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【御朱印情報】兵庫県「中山寺」の「十一面観音菩薩」の慈悲を感じる「大悲殿」の御朱印

兵庫県宝塚市にある「中山寺」は、安産・子宝祈願が有名で、日本で最初の観音霊場ともいわれる古刹です。御本尊・十一面観音菩薩の慈悲の心を感じることができる西国三十三所24番札所の「大悲殿」の御朱印のほか、多種多様な御朱印が授与されています。

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安産・子宝祈願が有名な古刹「中山寺」

兵庫県宝塚市、阪急宝塚線「中山観音駅」から徒歩約1分のアクセスの良い場所にある「中山寺(なかやまでら)」は、真言宗中山寺派の大本山として信仰をあつめる寺院です。

 

寺伝によると、第14代・仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)の先后・大中姫(おおなかひめ)の長子・麛坂皇子(かごさかのおうじ)と弟・忍熊皇子(おしくまのおうじ)の追善供養のため、あるいは飛鳥時代に聖徳太子(しょうとくたいし)・蘇我馬子(そがのうまこ)との政争に敗れた物部守屋(もののべのもりや)の霊を鎮めるために建立されたといわれています。草創の地は現在の中山寺の北西山中の奥之院がある場所であると伝わり、忍熊皇子の霊を祀る大岩の窟を取り込むようにして拝殿が建立されていたそうです。

 

奈良時代には大小多数の堂塔伽藍を備えた和歌山県・高野山(こうやさん)や滋賀県・比叡山(ひえいざん)に匹敵する大寺院でしたが、幾度もの兵火や天災に見舞われます。しかし、源氏・豊臣家・徳川家など時代の有力者たちの熱心な信仰と寄進によって都度復興を果たし、信仰を守り続けています。

 

中山寺は、安産・子宝祈願の寺として広く知られています。
天下人となった豊臣秀吉(とよとみひでよし)が子宝を願って参拝し、その後に実質的な後継者である豊臣秀頼(とよとみひでより)を授かったというエピソードが有名です。現在の伽藍は、秀吉の死後に秀頼によって感謝の意を込めて再建されたもので、安土桃山時代を代表する建築物群として大切に受け継がれています。

中山寺_参道
中山寺の朱色の欄干に導かれるように真っすぐ伸びる参道を進むと、日常から少しずつ離れ、祈りの空間へと入っていくような感覚になりました。
中山寺_五重塔
平成29年(2017年)に再建された五重塔は、深い青色で塗装された珍しいもので、「青龍塔(しょうりゅうとう)」とも呼ばれて中山寺のシンボルになっています。

 

 

西国三十三所24番札所の「大悲殿」の御朱印

中山寺では、境内にある複数の堂宇で、いろいろな種類の御朱印が授与されています。

 

基本の御朱印は、中央に「大悲殿(だいひでん)」、右に「奉拝」「参拝日付」、左に「中山寺」の墨書き、右上に「西国第二十四番」、中央に「十一面観音を表す梵字」と、「蓮華座の上に雲に乗った火炎宝珠(かえんほうじゅ)」、左下には「寺印」の朱印がおされるデザインです。

中山寺_御朱印
「大悲殿」の墨書きが力強い伝統的なデザインの中山寺の基本の御朱印です。

 

「大悲殿」とは、観音菩薩を祀るお堂を指し、「大悲」は観音菩薩の持つ大いなる慈悲、「殿」は建物を意味します。観音菩薩は苦しむ人々を救う慈悲の象徴であることから、観音菩薩を祀るお堂は大悲殿と呼ばれているのです。
中山寺の大悲殿は本堂のことで、御本尊の十一面観音菩薩が祀られています。十一面観音菩薩は、頭上に11の顔を持つのが特徴で、あらゆる方向に目を向け、人々の苦しみや悩みを見逃さず救う存在とされています。中山寺の十一面観音菩薩像は平安時代初期作とされ国の重要文化財に指定されている貴重なものです。通常は秘仏とされていますが、観音菩薩の縁日である毎月18日には開扉され、その姿を拝むことができ、より深くご縁を結ぶことができると考えられています。

中山寺_本堂
中山寺の「大悲殿(本堂)」では、屋根や柱の細かな装飾もじっくりとご覧になってみてください。

 

「西国第二十四番」の朱印は、中山寺が「西国三十三所(さいごくさんじゅうさんしょ)」の24番札所になっていることを表しています。
西国三十三所とは、近畿地方の2府4県と岐阜県にある観音菩薩を祀る代表的な33の寺院を巡る霊場巡礼で、日本最古の霊場巡礼だともいわれています。観音菩薩は、人々を救うために33の姿に変化するとされ、これを「三十三応現身(さんじゅうさんおうげんしん)」といい、33の札所を巡るいわれになっています。
奈良時代の養老2年(718年)に徳道上人(とくどうしょうにん)が、冥土で閻魔大王から「観音信仰を広めるように」といわれて33個の宝印を授かり、西国三十三所の礎を築きますが、観音信仰の布教がうまくいかず、中山寺の白鳥塚古墳内の石棺・石の櫃に宝印を納めました。その後、約270年後の平安時代になってから花山法皇(かざんほうおう)が石の櫃から宝印を見つけ出し、西国三十三所を再興したと伝わっています。
中山寺は近畿地方、ひいては日本全体の観音信仰においても、非常に重要な聖地であることが、このエピソードからもわかります。
中山寺の本堂には、御本尊の十一面観音菩薩像に加え、両脇侍にも十一面観音菩薩像が安置されていて、三尊像形式という珍しい形態です。3体の十一面観音菩薩で計33面となり、西国三十三所を象徴しているとも考えられていて、中山寺は日本で最初の観音霊場といわれてもいます。

 

今回私が中山寺を参拝し御朱印を拝受した日は、令和7年(2025年)7月7日という「7」が3つ並ぶ特別な日でした。この日にいただいた御朱印には、その日付もしっかり墨書きされており、十一面観音菩薩とのご縁の深さをより一層感じることができました。参拝を終えたとき、心が晴れやかになり、前向きな気持ちになれたことが印象に残っています。

 

中山寺では、基本の御朱印以外にも、いろいろな仏様の御朱印や、季節や行事などにあわせて色彩豊かな特別御朱印が授与されていますので、その時の願いや参拝の目的に合わせて、お気に入りの1体を見つけてみてください。

 

 

 

 

 

四季折々の美しい境内の風景

春の梅や桜、夏の蓮、秋の紅葉、冬の澄んだ空気と静寂の中で感じられる建造物の存在感など、季節の移ろいの中で美しい景観を楽しむことができるのも中山寺の魅力です。私が参拝した初夏にはピンク色の花びらが幾重にも重なる美しい蓮の花が境内を彩っていました。
蓮の花は、泥水の中から生まれながらも汚れに染まらず美しい花を咲かせることから、仏教では悟りや清浄の象徴とされています。御朱印に記されている蓮華座とこの蓮の花が重なり、「苦しみや迷いの中にあっても、人は本来の美しさを失わずに生きることができる」と、その姿をもって教えてくれているように感じました。

中山寺_蓮の花
境内の蓮の花は御朱印に記された蓮華座を思わせる存在でもあり、風景と御朱印の世界観が重なって感じられました。

 

 

中山寺は、日本を代表する観音霊場のひとつであり、広く信仰をあつめ続ける古刹です。「大悲殿」の力強い御朱印を手に取り、墨書きの筆致や香りを感じるたびに、十一面観音菩薩の慈悲に触れた参拝の記憶が静かに蘇ります。西国三十三所巡礼の第一歩として訪れた中山寺でのひと時は、これから続いていく巡礼の道の始まりとして、今後も心に残り続けることでしょう。

 

 

 

 

ライター:paNi.K
正看護師として高齢者施設に勤務しながら活動するWebライター。お寺巡りや御朱印集めが趣味で、関西を中心に各地の寺院を訪れています。参拝しながら境内の空気や雰囲気を感じ取り、その体験を言葉として残すことを大切にしており、実際の参拝体験をもとに、寺院の歴史や御朱印の魅力を伝えていきたいと思っています。

 

 

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