- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
岡山県倉敷市にある「阿智神社」は、古くから「倉敷総鎮守」として地域で重要な役割を果たしてきた神社です。御祭神・宗像三女神の御神徳や名物・阿智の藤が表現されたユニークな神紋の朱印がおされる御朱印のほか、季節や祭事にあわせて授与される多種多彩な限定アート御朱印が話題になっています。
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岡山県倉敷市の中心部、白壁の蔵屋敷や柳並木、倉敷川の風情ある町並みが保存・活用されている「倉敷美観地区(くらしきびかんちく)」の北にある鶴形山(つるがたやま)と呼ばれる小高い山の上にある「阿智神社(あちじんじゃ)」は、古くから「倉敷総鎮守」として信仰をあつめてきた神社です。
戦国時代の文禄3年(1594年)に近隣寺院内で祀られていた妙見宮が鶴形山に遷座されたことを起源とし、江戸時代には幕府直轄地として栄える倉敷の総鎮守として崇敬されました。中世以降、鶴形山は倉敷の町を見守る聖地として重視され、戦国時代には城郭的な役割も果たしました。江戸時代には、天領として栄えた倉敷の町人文化と結びつき、町の守護神としての性格を一層強めていきます。現在の社殿は、江戸時代以降に整えられたものです。
明治2年(1869年)の神仏分離により、現在の「阿智神社」と称するようになりました。倉敷の地域は古くは「阿知」と呼ばれていて、古代に阿知使主(あちのおみ)という渡来系氏族がこの地に定住し、技術や文化をもたらしたという伝承も残っていて、これが地名や神社名の由来になったと考えられています。
標高40mの鶴形山の山頂にある阿智神社の境内からは倉敷市街や瀬戸内海方面を望むことができ、景観の良さでも知られ、春の桜や秋の紅葉など、四季折々の自然も参拝者を楽しませませています。また、近年は「美観地区の守り神」として観光客にも親しまれ、歴史と文化、信仰が一体となった神社として、今なお地域に深く根付いた存在となっています。



阿智神社では、拝殿に向かって右側にある社務所で、複数種類の御朱印が授与されています。
基本の御朱印は、「神紋」「社名印」の朱印に、「奉拝」「参拝日付」の墨書きが書き入れられるデザインで、持参した御朱印帳に直書きしていただき、初穂料は500円でした。

この御朱印で一際目を引くのがユニークな形の神紋で、3枚の葉のような模様、三つ巴紋、円形の藤が組み合わさったもので、阿智神社オリジナルと思われるデザイン性が非常に高いように感じます。
3枚の葉のような模様は、御祭神である宗像三女神(むなかたさんじょしん)を表していると考えられます。宗像三女神とは、多紀理毘売命(たぎりひめのみこと)、多岐都比売命(たぎつひめのみこと)、市寸嶋比売命(いちきしまひめのみこと)の三柱の女神のことで、海の守り神で交通や交易の安全を司るとされています。
現在の阿智神社がある地域は、江戸時代から始まった干拓事業が施される以前は阿智潟(あちがた)と呼ばれる浅瀬の海が広がっていたため、特に航海の安全を司る宗像三女神を祀ったと伝わっています。
全国の宗像三女神を祀る神社の総本宮である福岡県・宗像大社(むなかたたいしゃ)では、楢の葉三葉の紋が使われていて、阿智神社の神紋にも宗像三女神の御神徳が模様として表現されていると思われます。三つ巴紋も水が渦巻く様子・三者が拮抗する様子を表していると考えられていて、水と関係が深い三柱との関連をうかがわせます。
※宗像大社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】福岡県「宗像大社」の「辺津宮」「中津宮」「沖津宮」の御朱印情報まとめ
円形の藤は、阿智神社の名物である「阿智の藤」を表していると考えられます。
社殿の奥(北側)にある藤は、アケボノフジと呼ばれる品種で、樹齢は推定300~500年とされ、幹廻り約1.5m・根元周囲約2.2mで地形にあわせて三段の藤棚が広がる、同種の藤の中では日本一の巨木といわれていて、岡山県の天然記念物に指定されています。毎年4月中旬の開花時期には、一般的な紫色の花とは異なり薄紅色の可憐な花を咲かせ、甘い香りが周辺に漂い、その美しくも力強い独特の景観を目当てにたくさんの見物客が訪れています。

阿智の藤の開花時期にあわせて、季節限定の箔押し御朱印が授与されるのが恒例となっているようですので、藤見物に訪れた際には限定御朱印もぜひチェックしてみてください。
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私が今回いただいた御朱印は、株式会社四国遍路が制作・販売しているオーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」に書いていただきました。
本紙は、高知県で伝統的に受け継がれている「土佐和紙」の中でも、現地で栽培・収穫された楮(こうぞ)という植物原料を使い、伝統的な製法で職人さんが1枚1枚手漉きした「土佐手漉和紙」です。神職さんが丁寧に書き入れてくださった達筆の墨書きのシャープな線が鋭く強調され、美しい神紋と社名の朱印があたたかみのあるきなり色の和紙と調和しているように見えるのは、墨の染み込みがよく独特の表面感・質感の楮紙のなせるわざだと思います。
※千年帳の本紙に関しては、以下リンクで詳しく紹介されていますので、ご参照ください。
阿智神社の基本の御朱印からは、御祭神・宗像三女神の御神徳、地域の歴史や阿智神社が果たしてきた功績、名物の阿智の藤の景観などを想起することができ、独自の世界観が表現されているように感じました。
阿智神社では、基本の御朱印のほかに、境内にある複数の境内社の御朱印も、御朱印帳に直書きで拝受することができます。

また、私が参拝した令和7年(2025年)12月には、御本殿修築事業を記念した箔押し御朱印が授与されていました。
阿智神社の本殿は、現代では珍しくなったヒノキの樹皮を用いた檜皮葺き(ひわだぶき)という伝統技法の屋根を受け継いでいる建造物で、定期的に葺き替え修築事業が行われています。直近では、令和4年(2022年)から修築事業が開始され、令和9年(2027年)に完了する予定になっています。

御本殿修築事業の期間中は、本殿を描いた箔押しの見開きタイプの特別御朱印が授与されていて、時期によって色を変えて新しい版の御朱印が登場しています。
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阿智神社では、ご紹介した以外にも、季節や行事に応じて限定の切り絵御朱印など多種多彩な御朱印が授与されていますので、参拝された際にはどのような御朱印が授与されているか、ぜひチェックしてみてください。
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標高40mの小高い鶴形山の山頂に位置する阿智神社からは、倉敷美観地区を一望することができます。
倉敷美観地区とは、岡山県倉敷市中心部に広がる、江戸時代からの町並みを今に伝える歴史的景観地区です。白壁の蔵屋敷やなまこ壁、瓦屋根の町家が倉敷川沿いに連なり、落ち着いた風情ある景観を形成しています。江戸期、倉敷は幕府直轄地で物資の集散地として栄え、商業と文化が発展した面影が現在も色濃く残されています。地区内には大原美術館をはじめ、倉敷考古館や民藝館などの文化施設が集まり、芸術や歴史に触れられる点も魅力です。また、川舟流しや季節のイベント、夜間ライトアップなど、年間を通していろいろな催しが実施されていて、昼夜を問わず多くの観光客が訪れており、伝統的景観の保存と活用の先進地として、また、日本を代表する歴史観光地の一つとして、高く評価されています。

阿智神社のメインの入口である南参道は、倉敷美観地区の街並みに面していて、通りにはおしゃれなカフェや物販店が立ち並んでいますので、倉敷美観地区観光とあわせて阿智神社に立ち寄るのがおすすめです。
ちなみに、南参道には徒歩の場合に通る石段とは別に車道が設けられていて、山頂の社殿近くに駐車場もあり、阿智神社に自家用車でアクセスすることも可能なのですが、南参道が面している通りは車のすれ違いが難しいぐらい幅が狭く、特に休日などは観光客の人通りが多く自家用車での通行が困難なので、自家用車利用の場合は倉敷美観地区周辺の駐車場に駐車して、徒歩で阿智神社境内にアプローチするのが安全だと思います。


阿智神社は、倉敷が海だった時代から海上交通の守り神として地域を見守り続けてきた歴史があります。倉敷美観地区の一角に位置し、高台からの素晴らしい景観や、名物・阿智の藤の鑑賞など、観光スポットとしても人気がある神社です。御朱印には、その長い歴史や宗像三女神の御神徳が表現され、華やかなデザインの箔押し御朱印や切り絵御朱印も人気になっていますので、倉敷観光の際にはぜひ立ち寄って、お気に入りの御朱印を見つけてみてください。
ライター:千年帳編集部
オーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」の商品詳細情報や魅力、こだわりなどを発信しています。千年帳を携えて寺社を参拝し、実際に拝受した御朱印の情報など、御朱印巡り好きの人のためのお役立ち情報もお届けします。
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