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【御朱印情報】静岡県「修善寺」の「修善寺温泉」にまつわる伝説や季節の景観が表現される多種多彩な御朱印

静岡県伊豆市にある「修禅寺(しゅぜんじ)」は、真言宗の開祖・弘法大師空海が開創したと伝わる、1200年以上の歴史を持つ曹洞宗の禅寺です。「修善寺温泉」にまつわる伝説や、豊かな自然に囲まれた境内の季節の景観などを表現した多種多彩な御朱印が授与されています。

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弘法大師空海が開創したと伝わる禅寺「修善寺」

静岡県伊豆市、伊豆半島最古の温泉地「修善寺温泉(しゅぜんじおんせん)」の風情ただよう温泉街にある「修禅寺(しゅぜんじ)」は、1200年以上の歴史があるといわれる曹洞宗の禅寺です。

 

平安時代初期の大同2年(807年)に真言宗の開祖である弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)とその弟子によって開創され、その後約500年は真言宗の寺院でしたが、鎌倉時代の建長年間(1249-1255)に鎌倉・建長寺(けんちょうじ)を開く中国・宗の高僧・蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が訪れたことにより臨済宗に改められました。
南北朝時代に、伊豆の守護職・畠山国清(はたけやまくにきよ)が関東地域を統治していた足利基氏(あしかがもとうじ)に背いたことで起きた戦乱で修禅寺も大きな被害を被りました。
さらにその後、室町時代初期には大火災で伽藍が全焼し、酷く荒廃してしまいました。当時の伊豆の城主・北条早雲(ほうじょうそううん)が、叔父である遠州石雲院の隆渓繁紹(りゅうけいはんじょう)を迎え開山したことにより曹洞宗として復興し、現在に至ります。

修禅寺は源氏ともゆかりが深い寺院です。
後に鎌倉幕府を開くことになる源頼朝(みなもとのよりとも)は、平治の乱で伊豆へ流罪となり、この地の豪族・北条時政(ほうじょうときまさ)の娘である北条政子(ほうじょうまさこ)と結ばれます。頼朝の死後、その長男の源頼家(みなもとよりいえ)は18歳という若さで鎌倉幕府2代将軍となりますが、北条氏と比企氏の政力争いの末、病に倒れ、修禅寺に幽閉され、入浴中に暗殺されました。
修禅寺から徒歩すぐの所には頼家の墓があり、隣には亡き息子を弔うために政子が建立した指月殿(しげつでん)があります。
10年に渡り頼朝を献身的に支えた異母弟である源範頼(みなもとのりより)もまた、謀反の疑いをかけられこの地に幽閉された後に誅殺されており、修禅寺から5分ほど歩いた所に範頼の墓があります。

 

現在の修善寺は、後述する「修善寺温泉」に立地する地域の中核寺院として、たくさんの参拝者はもちろん、温泉街を訪れた観光客も多数訪れる人気スポットになっています。

修善寺_本堂
達筆の「修善寺」の扁額が印象的な修善寺の本堂です。

 

 

「修善寺温泉」にまつわる伝説や季節の景観が表現される多種多彩な御朱印

修禅寺では、多種多彩な御朱印が授与されています。

 

私が参拝した令和6年(2024年)11月には、秋限定御朱印が授与されていて、初穂料500円で拝受しました。
色鮮やかな紅葉が切り絵で散りばめられ、「奉拝」「福知山 修善寺」「参拝日」の文字、境内の本堂や鐘楼、独鈷(とっこ)と僧侶の姿が描かれるデザインでした。

修善寺_御朱印
紅葉の色合いがとても美しく華やかでありながら、境内に足を踏み入れた際の厳かさも感じられる修善寺の秋限定御朱印です。

 

御朱印に描かれている独鈷は、弘法大師空海がこの地を訪れた際に、桂川で年老いた父親の患部に川の水をかける少年を見かけ、これに心を打たれた空海が持っていた独鈷で川の中の岩を砕くと熱湯が湧き出たという伝説にちなむものです。そして親子に温泉療法を教えたところ、不思議なことに父の長年にわたる疾患は治り、その後この地に温泉療法が広まったことが修善寺温泉の始まりといわれています。

 

修善寺温泉は、主に明治時代から現代に至るまで多くの文豪や芸術家に愛されてきたことでも知られています。
正岡子規(まさおかしき)や夏目漱石(なつめそうせき)、芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)、島木健作(しまきけんさく)などが訪れ、この地から名著が生み出されました。
病気療養のために修善寺を訪れていた漱石は、当時の菊屋旅館で昏倒し、一時は意識不明の重体に陥りますが、その後回復します。この「修善寺の大患」が漱石の心に転機をもたらし、以後の作品に大きな影響を与えたといわれています。

 

修善寺と修善寺温泉は、その起源から切っても切り離せない縁があり、地域の発展に果たした役割は大きく、拝受した御朱印にも深い歴史が表現されています。

 

 

 

 

紅葉時期に拝観できる「池泉回遊式庭園」と周辺の自然景観

修禅寺境内には明治時代に完成した池泉回遊式庭園があり、大正天皇が「東海第一園」と称したほどの名園です。
通常は非公開ですが、秋の紅葉時期の1〜2週間だけ期間限定で一般公開され、鮮やかな紅葉と庭園美のコラボレーションを堪能することができます。庭園には美しい紅葉が広がり、特に斜面になっている裏山からの景観は圧巻です。

修善寺_庭園_紅葉
池を中心に作られた池泉回遊式庭園には美しい紅葉が広がっていました。
修善寺_庭園_裏山
裏山からは寺院周辺の山々も一望できました。

 

修禅寺のすぐ近くを流れる桂川沿いには約300m続く竹林の小径があり、大きなベンチも設置されていて、私はあまりの気持ち良さにこのベンチで寝転んで休憩してしまいました。日常を忘れて過ごす時間は至福のひと時でした。
桂川には5つの橋がかけられており、それぞれの橋に恋にまつわるご利益があり、思いを込めて橋を渡ると願いが叶うといわれています。

 

修善寺を訪れた際には、長い歴史を感じる境内や、桂川沿いなどの周辺散策も、じっくりと堪能されるのがおすすめです。

 

 

修禅寺は、長い歴史と数々の伝説がのこる寺院で、観光地としてたくさんの人気スポットがある伊豆半島の中でも名所に数えられるうちのひとつです。山間部に立地しているため、自然環境も豊かで、多種多彩な御朱印にも修善寺の歴史や伝説、魅力が表現されています。修善寺温泉でゆったりした癒しの時間を過ごし、修善寺の歴史浪漫に身をゆだねた記念として、ぜひ御朱印を拝受してみてください。

 

 

 

 

ライター:あん
普段は会社員として働く傍ら、旅行先での寺社巡り・御朱印集巡りを楽しんでいます。日本史に興味があり、歴史背景や人物に思いを馳せながら各地を巡るのが好きです。寺社を実際に訪れたときに感じた魅力や空気感を大切にし、ご紹介していきたいと思っています。

 

 

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