- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
福岡県福岡市博多区にある「東長寺」は、弘法大師空海が日本ではじめて創建したと伝わる真言宗の寺院で、毎年秋に開催される「千年煌夜」というライトアップイベントは博多の秋の風物詩になっています。平安時代作と伝わる御本尊・千手観音菩薩像と、日本屈指の大きさをほこるふくおか大仏が記された御朱印をいただくことができます。
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福岡県福岡市博多区にある「東長寺(とうちょうじ)」は、平安時代の大同元年(806年)に弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)が開基したと伝わる真言宗の寺院です。
正式名称は「東長密寺(とうちょうみつじ)」で、唐(中国)に渡った空海が帰国した際に博多に上陸し、密教が東に長く伝わるようにというおもいをこめて命名したとされています。
その後、室町時代後期から安土桃山時代にかけて起こった永禄・天正の兵火によって、境内の建造物が焼失し荒廃してしまいます。
江戸時代に入り、福岡藩2代藩主である黒田忠之(くろだただゆき)によって再建され、現代にも続く姿へと生まれ変わりました。境内には、黒田家2代藩主・忠之、3代藩主・光之(みつゆき)、8代藩主・治高(はるたか)の墓所があり、黒田家の菩提寺としても知られています。
※福岡県内にある黒田家と関係が深い春日神社、香椎宮、住吉神社、光雲神社に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】福岡県「春日神社」の戦国武将・黒田家にちなんだ御朱印
【御朱印情報】福岡県「香椎宮」の御本殿創建千三百年記念特別御朱印
【御朱印情報】福岡県「住吉神社」の「筑前國一之宮」の航海の神さまの御朱印
【御朱印情報】福岡県「光雲神社」の黒田如水のイラストと教えがデザインされた御朱印
東長寺は、福岡県の中心である博多の市街地、JR博多駅から徒歩約10分の場所に位置しています。中世において日本最大の貿易港湾都市として繁栄を遂げた博多の中でも、寺社が立ち並ぶ趣のある「博多旧市街(オールドタウン)」にあたります。
博多旧市街地を舞台に例年の11月初旬に「千年煌夜(せんねんこうや)」というイベントが開催されています。
千年煌夜は、2006年に「福岡市都市景観賞20周年記念事業」の一環として始まったライトアップイベントで、博多の秋の風物詩として定着してきました。
東長寺もライトアップ会場のひとつになっていて、私は令和6年(2024年)の千年煌夜の期間中に参拝し、ライトアップの様子がデザインされた限定の御朱印帳を拝受しました。
御朱印帳の最初のページに、達筆な文字の御朱印が書き入れられていて、「梵語(サンスクリット語)のキリーク」「ふくおか大仏」「奉拝日」の墨書きと「密教東漸最初霊場」「寺院印」などがおされるデザインです。
中央に大きく書かれた梵字の「キリーク」は、東長寺の本堂に祀られている秘仏の御本尊「千手観音菩薩」を意味しています。本堂に安置されている千手観音菩薩像は、平安時代の中期から後期作と伝わる仏像で、高さは80cmほど、槙材の一木造が特徴で、国の重要文化財にも指定されている貴重なものです。
また、御朱印の左側に記載されている「ふくおか大仏」は、平成4年(1992年)に4年もの歳月をかけて完成した大仏であり、大仏殿の2階に鎮座しています。大仏の高さが10.8m、光背の高さもおよそ16.1mもあり、日本屈指の大きさを誇る木造座像として名をはせています。
普段は日中にしか見学できないふくおか大仏ですが、千年煌夜の期間中には、夜間特別公開も実施されていました。
大仏の台座の下には「地獄・極楽巡り」の入り口があります。
地獄絵巻のレリーフを経て、先の見えない真っ暗闇な通路を進み、暗闇のどこかにある「仏の輪」と呼ばれる輪っかを見つけて触ると、極楽に行けるのだそうです。ぜひ、試してみてください。
御朱印の右上には「密教東漸最初霊場」の朱印がおされています。遣唐使として留学僧の修行を終えて唐から帰国した空海が、日本で最初に創建したお寺が東長寺といわれており、その歴史が御朱印にも記されています。
東長寺の御朱印の授与は、通常は境内の寺務所にてしていただけますが、千年煌夜ライトアップ中の夜間は、ふくおか大仏が祀られている大仏殿でいただきました。
千年煌夜期間中には限定の御朱印も授与されていたようなのですが、私が参拝したときにはすでに限定数量が終了していて、いただくことができませんでした。このような限定企画は御朱印巡り好きの人やイベント好きの人にとても人気があるようです。
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私が訪れた令和6年(2024年)の千年煌夜のライトアップのテーマは「龍」でした。
東長寺では、本堂の扉に躍動感ある龍や千年煌夜などのイメージ映像が映し出されていて、目を奪われました。本堂の横にある天に上る龍に見立てた五重塔のライトアップも見事で、龍のライトアップを動と静で楽しめました。
東長寺は弘法大師空海開基の日本における密教の布教に重要な役割を果たした寺院です。御朱印は、祀られている仏像やお寺の歴史を反映した伝統的なデザインです。毎年秋に開催される千年煌夜のライトアップ期間中には、普段とは違う幻想的な雰囲気の境内を楽しむことができ、限定の御朱印や御朱印帳も授与されていますので、ぜひ一度訪れてみてください。
※同じく千年煌夜の会場になっている櫛田神社と海元寺に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】福岡県「櫛田神社」の「博多総鎮守」の御朱印と「博多祇園山笠」
【御朱印情報】福岡県「海元寺」の千年煌夜限定の閻魔大王切り抜き御朱印
ライター:neko
学芸員の資格を持つWebライター。九州を中心に全国の寺社仏閣に出掛け、御朱印を集めるのが趣味です。今までにいただいた御朱印は、御朱印帳5冊ほどになりました。
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