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【御朱印情報】八方除の神奈川県「寒川神社」の神事に関連する御朱印

神奈川県寒川町にある「寒川神社」は、相模国一の宮で全国唯一の「八方除」の神様として有名です。多くの参拝者が訪れる「浜降祭」「流鏑馬神事」の2つの神事に関連する御朱印をいただきました。

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相模国一の宮で関東の親神様「寒川神社」

神奈川県高座郡寒川町宮山にある「寒川神社(さむかわじんじゃ)」は、相模国一の宮であり日本で唯一の「八方除(はっぽうよけ)」の神様として知られています。
寒川大明神と呼ばれる寒川神社の御祭神は、「寒川比古命(さむかわひこのみこと)」と「寒川比女命(さむかわひめのみこと)」の二柱の神様です。関東地方でいつ頃から信仰されていたのか伝承は残されていませんが、雄略天皇の時代には神社の記録があることから、約1600年前にはこの地であがめられていたとされています。神社の周辺では、古墳や縄文土器も発掘されており、古くから人々の暮らしを見守ってきたのでしょう。「衣食住など人間生活の根源を開発指導された関東地方文化の生みの親神様」と神社のリーフレットにも紹介されていました。

 

一の鳥居を抜けて三の鳥居までの1km近く続く参道には、生活の道としての車道が通っており、両脇には松並木が植えられています。

寒川神社_三の鳥居
この三の鳥居までの車道から眺める参道と見事な松並木の景色に、神社に対する期待値が上がっていきました。

 

源頼朝が頼家や実朝の安産祈願を依頼したことが「吾妻鏡」に記録されていたり、武田信玄が永禄12年(1569年)の小田原攻めの際に寒川神社に立ち寄り兜を奉納したりと、武家とのゆかりも深い神社です。江戸時代には、江戸城の正裏鬼門(南西方向)を守るお社として徳川将軍家より大切にされました。通常は南向きの社殿が南西を向いて建てられているのは、「関八州総鎮護」の神社として関東を守るためといわれています。

 

また、寒川神社は病院や高齢者施設も運営されていて、現在も地域といろいろな面で強くつながりながら信仰を集めているのだと感じました。

寒川神社_灯籠
地元の小学生が描いた絵が飾られた灯籠もありました。

 

 

八方除と御神域

寒川神社は、全国で唯一の八方除の神様でもあります。八方除とは、地相・家相・方位・日柄・交通・厄年などのあらゆる災難をはらい清める厄除けのことです。拝殿の前には、御神木と対になる場所に天体の位置を測定する機器「渾天儀(こんてんぎ)」が配置されています。
拝殿の奥は御神域になっています。かつては入れることができなかった区域ですが、平成21年(2009年)に「神嶽山神苑(かんたけやましんえん)」として開苑しました。ただし、今でもご祈祷を受けた人しか入ることを許されていません。神苑には起源に関わりのある「難波の小池」や「裏参拝場」があります。冬季は閉苑されていますので、ご参拝の際はご注意ください。

寒川神社_本殿_御神木_渾天儀
広々した境内の拝殿に向かって左に御神木、右に渾天儀があります。

 

ご祈祷の受付は、神職に自分の悩みごとを伝えることから始まります。カウンセリングの効果もあるご祈祷といわれていて、心の内面の悩みをクリアにして、開運へと導いていただけるそうです。

寒川神社_幸運(しあわせ)よ鯉(こい)みくじ
夏季限定の「幸運(しあわせ)よ鯉(こい)みくじ」などいくつかの種類のおみくじがありました。

 

 


 

 

神事に関係する寒川神社の御朱印

寒川神社の御朱印には、社名の下に「ハマゴウ」が描かれています。ハマゴウは、本州から沖縄にかけて砂地に生育する海浜植物です。7月の海の日に行われる、神輿を海水で清める「浜降祭(はまおりさい)」では、神輿を置く場所に盛り砂をして、ハマゴウと海藻の一種のホンダワラを敷きます。ハマゴウは、寒川大明神のしとね(御座)と伝承されている植物なので、御朱印にも描かれているのです。

寒川神社_御朱印
ハマゴウの紫色と、神紋・八方除の金色が美しい寒川神社の御朱印。

 

私が参拝した際には、9月の例祭の「流鏑馬神事(やぶさめしんじ)」の御朱印も授与されていたので、いただいてきました。一般的には、平安時代に端午の節句の年中行事として定着し奉納されるようになった神事ですが、寒川神社では9月に天下泰平と五穀豊穣を祈って行われます。鎌倉時代から続くこの神事に、神職も射手として奉仕をしているのが特徴です。広い境内には馬場もあり、武家の信仰が厚かった歴史を伝えています。

寒川神社_御朱印_流鏑馬神事
直垂姿(ひたたれすがた)の馬の引き手と、矢をつがえる射手が描かれた御朱印です。

 

御朱印をいただく社務所は、神門を出た少し離れた場所にあり、ご祈祷を受付する客殿の隣です。ベーシックな御朱印の初穂料は定められておらず、例祭の御朱印は書き置きで用意され初穂料は500円でした。

 

寒川神社ではいろいろな種類のオリジナル御朱印帳が頒布されています。渾天儀を刺繍したもの、木の表紙のものなど、ここでしか見られないデザインの御朱印帳があり、相模国一の宮でもあるので全国一の宮御朱印帳も用意されていました。

寒川神社_売店
御朱印帳は、第一駐車場近くの売店にあります。
寒川神社_八福餅
売店の横で寒川神社名物の「八福餅」が販売されていました。

 

私たちは、もともと持参した御朱印帳と購入した寒川神社の御朱印帳、さらに全国一の宮御朱印帳2冊分、例祭の御朱印をいただきました。同行した大学生の息子が新たに参拝を始めるタイミングだったのですが、神社の職員さんがそのことを知ると、わざわざ達筆な職員さんが出てきてくださり、御朱印の書き入れをしていただけました。
職員さんとのやりとりの中で細やかな心遣いを感じたので、気持ちを込めて初穂料を多めにお渡ししたのですが、相場の金額しか受け取られませんでした。とても規模の大きく参拝者も多い神社ですが、社務所での対応は人の温かさを感じるものでした。

 

寒川神社では清々しい気が満ちており、お参りをするだけでも元気をいただきましたが、車椅子に乗ったままお参りができる回廊や、気遣いをしていただいた社務所など、優しさにあふれた神社で、ぜひまた参拝したいと思いました。

 

 

寒川神社は、全ての厄をはらう全国唯一の八方除の神様として信仰をあつめています。広々とした境内や木漏れ日の中の参道、御神木など、自然環境も気持ちが良く生命力にあふれていますので、その魅力をぜひ感じてみてください。

 

 

 

 

ライター:さくらブロッサム
歴史好きなWebライター。関西地方で暮らしていた18年前に御朱印に出会い、子どもを連れて家族で神社仏閣を巡り、集めた御朱印帳は3冊になりました。夫婦二人暮らしになり、神社仏閣巡りを再開。人々の祈りに込められた思いを大切にした御朱印の魅力をご紹介します。

 

 

 

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