- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
静岡県浜松市天竜区にある「秋葉山本宮秋葉神社」は、全国の秋葉神社の総本宮で、火防のご利益が有名です。火防を象徴する「炎」が描かれる御朱印をいただくことができます。
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静岡県浜松市天竜区にある「秋葉山本宮秋葉神社(あきはさんほんぐうあきはじんじゃ)」は、霊山「秋葉山」の頂上に鎮座し、全国各地に約1,100社あるといわれる秋葉神社の総本宮です。
御祭神は、日本神話に登場する火の神である「火之迦具土神(ひのかくつちのかみ)」です。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)によって生み出された神ですが、その出生時に母である伊弉冉尊が大火傷を負い亡くなってしまいます。怒った伊弉諾尊は火之迦具土神を斬り、その血から多くの神々が生まれたとされています。この神話により、火之迦具土神は「再生」や「新たな命の創造」とも関係づけられることがあります。
火防・防災、調理や料理の加護、再生・生命力、鍛冶・工業の守護などのご利益があるといわれています。
秋葉山本宮秋葉神社の開創は、和銅2年(709年)と伝わっています。
かつては「岐陛保神ノ社(きへのほのかみのやしろ)」と呼ばれていましたが、中世になると両部神道(神仏習合の一形態)の影響を受け、「秋葉大権現」という名称で信仰をあつめるようになりました。その後、明治時代初期に教部省(当時の宗教行政機関)の指示により、「権現」という称号を廃止して「秋葉神社」と改名されました。そして、昭和27年(1952年)に全国の秋葉神社の総本宮であることから「秋葉山本宮秋葉神社」という現在の名前に改称されました。
秋葉山信仰が特に注目されたのは、江戸時代のことです。
この時代、各地で火災が頻発していたため、人々は火災から身を守る「火防(ひぶせ)」のご利益を求め、火防の神「火之迦具土神」を祀る秋葉山に多くの参拝者が訪れるようになります。特に江戸時代後期には「秋葉詣」が大流行し、秋葉山へ続く街道は「秋葉街道」と呼ばれ、道中の宿場町もたいへん栄えました。
秋葉街道の各所には、参拝者が安心して旅を続けられるよう、丁石や常夜燈、灯籠が設置され、これにより道中の安全が確保され、参拝しやすい環境が整えられました。現存する常夜燈の中には、現在でも火が灯されるものがあり、当時の信仰の熱気や文化を現代でも身近に感じることができます。
秋葉山信仰の一つの風習として、台所に秋葉山の御札を貼る習慣があります。これは火災防止を願う信仰に基づくもので、木造建築が多かった時代に火事の脅威を防ぐために始まりました。
現代でも毎年12月に村の代表者が参拝し、奉納帳を記帳して御札を受け取り、各家庭に配る伝統も続いています。これは火災が個人だけでなく村全体に影響を及ぼすことから、共同体の安全を願う重要な行事として定着しています。この風習は、地域の結束を深め、平安を祈る伝統としても今もなお受け継がれています。
秋葉山本宮秋葉神社は、山頂の上社と山麓から上社を遥拝するための下社(遥斎殿)があります。
下社から上社への登山道は、距離約4km、標高差約800mを登る険しい道のりで、標準的には2時間30分ほどかかるそうです。
現代では自家用車が通行できる林道も整備されていますが、車でも下社から1時間弱程度はかかります。道幅が細くカーブも多い林道ですので、運転には十分お気をつけください。
大祭である「火まつり」やお正月の初詣の期間など参拝者が特に多い時期には、天竜浜名湖鉄道・西鹿島駅から臨時の送迎バスが運行されていますので、利用するのもおすすめです。
今回私は、秋葉山本宮秋葉神社の上社で、御朱印をいただきました。
「毎年新暦火まつり12月15・16日」「神社名」「正一位秋葉神社参拝證」の朱印に、「炎」「奉拝」「上社」「秋葉山本宮秋葉神社」「参拝日」が墨書きされる御朱印を、社務所にて初穂料300円で御朱印帳に直書きしていただきました。
御朱印に記載されている「火まつり」は、毎年12月15・16日に行われる長い歴史がある神事です。
第一に火災焼亡の危急を免れ、第二に洪水波没の難を免れ、第三に諸厄諸病の難を免れ給うと、多くの人々の願いをこめて、3人の神職によってそれぞれの弓の舞・剣の舞・火の舞の三舞が、秘伝をもって奏されるのがクライマックスで、火防の神である秋葉山本宮秋葉神社を象徴するおまつりです。
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この御朱印は、私がオーダーメイドの注文をしたオーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」に書いていただきました。本紙は、職人さんが1枚1枚手漉きした高品質の土佐手漉和紙の中でも「楮紙(こうぞし)」という、和紙らしい表面感があり、あたたかみのある白色が特徴のものを選択しています。
御朱印担当者さんは、まず「炎」の文字を別の筆で中心に書き入れ、その後「奉納」の文字から順に記入する独特の手法で書かれました。炎を司る神を祀る神社ならではの特徴を反映しており、土佐手漉和紙の質感と相まって、墨の濃淡が芸術的に表現されているように感じます。
御朱印を希望する参拝者が列をなしていましたが、一つ一つの文字を丁寧かつ素早く書き入れ、朱印も気持ちを込めておしていただけました。御朱印担当者さんの細やかな心遣いに、火の神への敬意や感謝の気持ちをより深めなければと身が引き締まる思いがしました。
※千年帳の本紙に関しては、以下リンクをご参照ください。
今回私はいただいていませんが、下社では別のデザインの直書き御朱印をいただくことができるので、上社と下社の両方で御朱印をいただいて揃えるのもおすすめです。
秋葉山本宮秋葉神社では、通常の御朱印の他に期間限定の御朱印も授与されています。
今回私がいただいた期間限定御朱印は、毎年12月15・16日に行われる秋葉の火まつりの期間限定の「火の舞」がデザインされた数量限定の切り絵御朱印です。火の舞の躍動的な動きが切り絵で細かく表現されていて、黄金の紙が燃え盛る炎を想起させる、芸術的な御朱印です。
この御朱印は、上社でも下社でも同じものが授与されていました。
火まつり期間だけではなく、季節や祭事にあわせて、いろいろな期間限定の御朱印が授与されていますので、秋葉山本宮秋葉神社を参拝する際には、どのような御朱印が授与されているか、チェックしてみてください。
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秋葉山本宮秋葉神社の上社を訪れた際の見どころ・立ち寄りどころをご紹介します。
まずは、「幸福の鳥居」です。
元々は戦国時代に寄進された金銅の鳥居がありましたが、戦時中に金属供出で失われてしまいました。その後、参拝者の幸福を祈願するために、平成5年(1993年)に今上天皇のご成婚を記念して再建されました。
黄金に輝く鳥居で、眼下には天竜の山並みと、遠くには遠州灘や浜名湖まで見渡すことができる絶景スポットでもあります。
南を向いて立っていて、真南から低い角度で陽が差し込んだ際には、扁額に開けられた猪目(いのめ、火伏の魔除けや福を招く護符の意味合いがありハートを逆さにした形)の部分から光が漏れ、ハート型を描くようになっているのが、知る人ぞ知るポイントです。
次にご紹介するのは「大しいたけ天重」です。
秋葉山本宮秋葉神社上社に併設されている秋葉茶屋で提供されている名物で、地元遠州産の大ぶりなしいたけの天ぷらが豪快にのったお重です。外はサクサク、中はふんわりとしたしいたけの天ぷらの絶妙な食感に、甘めの特製タレが絡んで食欲をそそられます。
秋葉山本宮秋葉神社は、全国にある秋葉神社の総本宮で、昔からたくさんの参拝者が訪れる聖地です。豊かな自然に囲まれた聖山・秋葉山の荘厳な雰囲気の中での参拝は、身を引き締め心を清める特別な体験となることでしょう。火防のご利益をより一層強めてくれそうな「炎」が描かれる御朱印をぜひいただいてみてください。
ライター:竹内友章
知多半島のお寺が好きで、知多四国霊場を中心にいろいろな霊場を巡礼し、観光やご当地グルメ(特にラーメン)を楽しんでいます。御朱印集めも趣味で、知多半島のお寺の御朱印はもちろん、全国各地の御朱印をもらいに巡り、アート御朱印などは取り寄せたりもしています。
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愛知県犬山市にある「先聖寺」は、日本三大禅宗の一つである「黄檗宗」の寺院です。禅宗の教えを反映した龍と虎の絵を御朱印帳にその場で直接書き入れていただける特別なアート御朱印を拝受することができます。
東京都渋谷区千駄ヶ谷に鎮座する「鳩森八幡神社」には、東京都内最古級の「富士塚」があります。富士信仰がいろいろな地域に広がっていった歴史を物語る史跡で、登拝すると富士塚登拝記念の御朱印をいただくことができます。
福岡県福岡市博多区にある「住吉神社」は、「筑前國一之宮」や「日本三大住吉」のひとつとして有名な神社です。伝統的なデザインの御朱印から、御祭神の住吉大神が航海の神さまであることにちなんだ特別デザインの御朱印など、多彩な御朱印が授与されています。