- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
長野県長野市にある「善光寺」は、1,000年以上の歴史を持ち、日本の参詣文化の中心的存在であり続ける無宗派の寺院です。本堂、山門、諸堂をはじめ、参道に立ち並ぶ宿坊など、複数の場所で20種類以上の多種多彩な御朱印が授与されています。
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目次
長野県長野市、JR長野駅から緩やかな坂道を登り、歴史ある宿坊が立ち並ぶ参道を抜けると「善光寺(ぜんこうじ)」の荘厳な姿が現れます。その歴史は皇極天皇3年(642年)まで遡り、1,000年以上もの間、絶えることなく人々の信仰をあつめてきました。
古くから「遠くとも一度は参れ善光寺」と語り継がれ、参詣文化の聖地として日本全国的な知名度を誇ってきた歴史があります。その最大の理由が、善光寺が特定の宗派に属さない「無宗派」の寺院であることです。日本に仏教が伝来した当時の御本尊「一光三尊阿弥陀如来(いっこうさんぞんあみだにょらい)」が、諸宗派にわかれる以前の姿を留めているため、善光寺は古来より性別や身分さらには宗派の垣根をこえ、すべての人を平等に迎え入れてきました。
江戸時代中期の宝永4年(1707年)に再建された現在の本堂は、東日本最大級の木造建築で、国宝に指定されています。上空から見るとT字型に見える「撞木造り(しゅもくづくり)」が特徴で、檜皮葺(ひわだぶき)の巨大な屋根が描き出す曲線美は、訪れる者の心を穏やかに整えてくれます。
善光寺は現代においても、常にたくさんの参拝者を迎え入れ、「信州の象徴」としてあり続けています。

善光寺の参拝をより豊かに、そして自分事にしてくれるのが、圧倒的なバリエーションを誇る御朱印の存在です。
国宝の本堂を中心に、山門、釈迦堂、そして歴史を紡ぐ大勧進や大本願、さらには個性豊かな複数の宿坊まで、善光寺で授与される御朱印は、実に20種類以上にのぼります。その一つひとつに、聖地の長い歴史と人々の祈りが凝縮されています。今回は、私が実際に拝受した3種類の御朱印と、巡る楽しみが広がる限定御朱印の魅力をご紹介します。
まず、善光寺の基本となる御朱印は、本堂で参拝したあと、本堂西側の御朱印所でいただくことができます。
中央には力強く「善光寺」の三文字が躍り、「奉拝」「参拝日」「善光寺」の墨書きに、右上に善光寺の山号である「定額山」、中央に「善光寺本堂」、左下に「奉納(篆書)」の朱印が鮮やかにおされるデザインで、持参した御朱印帳に直書きしていただき、志納料は500円でした。

本堂を参拝した際に、絶対に体験していただきたのが床下の「お戒壇巡り(おかいだんめぐり)」です。御本尊の真下にある「極楽の錠前」に触れることで、如来様とご縁を結ぶ善光寺ならではの仏教体験です。
完全に視覚を遮断された暗闇の中、右手を壁にそわせてそれだけを頼りに一歩ずつ進む体験は、まさに自分自身と深く向き合う「死と再生」の儀式です。ようやく探し当てた錠前に触れた瞬間の、ひんやりとした質感と胸に広がる深い安堵感は、参拝後でも鮮明に思い出すことができます。
闇を抜けて再び光を浴びた後に眺める御朱印は、参拝の証としての意味だけではなく、如来様と結ばれた確かな「縁」の証のように感じられるはずです。善光寺の「顔」ともいえる基本の御朱印の迷いのない筆致からは、宗派を問わずすべての人を救い上げてきた1,000年以上の慈悲の重みが伝わってくるかのように感じました。
御朱印を見返すたび、信州の地で人々の心の拠り所であり続けた善光寺の歩みに、静かに思いを馳せることができます。
また、私は「牛にひかれて善光寺まいり」の特別御朱印もいただきました。
右側に三尊(阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩)を表す梵字が配され、左側には「牛に引かれて善光寺参り」の逸話を描いたイラストが添えられた見開きサイズの切り絵アート御朱印で、志納料は1,500円でした。

「牛にひかれて善光寺まいり」とは、不信心で強欲な老女が洗濯物を牛(観音様の化身)にさらわれ、それを追いかけて善光寺へ行き、信仰に目覚めたという逸話です。思いがけない縁や他人の誘いで、偶然良い方向へ導かれるという意味のことわざとしても知られています。
参詣の聖地としてはるか昔からこの逸話のように導かれ、遠路はるばる善光寺を参拝した多くの人々の思いを指先でなぞるような、深い感慨に浸ることができる御朱印だと思います。
私が参拝した令和8年(2026年)3月には、春の季節限定切り絵御朱印「夜桜」が授与されていたので、こちらも拝受しました。
ぬくもりを感じさせる桜色の紙に、宵闇に浮かび上がる本堂と夜桜が切り絵で繊細に表現された御朱印で、志納料は1,200円でした。

季節の移ろいをアートとして閉じ込めたかのような特別な御朱印は、光にかざすと108本の柱が支える本堂がより立体的に浮かび上がり、まさに「一期一会」の参拝体験を形にしたような美しさです。本堂と季節の景色をテーマにした令和8年の季節限定切り絵御朱印は、四季それぞれの期間限定で授与される予定ですので、参拝の際にはどのような御朱印が授与されているかぜひチェックしてみてください。
今回私は拝受しませんでしたが、善光寺の多種多彩な御朱印のバリエーションの中で注目なのが、本堂、山門、仁王門、経蔵、忠霊殿のそれぞれの堂宇で5体の御朱印を拝受し組み合わせると、背景が善光寺境内の絵として繋がる仕組みになっている御朱印です。
1度の参拝で全ての堂宇を巡って完成させる達成感はもちろん、何度も参拝して少しずつピースを集めて完成させるのも、いろいろな楽しみ方ができる御朱印です。各堂宇の歴史に触れながら善光寺の境内をじっくりと巡る時間は「参拝という名の宝探し」ともいえると思います。
御朱印巡りをする際に、特に注目していただきたいのが、重要文化財に指定されている「経蔵」の堂内にある巨大な「輪蔵」です。高さ6m、重さ約5tの巨大な書棚を、時計回りに1周押し回せば、中にある全てのお経を読んだのと同じ功徳が得られるといわれています。

また、仁王門には、著名な彫刻家である高村光雲(たかむらこううん)と米原雲海(よねはらうんかい)が大正時代に手掛けた仁王像が安置されています。約6mの巨大な像が支えなく重心のバランスだけで自立していて、伝統的な技術の粋を感じることができます。

その他にも、善光寺の境内周辺に立ち並ぶ宿坊でもそれぞれ独自の御朱印が授与されています。
たくさんの種類の御朱印が授与されている善光寺で、次に参拝したときにはどのような御朱印を拝受しようかと思いを巡らせることは、再び善光寺の門を叩く「未来の約束」へと変わるといえるでしょう。
善光寺での参拝・御朱印拝受を終えたら、活気溢れる「仲見世通り」へも足を向けてみてください。ここはかつて本堂があった場所だといわれ、信州名物の「おやき」や老舗・八幡屋礒五郎の「七味」など、たくさんの飲食店・物販店が立ち並んでいて、善光寺を訪れた多くの人でいつもにぎわっています。
食べ歩きを楽しみながら、善光寺で拝受した御朱印を振り返る時間は、旅の締めくくりにふさわしい至福のひとときです。20種類以上ある御朱印の中から「今の自分が惹かれたもの」を選んだ体験は、一期一会の人生の宝物になることでしょう。
歴史の重厚さと門前町の活気、その両方を結びつけるのが御朱印の存在だと感じました。

「一生に一度は」と願われる憧れの聖地であった善光寺は、現代においてもたくさんの人を魅了し続けています。多種多彩な御朱印に導きがあったからこそ、善光寺の歴史の深淵まで迷わず飛び込むことができたのだと感じ、御朱印を拝受したときには身が引き締まるような想いに包まれました。皆さんもぜひ御朱印帳を携えて、信州の風と祈りを体験しに出かけてみてください。御朱印を通じて深まるその一歩が、自身の歴史に忘れられない新しい1ページを刻むはずです。
ライター:umikaki(ウミカキ)
長野県在住、信州の豊かな自然や歴史を子どもと共に巡る「知育旅」がライフワークです。等身大な視点と、御朱印を通じて触れる地域の物語を大切に、読者の心に寄り添う執筆を心掛けています。
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