- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
島根県出雲市にある「出雲大社」は、ご縁を求める人が全国から集まってくる「縁結びの神様」として知られています。御本殿、神楽殿、出雲教北島國造館、天神社の4種類の御朱印をいただくことができ、どれも伝統的なシンプルなデザインで風格があります。
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目次
島根県出雲市にある「出雲大社」は、一般的には「いづもたいしゃ」と呼ばれる全国屈指の有名な神社ですが、「いづもおおやしろ」が正式な読み方です。大国主命(おおくにぬしのみこと)が祀られていて、神話によると、農耕・漁業・殖産・医薬などあらゆる知恵を人々に授け、豊かな国を築き、国譲りにより大国主命のために建てられた「天日隅宮(あめのひすみのみや)」が出雲大社の始まりとされています。
大国主命は目に見えない世界を「むすび」の力によって導くといわれています。出雲地方では「神在月(かみありづき)」と呼ばれる旧暦の11月には、日本各地から八百万神(やおよろずのかみ)が出雲に集まり、神々の世界の事柄や人と人との縁、男女の縁結びが話し合われると伝わっています。
出雲大社は全国屈指の規模をほこる神社で、敷地面積は約18万㎡(約5万6000坪)で、境外の摂社・末社や山林を合わせると約38万㎡あるといわれています。
敷地面積が広いので、御本殿にいたる参道もとても長く、参道にある複数の鳥居がそれぞれ素材が異なり特徴的です。
まずご紹介する御神域の入口にあたる場所にある「二の鳥居」は、「勢溜の大鳥居(せいだまりのおおとりい)」とも呼ばれる鋼の鳥居です。江戸時代には、鳥居前の広場に芝居小屋があり、人の勢いが溜まる場所ということで勢溜と呼ばれるようになったそうです。
勢溜は、神在月に稲佐の浜にお迎えした神々が出雲大社へとむかわれる神迎の道と、一の鳥居から続く神門通りが交差する地点にあたり、二の鳥居をくぐると、いよいよ石畳の坂道が続く下り参道の御神域に入ります。
参道の途中にある祓社(はらえのやしろ)に参拝し心身の穢れを祓います。
さらに坂を下り、素鵞川(すがかわ)に架けられた祓橋(はらえのはし)を渡ると、「三の鳥居」が見えてきます。両側に松が植えられ鉄で作られた三の鳥居は、「松の参道の鳥居」とも呼ばれています。
鳥居の両側に植えられている松並木は、江戸時代初期の嘉永年間(1630年頃)に当時の松江藩主・堀尾忠氏(ほりおただうじ)の夫人によって奉納されたそうで、樹齢400年をこえるといわれています。
松並木をしばらく歩いていくと、最後の「四の鳥居」が見えてきます。
国の重要文化財に指定されている四の鳥居は、安土桃山時代の天正8年(1580年)に中国地方を支配していた戦国武将・毛利輝元(もうりてるもと)により寄進され、江戸時代に入った寛文6年(1666年)に孫の当時の長州藩主・毛利綱広(もうりつなひろ)によって損傷部分が作り直され、現在に至る銅製の鳥居です。
日本に現存する銅製の鳥居としては最も古いものだとされ、国の重要文化財に指定されています。
長い参道を経て、四の鳥居をくぐると、御本殿に参拝するための拝殿があります。
出雲大社では、一般的な神社の参拝作法である「二礼二拍手一礼」ではなく、「二礼四拍手一礼」が作法とされています。
拝殿で参拝した後は、拝殿の裏側へ向かいましょう。拝殿の背後には、御本殿の一番近くで参拝できる八足門(やつあしもん)がありますので、ここからも再度参拝されることをおすすめします。
御本殿を参拝したあと、出雲大社の御朱印をいただきました。御朱印受付所は、八足門のすぐ近くの拝殿裏側にあります。
出雲大社の御朱印は、中央に「出雲大社」の朱印がおされ、「参拝」「日付」の墨書きのみの伝統的なシンプルなデザインです。初穂料は「お気持ちを納める」とのことでした。
この出雲大社の御朱印は、私がオーダーメイドの注文をした御朱印帳「千年帳」にいただきました。特別な御朱印帳の最初の1ページ目にと思い、わざわざ出雲大社へお参りにきたのです。
千年帳の本紙は、日本三大和紙のひとつである土佐和紙で、中でも職人さんが1枚1枚手漉きした最高品質の土佐手漉和紙が使われています。今回のオーダーメイドでは、楮(こうぞ)という植物が主な原料の本紙を選択しました。
和紙らしい独特の表面感や風合いがあり、書き入れてくださった御朱印担当の人に感想を聞いてみると、「とても書き心地の良い紙でしたよ」とおっしゃっていました。
同じ担当者さんに全国一の宮御朱印帳にも御朱印を書いていただいたのですが、同じ書き手とは思えないぐらい仕上がった文字に違いがありました。千年帳の方は、滑らかな筆運びでバランス良く書いてくださった印象です。和紙の質感によって、仕上がりにこれほど違いが出るのかと驚きました。
御本殿での参拝と御朱印拝受を終えたあとは、御本殿を反時計回りにさらに進み、神在月に八百万神が宿泊する十九社(じゅうくしゃ)の前を通り、御本殿の背後にある大国主命の父神である素戔嗚尊(すさのおのみこと)が祀られている「素鵞社(そがのやしろ)」にも参拝しました。
神々をお迎えする稲佐の浜を参拝して浜辺の砂ををいただき、素鵞社の床縁下の御砂と交換するという風習があります。素鵞社の御砂は、持ち帰りお守りにしたり、庭に撒いたりして御加護をいただく、という信仰が古くから続いており、ご利益をいただけると人気のスポットになっています。
御本殿と素鵞社を参拝したあとは、神楽殿に向かいました。神楽殿は、出雲大社の後背の禁足地である八雲山から流れる素鵞川を渡った、御本殿の西側にあります。敷地内には、出雲国造の住まいである千家国造館も建っています。
神楽殿で有名なのは、なんといっても「大しめ縄」です。長さ13m、重さ5.2tもあり、日本最大のしめ縄といわれていて、島根県飯石郡飯南町の人々によって奉納されています。
神楽殿は、元々は千家国造家内の大広間でしたが、明治時代初期に出雲大社教が設立されてからは、出雲大社教の神殿としてご祈祷や結婚式などの祭事を行うようになりました。現在の神楽殿は、昭和56年(1981年)に新しく建てられた建物です。
神楽殿でも御朱印をいただくことができます。初穂料は御本殿の御朱印と同様に「お気持ちを納める」とのことでした。
中央に「出雲大社神楽殿」の朱印がおされ、「参拝」「日付」の墨書きのみが書き入れられる、御本殿の御朱印と同様の伝統的なシンプルなデザインです。
神楽殿参拝後に、さらに立ち寄ったのが「出雲教北島國造館(いずもきょうきたじまこくそうかん)」です。
出雲教は「出雲大社という神社と、そのご神徳を拡める教団」として、明治時代に北島国造家が創始した神道教団です。
神楽殿から四の鳥居に戻り、御本殿を左手に見ながら東方向に進んで吉野川を渡ると、北島國造館に向かう社家通りがあります。
北島國造館の敷地内では写真撮影が禁止されているため写真がないのですが、江戸時代の安政6年(1859年)に松江藩主・松平安定(まつだいらやすさだ)によって奉納された大門が出迎えてくれます。
池に向かって伸びている松を龍に、出島のソテツを虎に見たてた「龍虎の庭」や、池の形が心の字を形どっている「心字池(しんじいけ)」など、敷地内には多数の見どころがあります。出雲大社の御神域内で一番古い建物とされる「北島国造家四脚門」は、島根県の文化財に指定されています。
北島國造館でも参拝の証として、御朱印をいただくことができます。初穂料は500円でした。
北島國造館の敷地内ある「天神社」は、大国主命と一緒に国造りを行った少名毘古那命(すくなひこなのみこと)を祀っています。
少名毘古那命とは、大国主命が出雲国造りに悩んでいた時にガガイモのさやに乗り、蛾の皮をまとって現れた、指の間からこぼれ落ちるほどの小さな神様です。病を除く方法や、虫害や鳥獣の害を取り除く方法を定めたとされているため、医療の神・薬の神・酒造の神・温泉の神・農業の神などとされています。
少名毘古那命一柱でお祀りしている神社は全国を見回してもとても少ないそうで、知る人ぞ知るご利益スポットになっています。
この天神社の御朱印も授与されていて、北島國造館の授与所でいただくことができます。初穂料は500円でした。
古事記や出雲国風土記の世界が色濃く残る出雲地方の信仰の中心である出雲大社は、清々しい広大な御神域に一際大きな御本殿や日本一大きい大しめ縄がかかった神楽殿など、他の神社にはないスケールの大きさを感じました。
出雲大社でいただける4種類の御朱印は、どれも伝統的なシンプルなデザインで、長い歴史の風格を感じました。私にとっては、オーダーメイドで注文した特別な御朱印帳「千年帳」の使い始めとなる特別な参拝になりました。
※同じ出雲地方あり出雲大社とも関係が深い日御碕神社に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】島根県「日御碕神社」の神話が息づく伝統的なデザインの御朱印
ライター:明石みほ
歴史好きなWebライター。関西で暮らしていた約20年前に御朱印に出会い、家族で神社仏閣を巡り集めた御朱印帳は4冊になりました。一時中断していた神社仏閣巡りを再開。人々の祈りに込められた思いを大切に御朱印の魅力をご紹介します。
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