県さいたま市大宮区)
西殿:四ノ宮秩父神社(ちちぶじんじゃ、埼玉県秩父市)、五ノ宮金鑚神社(かなさなじんじゃ、埼玉県児玉郡神川町)、六ノ宮杉山神社(すぎやまじんじゃ、神奈川県横浜市緑区)

 

※氷川神社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

 

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大國魂神社_本殿
複数の神が合祀されている本殿は、珍しい「三殿一棟」の構造です。

 

毎年5月5日に行われる例大祭、俗称「くらやみ祭」は、古代から続く「国府祭」に起源をもつ伝統行事で、東京都の無形民俗文化財にも指定されています。
午後6時に六張りの大太鼓が打ち鳴らされると神輿が本殿からくり出します。神輿は、大國魂大神の御本社御輿、一之宮から六之宮までの各神社の御輿、そして御霊之宮の御輿の8基で、本殿から御旅所へ神幸する荘厳な祭りとして知られています。

 

大國魂神社は武蔵国の総社として、国内の神々を束ねる中心的な役割を担ってきました。御朱印に記される「武蔵總社」の文字は、武蔵国全体を守護する神々の中心地であることを示しており、その歴史の重みが深く感じられます。

 

 

 

 

珍しい厄払い「人形流し」

大國魂神社には、「人形流し(ひとがたながし)」という珍しい厄払いがあります。紙製の人形に厄や穢れを移し、水に流す儀式です。
まず大麻(おおぬさ)で自祓いをし、紙の人形に名前を書きます。次に身体の気になる部分を人形でなでて厄や穢れを移し、息を吹きかけます。最後に近くを流れる小川に人形を流します。水面にふわっと乗せるように流すと、うまく流れに乗り、紙はすぐに溶けていきます。
流れて消えていく人形を見送ると、憑き物が落ちたように身も心も軽くなり、気持ちが晴れやかになりました。大國魂神社を訪れた際にはぜひ体験してみてください。

大國魂神社_人形流し
紙の人形に厄や穢れを移し水に流して祓う「人形流し」は、初穂料100円で体験することができます。
大國魂神社_人形流し_小川
境内の小川に人形を流すと、穢れとともに水に溶けていきました。

 

 

大國魂神社は、古代から地域の守り神として人々の暮らしを見守り続けてきました。「武蔵總社」と記される御朱印は、長い歴史と総社の威厳を感じさせる特別な1体です。関東で御朱印巡りをする人はぜひ訪れていただき、神々の息づかいが今も残る古社の歴史とご利益を感じながら、心静かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

ペンネーム:木々野緑
日本の旧暦としきたりを日々研究するライター。御朱印との出会いは一期一会と感じていて、皆さまの良きご縁の一助となれるよう、御朱印にまつわる歴史や込められた思いをお伝えします。

 

 

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