- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
山口県山口市にある「徳佐八幡宮」は、国指定名勝のしだれ桜の並木が有名な神社です。桜の花びらが舞う台紙に垂れ下がるしだれ桜の朱印がおされる華やかなデザインの御朱印が授与されています。
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山口県山口市の北東部、島根県との県境の阿東徳佐地域にある「徳佐八幡宮(とくさはちまんぐう)」は、参道にしだれ桜の並木があることで知られている神社です。しだれ桜が並木となっているのは全国的に珍しく、約370mの参道にしだれ桜やソメイヨシノが約360本植えられており、その美しさは西日本随一だといわれています。
徳佐八幡宮は、平安時代末期の寿永元年(1182年)に、当時この地域を支配していた豪族の大内満盛(おおうちみつもり)が宇佐八幡宮から勧請し、創建されました。中殿には八幡八神、右殿には宗像三神、そして左殿には祓神と医薬神が祀られています。
江戸時代の延宝7年(1679年)に社殿が全焼し、翌年現在地に再建されました。その後も火災に見舞われましたが、御神像は消失せずに現在も鎮座しています。江戸時代に長州藩を治めた毛利家の歴代藩主たちも徳佐八幡宮を大切にしており、社殿を建造したり神輿を奉納したりした記録がのこっています。

徳佐八幡宮では、本殿右側の社務所にて御朱印をいただくことができます。
御朱印帳に直書きもしていただけますが、私が桜の時期に参拝した際には、台紙に桜が可愛らしくデザインされた書置きタイプの御朱印をいただきました。上部中央には「一文字三星」と呼ばれる毛利家の家紋と「奉拝 徳佐八幡宮」の墨書きが入り、左側のしだれ桜の朱印が特に目をひくデザインの御朱印です。

しだれ桜の朱印には、右下に小さく「名勝しだれ桜」と記載されています。しだれ桜は、枝が固くなる前に長く生長してしまうために、重みで垂れ下がるといわれ、垂れ下がった枝の様子が朱印で見事に表現されています。
その下には「国指定 名勝徳佐(サクラ)」の黒印がおされています。徳佐八幡宮のしだれ桜は、令和4年(2022年)に国指定名勝に指定され、知名度が上がるきっかけになりました。
毛利家の家紋「一文字三星」は、毛利家の遠祖にあたる平城天皇(へいぜいてんのう)の皇子であった阿保親王(あぼしんのう)が皇親に与えられる最も高い品位である一品(いっぽん)を与えられたことを図案化し、オリオン座の中央に輝く「三武・将軍星」と呼ばれる「三つ星」を組み合わせ考え出されたものといわれています。徳佐八幡宮の社紋に毛利家の家紋が使われていることは、毛利家の歴代藩主たちに崇敬されてきた歴史を象徴しています。
しだれ桜の並木は、江戸時代後期の文政8年(1825年)に当時のこの地域の庄屋(村長)であった椿正直(つばきまさなお)が参道を彩るために大阪から苗木を取り寄せたのが始まりだと伝わっています。シダレザクラやエドヒガンなど、住民から寄贈された苗木も植樹されました。大正時代に桜の名所として多くの見物客が訪れるようになったといいます。
しかし、昭和時代の戦争で廃れてしまい、さらに老木となった多くの桜が枯死してしまいました。戦後はソメイヨシノなどが植えられましたが、有志たちがかつてのしだれ桜の並木を取り戻したいと立ち上がります。従来植えてあったしだれ桜の種だけでなく、ソメイヨシノやサトザクラ、八重桜などを接木・増殖などを行い「徳佐桜(とくさざくら)」として復活させました。
徳佐八幡宮のしだれ桜は、昭和48年(1973年)には当時の阿東町の天然記念物に指定され、令和4年(2022年)には国の名勝にも指定されました。現在も地元の多くの有志たちが景観を維持するべく活動しています。
毛利家の礎をつくった毛利元就(もうりもとなり)の説話には、「三矢の訓え」というものがあります。自分の子どもたち三人に対して、「一本の矢では簡単に折れるが、三本たばねると折れないとても強い矢となる。三人が力をたばねれば、決して負けることはない」と語ったとされるものです。
多くの人々の力をたばねられたからこそ、かつてのしだれ桜並木を取り戻せたのかもしれません。

徳佐八幡宮では、桜が見頃となる例年3月下旬~4月上旬頃にかけて「桜まつり」が行われています。
阿東地域の特産品販売やバザー、フードコート、休日にはコンサートなどもあり、毎年多くの人々が訪れている人気イベントです。また、期間中の夜間には桜がライトアップされていて、しだれ桜が幻想的に彩られた様子を鑑賞できます。
山深い阿東地域は山口県の中では寒冷な地域で、その気候特性を活かしてリンゴの栽培が盛んです。リンゴを使ったアップルパイなどが地域の名産品になっているので、桜見物に訪れた際には地元の味覚に舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。

徳佐八幡宮は、国指定名勝に指定されているしだれ桜が参道を彩る神社として知られ、地域を護る神社として歴代の毛利家藩主とも深く関わりを持ってきた歴史があります。春には美しい桜並木を形成し、桜まつりは県外からも多くの人々が訪れます。美しいしだれ桜が表現された御朱印は、参拝の証・記念にぴったりです。
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ライター:綾木ゆうき
山口県を拠点に活動している国内旅行と寺社仏閣巡りが好きなWEBライター。御朱印帳とスタンプ帳を携え日本各地を行脚し、ご当地ピンバッチと記念メダルも集めています。
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