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【御朱印情報】岩手県「櫻山神社」の複数の家紋印が特徴の盛岡藩主・南部家ゆかりの御朱印

岩手県盛岡市にある「櫻山神社」は、江戸時代に盛岡藩を治めた南部家ゆかりの神社で、盛岡城跡に鎮座してます。いただける御朱印はには、南部家が使っていた複数の家紋印がおされ、境内の季節折々の風景を表現したスタンプが付与されるのも参拝の記念として人気の要素になっています。

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盛岡藩主・南部家ゆかりの「櫻山神社」

岩手県盛岡市にある「櫻山神社(さくらやまじんじゃ)」は、江戸時代に盛岡藩を治めた南部家ゆかりの神社として、長く地域で信仰されています。

 

江戸時代中期の寛延2年(1749年)に、盛岡藩第8代藩主・南部利視(なんぶとしみ)が、初代・南部信直(なんぶのぶなお)の没後150年の節目の年に遺徳を偲び、盛岡城内淡路丸に神殿を建立し、「淡路丸大明神(あわじまるだいみょうじん)」として奉ったのに始まります。文化9年(1812年)に第11代・南部利敬(なんぶとしたか)により、「櫻山大明神(さくらやまだいみょうじん)」に改称されます。

 

江戸時代の終焉により、盛岡城は新政府に接収され、櫻山大明神は城外へ遷座することになりました。
その後、明治23年(1890年)に旧盛岡城地が南部家に特別縁故によって払い下げられたことを契機に、旧盛岡藩士族や旧盛岡藩領民より、旧城地への遷座の機運が盛り上がり、盛岡城旧三の丸・鳩森下曲輪跡に明治32年(1899年)に神社敷地を造成、現代にも続く本殿、拝殿、神門が建てられました。

 

現在の御祭神は、南部家創家初代の南部光行(なんぶみつゆき)と、盛岡藩初代藩主・南部信直、第2代藩主・南部利直(なんぶとしなお)、第11代藩主・南部利敬の四柱です。
御祭神ではありませんが、現代に続く櫻山神社を創建した盛岡藩第8代藩主・南部利視は、学問と政治の両面で藩の財政再建や文教振興などに力を尽くすなど、藩政を支えた名君とされ、櫻山神社の境内には南部利視の銅像が建てられています。

櫻山神社_神門
神社の名前にもあるように春の境内には桜がきれいに咲き誇り、桜の名所としても知られています。

 

櫻山神社は、地域の藩主ゆかりの神社であることから、古くから地元の人々にとっては身近な信仰の場でもあります。
季節の行事である初詣(歳旦祭)やどんと祭・裸詣り、節分祭、例大祭、新嘗祭、大祓式などの祭事には多くの人が訪れ、地域交流も行われています。特に毎年5月25日から27日に行われる武者行列や伝統芸能の奉納などは地域外の人の見物も多い人気祭事になっています。

 

櫻山神社には、盛岡城を築城する際にでてきた大石で、でてきた場所が祖神様の神域だったこともあり、「宝大石」とされ、吉兆のシンボルとして信仰されてきた「烏帽子岩(兜岩)」があったり、国の重要文化財に指定されている南北朝時代初期の国長作の刀を所蔵するなど、歴史的文化的に貴重な神社として大切にされています。

 

 

南部家の複数の家紋印がおされる御朱印

櫻山神社では、境内の拝殿すぐ横の授与所で御朱印をいただくことができます。受付時間は9:00~17:00頃までで、基本的には御朱印帳に直書きしていただけますが、時期や天候によって変更になる場合もあるため、事前に公式サイトやSNSで確認すると安心です。

 

櫻山神社の御朱印は、「盛岡城趾」「櫻山神社」「日付」が力強く墨書きされ、複数の家紋の朱印がおされるデザインです。

櫻山神社_御朱印
御朱印の中央の南部家の定紋「向鶴紋」の朱印が印象的な櫻山神社の御朱印です。

 

御朱印に「盛岡城趾」と書かれるのは、櫻山神社が「盛岡城跡公園(もりおかじょうあとこうえん)」の敷地内に鎮座するためです。

 

盛岡城は、現在のJR盛岡駅から徒歩20分ほどのところにあり、盛岡藩初代藩主・南部信直が嫡子の南部利直を総奉行として築城したのが始まりです。築城開始から完成まで約36年かかり、寛永10年(1633年)に第3代藩主・南部重直(なんぶしげなお)が入城したことで以降は盛岡南部氏の居城となりました。
明治の廃藩置県によって建物の多くは取り壊され荒廃しましたが、後に南部家へと払い下げられました。明治39年(1906年)には、近代公園造園の先駆者・長岡安平(ながおかやすへい)によって盛岡城跡が整備され、市民の憩いの場となっていきました。現在の盛岡城跡公園は「日本の名城100選」や「日本の歴史公園100選」にも選ばれる名所になっています。

櫻山神社_盛岡城跡
盛岡城の石垣や堀などの城郭遺構は現在ものこっており、国史跡に指定され、春には桜と遺構のコラボレーションも楽しむことができます。

 

御朱印中央には、南部家定紋の「向鶴紋(むかいづるもん)」の大きな朱印がおされ印象的です。
2羽の鶴が向かい合わせで表され、鶴の胸の部分には、真言宗や道中守護の札にも描かれた「九曜曼荼羅(くようまんだら)」をかたどった「九曜文様(くようもんよう)」が描かれています。

 

南部家開祖の南部光行が、ときの鎌倉幕府将軍・源頼朝(みなもとのよりとも)に従って狩に赴いたときに、陣所付近の池に飛来した2羽の鶴を殺さずに射ち落とし、頼朝から賞されたことを記念して2羽の鶴を定紋にしたという逸話や、室町時代の第13代・南部守行(なんぶもりゆき)のときの戦で、夜明けの空に2羽の鶴が飛来し、九曜の星が空から降ってくる夢を見て勝利をおさめることができたため、このことを記念して胸に九曜の星をつけた向鶴を家紋と定めたという伝説が語り継がれています。

 

定紋は、本紋や表紋ともいわれるもので代々伝わる家の公式の紋です。南部家では定紋以外にも複数の替紋・裏紋といわれる紋を所有していて、御朱印には南部家の替紋・裏紋の「割菱(武田葵)」や「花菱」「九曜」「松毬(まつかさ)」のスタンプが四つ端におされます。

 

櫻山神社の御朱印には、南部家にまつわる歴史がたくさん詰まっています。

 

また、写真の御朱印には、桜と狛犬のイラストのスタンプがおされています。
櫻山神社の御朱印には、季節や行事によってデザインが変わるスタンプが追加されることがあり、希少性の高い御朱印として御朱印集め好きの間で話題になっています。

 

私が参拝した令和3年(2021年)4月は、境内のしだれ桜が満開で、しだれ桜と狛犬を一緒に眺める人気スポットがスタンプで表現されていました。スタンプの色が、朱よりも赤みが強い紅色に近いものだったので、春のあたたかさや華やかさをより感じさせてくれました。さらに、本物の桜の花びらを御朱印につけてくださっていました。
まさに一期一会を感じる御朱印で、次に参拝するのが非常に楽しみになりました。何回も参拝し、デザインの変化を楽しむことができるのも、櫻山神社の御朱印のすばらしさの一つの要素になっていると思います。

櫻山神社_境内_桜・狛犬
境内では、狛犬の上から桜の花びらが舞い、一足早くこいのぼりが空を泳ぐ様子も見ることができました。

 

 

 

 

盛岡市内屈指の人気観光エリア

櫻山神社は、盛岡や南部藩の歴史を今に伝えてくれる大切な場所となっています。また、櫻山神社周辺には、南部藩や盛岡城との関係などの歴史的背景を学ぶことができる「もりおか歴史文化館」や、岩手県のお土産などが購入できる「特産品プラザらら・いわて盛岡店」、昭和天皇のご成婚を記念して建設計画が始まり、盛岡のシンボルとして親しまれている「岩手県公会堂」などがあり、盛岡市内屈指の人気観光エリアでもあります。
櫻山神社参拝の際には、ぜひ周辺も散策して、盛岡の歴史や魅力を体感してみてください。

 

 

櫻山神社は、盛岡藩をおさめた南部家ゆかりの神社で、いただける御朱印には盛岡藩・南部家の歴史的要素が詰まっています。櫻山神社が鎮座する盛岡城跡公園は、四季折々の景色を楽しむことができ、御朱印におされる季節限定のスタンプも希少性があります。櫻山神社を参拝した際には、周辺もじっくり散策して、参拝記念にぴったりな御朱印をいただいてみてください。

 

 

 

 

ライター:shironeko
神社仏閣巡りが好きなWebライター。北海道を中心に全国各地の神社仏閣を巡り、各地域の歴史探訪や観光も一緒に楽しんでいます。寺社参拝の際には、家族とともに御朱印をいただいています。

 

 

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