- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
滋賀県大津市にある「満月寺」は、琵琶湖に浮かぶ「浮御堂」が有名で、江戸時代に近江八景「堅田の落雁」として名をはせた絶景の名所でもあります。浮御堂に祀られている「千体仏」と記される御朱印は、満月のような丸い書体が特徴的です。
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滋賀県大津市の琵琶湖畔にある「満月寺(まんげつじ)」は、琵琶湖に浮かぶ「浮御堂(うきみどう)」が有名な臨済宗大徳寺派の古刹です。
平安時代中期、天台宗の僧・恵心僧都(えしんそうず)が比叡山から琵琶湖を眺めていらした時、琵琶湖のある一ヶ所が光っていて、不思議に思って調べてみると約5cmくらいの黄金の仏像で、湖上の安全と衆生済度のために湖中から引き上げた阿弥陀如来像を祀るため、御堂を建立したのが始まりとされています。この時に、恵心僧都自らが阿弥陀仏像1体を彫り、その体内に黄金の仏像を納め、その他にも1000体の阿弥陀仏像を造り祀ったといわれています。


戦国時代の元亀2年(1571年)におきた「比叡山焼き討ち」の前哨戦として、満月寺を含む堅田の地域全体が大きな被害を受けたため、満月寺も損害を受け、建物や古い記録の多くが失われたとされています。
江戸時代には、京都の御所にあった能舞台が満月寺に移され再興されますが、昭和9年(1934年)の室戸台風の被害によって堂宇が倒壊し、その後昭和12年(1937年)に再建され、修繕を加えながら現代まで受け継がれています。
最近では、平成27年(2015年)に日本遺産「琵琶湖とその水辺景観―祈りと暮らしの文化遺産」の構成資産の一部として認定されたほか、令和6年(2024年)に放送されたNHK大河ドラマ「光る君へ」で主人公の平安時代の歌人・紫式部が訪れたことが取り上げられ、紫式部ゆかりの地とし脚光を浴びるなど注目度が高まっています。「湖の中に建物が立っている」という唯一無二の建造物・景観が写真映えスポットとしても話題になり、参拝者のみならず観光客のたくさん訪れる人気観光地にもなっています。

満月寺では、受付で御朱印をいただくことができます。
「滋賀西国第一番」「宝印」「寺印」の朱印に、「奉拝」「参拝日」「千体仏」「満月寺浮御堂」の墨書きが書き入れられるデザインで、持参した御朱印帳に直書きしていただき、志納料は300円でした。なお、満月寺を参拝する際には拝観料がひとり300円かかります。

「滋賀西国」とは、かつて現在の大津市域に存在した地域限定の観音霊場巡礼「滋賀郡西国三十三ヶ所観音霊場」のことです。満月寺はこの霊場巡礼のスタートとなる第1番札所であったことが御朱印に記されています。
近畿全域に広がる西国三十三ヶ所を巡礼することが庶民にとっては困難だった江戸時代に、地元の人々が身近に信仰を深められるよう創設されました。
明治時代の廃仏毀釈の影響で衰退し、現在は霊場としての活動は行われていませんが、かつての札所には天台宗の開祖・最澄(さいちょう)ゆかりの「生源寺(しょうげんじ)」や、戦国時代に織田家の家臣として活躍した森可成(もりよしなり)が眠る「聖衆来迎寺(しょうじゅらいこうじ)」など、琵琶湖周辺の歴史上で重要な寺院が含まれています。
滋賀西国の朱印は、琵琶湖周辺の信仰や地域生活などの歴史に触れるきっかけになるものだと思います。
「千体仏」とは、浮御堂内を埋め尽くすように安置された1000体の小さな阿弥陀如来像のことをさします。
堂内は普段は立ち入ることができないので、堂の入口から一部の仏像しか目にすることができませんが、整然と並ぶ無数の阿弥陀如来像が放つ神聖なオーラは圧巻です。堂の周辺には回廊があり、堂の外をまわりながら1000体の阿弥陀如来をお参りします。
琵琶湖に浮かぶ浮御堂の景色は、「堅田の落雁(かたたのらくがん)」として近江八景の一つに選ばれています。冬の夕暮れに浮御堂へ雁が群れをなして舞い降りる情景のことで、古くから琵琶湖の絶景のひとつとして人々を魅了してきました。この風景が和菓子の「落雁」の名前の由来ともいわれています。

「近江八景」とは、江戸時代初期に選ばれた琵琶湖周辺の8つの名景のことで、江戸時代に活躍した浮世絵師・歌川広重(うたがわひろしげ)によってその情景が描かれ、シリーズ作品としてセットで発表され、爆発的なブームを巻き起こしました。
歌川広重は、風景に情緒を吹き込む天才だったといわれ、特に「ベロ藍」という鮮やかな青色を多用した空や水の表現は、後に「ヒロシゲ・ブルー」と称えられ、ゴッホら印象派の画家たちに多大な影響を与えました。大胆な構図と繊細な光景描写で日本の美を世界に知らしめた、まさに浮世絵界の革命児といえる存在で、現代においてもその作品は色褪せてはいません。
※近江八景に関係する唐崎神社に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】滋賀県「唐崎神社」の「近江八景 唐崎の夜雨」と記される女神とご縁を結ぶ御朱印
この御朱印は、私がオーダーメイドの注文をした御朱印帳「千年帳」に書いていただきました。本紙は、職人さんが1枚1枚手漉きした高品質の土佐手漉和紙の中でも「楮紙(こうぞし)」という、和紙らしい表面感があり、あたたかみのある白色が特徴のものを選択しています。丸みをおびた独特の書体が、滲みが少なく統一感があり滑らかさを感じるのは、墨が染み込みやすく書き手の技量を受け止める土佐手漉和紙ならではだと思います。安らぎと安心感を与える優しい書体は闇夜を照らす満月のようで、阿弥陀如来が人々を華やかな極楽浄土に導くご利益を感じさせます。
※千年帳の本紙に関しては、以下リンクのご参照ください。
満月寺の見どころとして、浮御堂へ渡る橋の袂にある樹齢約400年の松の木もよく知られています。
幹周約3. 9m、樹高約8mの巨大なクロマツで、橋を覆うように枝を伸ばしており、松の下をくぐって、浮御堂につながる橋を渡ります。まるで浮御堂に祀られている阿弥陀如来が手を差し伸べてくれているような気持ちになりました。

満月寺は、琵琶湖の安全と安寧を守る役割を果たしてきた寺院です。江戸時代には近江國屈指の景勝地としても有名になり、近江八景「堅田の落雁」の絶景は現代にも受け継がれています。伝説の千体仏とご縁を結んだ証として、琵琶湖の美しい景色を楽しんだ思い出として、満月を表しているかのような独特の書体の御朱印をいただいてみてください。
ライター:竹内友章
知多半島のお寺が好きで、知多四国霊場を中心にいろいろな霊場を巡礼し、観光やご当地グルメ(特にラーメン)を楽しんでいます。御朱印集めも趣味で、知多半島のお寺の御朱印はもちろん、全国各地の御朱印をもらいに巡り、アート御朱印などは取り寄せたりもしています。
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