- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
広島県の宮島にある「大聖院」は、有名な厳島神社とも関係が深く、聖山・弥山も境内とする大寺院です。豊臣秀吉ゆかりの御本尊・波切不動明王の御朱印や、季節ごとに限定で授与されるデザイン性豊かな御朱印が話題になっています。
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広島県廿日市市の瀬戸内海に浮かぶ宮島にある「大聖院(だいしょういん)」は、大同元年(806年)に唐から帰ってきた弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)が宮島の弥山(みせん)で修行をしたことが始まりとされています。平安時代末期には、宮島を訪れた鳥羽天皇の命により勅願道場として本堂の勅願堂が建てられました。天正12年(1584年)には、皇族が住職を務める門跡寺院のひとつである京都・仁和寺(にんなじ)の仁助法親王(にんじょほうしんのう)の滞在もあった名刹で、現在も真言宗御室派(しんごんしゅうおむろは)の大本山として多くの参拝者をあつめています。
かつては十二坊の末寺をもつ規模を誇り、同じ宮島にある厳島神社(いつくしまじんじゃ)の別当寺(べっとうじ)として祭祀も行っていました。厳島神社で行われている旧暦7月14日の玉取祭や大晦日の鎮火祭は、元々は大聖院から始まった年中行事です。また、現在は大聖院の観音堂に安置されている十一面観世音菩薩は、かつては本地仏(ほんじぶつ)として厳島神社の奥殿にありました。明治時代の廃仏毀釈により、大聖院に移されました。
※同じ宮島にある関係の深い厳島神社について、以下リンクの記事で紹介されていますので、ぜひこちらもご覧ください。
【御朱印関連情報】安芸の宮島にある世界遺産の広島県「厳島神社」の御朱印
観音堂には、豊臣秀吉が盛大な歌会を催した、明治天皇が行在所(あんざいしょ)として宿泊されたなど、大聖院の格式の高さがわかるエピソードが残っています。
摩尼殿には、弥山の守護神の三鬼大権現(さんきだいごんげん)が祀られています。大日如来の化身の時眉鬼神(じびきしん)、虚空蔵菩薩の化身の追帳鬼神(ついちょうきしん)、不動明王の化身の魔羅鬼神(まらきしん)のことをいいます。弘法大師空海が弥山に三鬼大権現を勧請したといわれていて、大聖院の創建にも深く関わり、宮島独自の信仰の形態です。
大聖院は寺院ですが、鬼神様を祀っている摩尼殿では、神社の作法に則り二礼二拍一礼でお参りします。三鬼大権現を正式に祀ってあるのは弥山山頂の三鬼堂ですが、山頂まで参拝できない人のために祈りを捧げる遥拝所となっています。
高低差のある境内に、勅願堂や大師堂、七福神を安置する万福堂など様々な仏様が祀られています。大聖院は、日本三大厄除け開運大師として人々の崇敬をあつめ、さらに、四国八十八ヶ所と中国三十三観音道場のお砂踏み道場や、西国三十三観音霊場の本尊の石仏もあり、西日本の霊場をひとところで巡拝することができ、祈願に訪れる人が後を絶ちません。
大聖院のすぐ横には、標高535mの弥山の登山ルートのひとつ「大聖院ルート」が通っています。弥山登山道には6つのルートがありますが、大聖院ルートは厳島神社から奥の院にあたる御山神社(みやまじんじゃ)まで最短で登れるルートで、たくさんの登山者が歩いています。また、弥山の山頂付近には、弥山伽藍と呼ばれる区域がありますが、ここも大聖院の境内の扱いになり、弥山の麓のたくさんのお堂が並ぶ区域も含め、広大な境内を有していることになります。
江戸時代には、厳島神社への参拝と七浦巡り(宮島の七つの入江に祀られている七浦神社を海上から参拝する)、弥山への登山をすべてセットにしたものが厳島詣とされていました。
厳島神社の社殿や鳥居はとても有名ですが、実は神社背後の大聖院を含む弥山原始林も合わせてユネスコの世界文化遺産に指定されています。厳島神社と大聖院の双方でかつての神仏習合の伝統を色濃く受け継いでいるのが、宮島の信仰の特徴といえるでしょう。
大聖院の御朱印は、鳥羽天皇が命じて建てられた勅願堂に安置されている波切不動明王が墨書きされています。鳥羽天皇はここ宮島で、日本国内の安寧と繁栄を願われました。この波切不動明王は、のちに豊臣秀吉によって文禄の役で軍艦船宝丸に安置されたと伝わっています。秀吉は波切不動明王を御身仏とし、戦いの必勝と航海の安全を祈願したそうです。
大聖院では折にふれ限定御朱印が授与されています。令和5年(2023年)の秋に参拝した私は、限定の切り絵御朱印を2種類いただいてきました。
「彼岸花とジョウビタキ」は、台紙一面に彼岸花が切り絵で描かれています。越冬のために宮島に渡来するジョウビタキが飛ぶ姿が、秋の訪れを告げているようなデザインです。
「宮島の海と金木犀」は、波間に浮かぶ金木犀が香りを運んでくるようです。箔押しは夜空に浮かぶ月の姿をしており、彼岸花とは対照的な静けさの世界を表現しています。
令和5年(2023年)夏には、弥山の夜空に打ちあがる花火をイメージした「透かし御朱印 MISEN〜打ち上げ花火」も授与されたそうです。
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大聖院には至る所に寄進された人の名前が書かれた仏様がおられます。お砂踏み道場の観音様に添えられた寄付をした人の名前、一願大師にびっしりと掲げられた絵馬、波切不動明王を囲むように安置された千体不動。境内を歩くと、人々の救いの願いを受け止めてきたお寺の歴史が伝わってきます。
宮島は厳島神社がとても有名ですが、宮島を訪れた際には、厳島神社と深いつながりがあり、聖地性を秘めた大聖院にもお参りいただき、参拝の記念に美しい御朱印をぜひ拝受してみてください。
※同じ宮島島内にある豊国神社、大願寺に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
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ライター:さくらブロッサム
歴史好きなWebライター。関西地方で暮らしていた18年前に御朱印に出会い、子どもを連れて家族で神社仏閣を巡り、集めた御朱印帳は3冊になりました。夫婦二人暮らしになり、神社仏閣巡りを再開。人々の祈りに込められた思いを大切にした御朱印の魅力をご紹介します。
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