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「津田八幡神社」は、徳島県徳島市の南東部の海に面した津田地域に鎮座しています。500年以上の歴史があり、海上安全の神、女狸の神「お六さま」で知られ、宮司がデザインしたこだわりの御朱印が話題になっています。
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徳島県徳島市にある「津田八幡神社(つだはちまんじんじゃ)」の正確な創建年は不明ですが、500年以上の歴史があると考えられています。もともとは神社の裏にある「津田山」の山頂にありましたが、慶長年間(1596年~1616年)に現在の場所に移されたという記録が残っています。徳島市南東部の海岸エリアの津田地域は昔から徳島の水運・海運の要所で、阿波水軍を率いる森家にも重要視され、徳島藩主が参勤交代で江戸に向かうときには津田八幡神社で海路の安全祈願を行っていました。古くから漁師など海で働く人々から信仰されている神社です。
津田八幡神社の御祭神は一般的な八幡神と少し違っています。一般的には八幡神社には誉田別命(ほんだわけのみこと、応神天皇)・神功皇后(じんぐうこうごう)・比売神(ひめのかみ)の3柱が祀られていますが、津田八幡神社では誉田別命・神功皇后・玉依姫命(たまよりひめのみこと)の3柱を祀っています。玉依姫命は海の神である大綿津見神(おおわだつみのかみ)の娘神で、神武天皇の母にあたる神さまです。
津田八幡神社の境内にはさまざまな見どころがありますが、とくにおすすめのスポットをご紹介します。
神社の社殿は津田山を背にして建ち、東向きに鎮座しています。現在は家や高速道路があるためわかりにくいですが、昔は鳥居から海が見えたはず。元旦には初日の出が鳥居の正面に見えるそうで、昔の津田の人々が神社を海の神として大切にしていたことがうかがえます。
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境内を覆うように枝を伸ばした楠木も見どころのひとつで、根元から大きく2つに分かれているのが特徴です。樹高20m、樹齢800年ほどといわれ、徳島市の保存樹木第8号に指定されています。他にも拝殿周辺に楠木の大木が複数あるため、真夏でも日陰が多く涼しく過ごせます。
楠木の根元には「楠木(くすのき)大明神」という小さなお宮があり、こちらは「お六さま」という女狸の神さまを祀っていて、商売繁盛の御利益があるといわれています。
また、楠木大明神は徳島に伝わる狸の伝説「阿波の狸合戦」にゆかりがあるスポットです。津田八幡神社がある津田山は、狸合戦の勢力のひとつ「津田の六右衛門」という狸の本拠地です。六右衛門は、ジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」にも登場した小松島の金長狸と戦い、最後は大将同士の一騎打ちとなりました。その一騎打ちの舞台となった場所が津田で、現在「水神社」がある周辺だと考えられています。お六さまは金長と六右衛門の勝負の行方を最後まで見届けたといわれています。
津田八幡神社では直書き・書置き・切り絵など、さまざまなタイプの御朱印がいただけます。これまでにいただいた御朱印をご紹介します。
津田八幡神社のメインとなる御朱印は、四神霊獣をモチーフにしたもので、季節によって頒布される霊獣が変わります。春は青龍、夏は朱雀、秋は白虎、冬は玄武。季節が切り替わる土用の期間は麒麟です。御朱印におされる印はすべて津田八幡神社の宮司がみずからデザインしたもので、色合いやバランスにこだわっています。
楠木大明神の御朱印もいただけます。こちらもすべて宮司が考案したデザインで、かっこいい印象の四神霊獣に対し、かわいい印象が強いです。「奉拝」が狸の形になっているのもかわいいですよね。狸の姿のお六さまが頭に葉っぱをのせて人間に変身するイメージで作ったそうです。
人気の切り絵御朱印は、楠木大明神をモチーフにしたものです。お六さまの表情や着物の柄も絶妙で、直書き御朱印にもあるリボンのような篆書体の「六」の文字も再現されています。紙の黒さにもこだわっていて、朱印は銀箔にもおせるインクを探し、黒に映える色を試行錯誤して完成したそうです。
書置きのみで頒布されている見開き御朱印もいただけます。直書き御朱印におされる四神霊獣の印を元に、配置のバランスや紙の素材、色にとことんこだわって制作したとのことです。デザインごとに数量限定となっています。
津田八幡神社の御朱印対応時間は9:00~17:00までとなっており、不在の場合は書き置き御朱印をいただけます。ただし、切り絵御朱印や見開き御朱印は書き置きではありますが対面でのみの頒布なので、対象の御朱印をいただきたい場合は、参拝前に津田八幡神社公式インスタグラムなどで不在情報をチェックしておくとよいでしょう。
500年以上の歴史がある海上安全の神さまで、古くは徳島藩主にも信仰された津田八幡神社。宮司のこだわりがつまった御朱印をいただきに、ぜひ参拝してみてくださいね。
ライター:kanakana
神社仏閣・御朱印ブロガー。徳島県を中心に四国や淡路島で神社仏閣巡りを楽しむ御朱印ガールで、年間300体以上の御朱印を拝受しています。御朱印を通じて神社仏閣の魅力をご紹介します。
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