- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
京都府宇治田原町にある「正寿院」は、古くから修験の修行道場・宿場として栄えてきた高野山真言宗の寺院です。季節の花があしらわれる「観世音」の御朱印や、ハート形の「猪目窓」が描かれる御朱印など、時期によってデザインが変わる多種多様な御朱印が授与されています。
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京都府宇治田原町、「日本緑茶発祥の地」ともいわれる宇治茶の有力産地である静かな山里にある「正寿院(しょうじゅいん)」は、鎌倉時代に創建されたと伝わる高野山真言宗の寺院です。
鎌倉時代初期の正治2年(1200年)に、奈良時代創建で現在は廃寺になっている医王教寺(いおうきょうじ)の塔頭寺院として正寿院が建立されたと伝わっています。飛鳥時代の修験者・役行者(えんのぎょうじゃ)が開いた修験道の道場として知られる鷲峰山(じゅうぶさん)の麓に位置することから、古くより修験の修行道場・宿場として栄えてきた歴史があります。
戦国時代と江戸時代に2度の火災に見舞われながらも再興を果たし、今日まで地域の人々のあつい信仰をあつめ続けています。国の重要文化財に指定されている鎌倉時代の著名な仏師・快慶(かいけい)の作とされる不動明王坐像など、貴重な文化財が受け継がれていることからも、深い信仰を積み重ねてきた歴史を感じることができます。
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近年は「風鈴寺(ふうりんじ)」の名で知名度が上がっています。
正寿院では、毎年6月1日から9月30日にかけて「風鈴まつり」が開催され、境内には2,000個をこえる風鈴が吊るされ、茶畑と山ののどかな景色を背景にチリンチリンと涼しげな音色が響き渡ります。全国47都道府県のご当地風鈴も並び、形も音も様々な風鈴を楽しむことができ、山里での涼を求めてたくさんの人が訪れています。オリジナルの風鈴の作ることができる風鈴絵付け体験が実施されるなど、参拝者を楽しませる取り組みにも積極的で、親しみやすい寺院として認知されています。
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正寿院では、月替わりのアート御朱印など、多種多様な御朱印が授与されています。
基本の御朱印は、中央に「観世音」、右に「奉拝」「参拝日付」、左に「正寿院」の墨書き、右に「城州」、中央に「仏法僧宝」、左に「慈眼山正寿院」の朱印に加えて、季節の花のスタンプがおされるデザインで、持参した御朱印帳に丁寧に直書きしていただきました。

御朱印に記される「観世音」は、正寿院の御本尊・十一面観世音菩薩を表しています。
正寿院の十一面観世音菩薩像は、鎌倉時代後期から室町時代にかけての作とされ、截金(きりかね)という金箔を細く切って文様を描く技法が衣の流れに施された、精緻で美しい御像です。2度の火災の際にも人々が命がけで守り抜いたことから「厄除けの観音様」として深く信仰され、秘仏として大切に守られてきたため保存状態が非常に良く、宇治田原町の文化財にも指定されています。11の顔はそれぞれ喜び・悲しみ・怒りなどさまざまな表情を持ち、四方八方を見渡してどこへ行った人をも見つけ出し救うといわれています。その温かな眼差しは、正寿院の穏やかなの空気と重なるようにも感じます。
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「城州」とは、旧国名である山城国(やましろのくに、現在の京都府南東部)の別称です。
「仏法僧宝」とは、仏教で最も重要とされる3つの宝物「仏(目覚めた人)」「法(教え)」「僧(教えを実践する集団)」のことで、仏教徒が帰依する根幹です。
この御朱印には、古くから正寿院が紡いできた信仰の歴史が凝縮されているといえるでしょう。
この御朱印に彩をそえる季節の花のスタンプは、時期によってデザインが変わります。私が参拝した10月のスタンプは、コスモスの花がピンク色の繊細な線で描かれたものでした。眺めるたびにあの日の境内の空気が思い出されます。
正寿院で拝受した基本の御朱印は、御本尊・十一面観世音菩薩の深い慈悲と、信仰が大切に受け継がれてきた歴史、参拝した日の一期一会の思い出が詰まった特別な1体に感じました。
複数種類が授与されている限定のアート御朱印の中から、正寿院のシンボルにもなっている「猪目(いのめ)」をモチーフにした御朱印もいただきました。
繊維の筋が浮き出た金色に輝く和紙の台紙に、中央に「則天(そくてん)」、右に「自分の名前」、左に「参拝日付」「正寿院」の墨書き、右に「梵鐘」、中央に大きく「猪目(ハート形の文様)」が描かれ、季節のスタンプがおされるデザインでした。

この御朱印の最大の特徴である「猪目」は、正寿院の客殿「則天の間」にある「猪目窓(いのめまど)」を表しています。
猪目とは、猪の目の形が由来のハート形の日本古来の文様で、日本の建築物や工芸品に厄除け・福を招く意味がある文様として用いられてきました。
正寿院の則天の間にある猪目窓の向こうには、季節ごとに表情を変える緑が広がり、春は若葉、夏は深緑、秋は紅葉と、訪れるたびに異なる景色を見せてくれます。畳に座ってこの窓をゆっくり眺めていると、自然と心が落ち着いてくるような、不思議な穏やかさがありました。

御朱印の中央に大きく記され、猪目窓がある則天の間の名前の由来になっている「則天」とは、「則天去私(そくてんきょし)」という言葉からとられています。小さな自我やこだわりを手放し、自然の理(天)に則って生きるという意味があります。
この御朱印には、「川の音、風の音、鳥のさえずりに耳をすませ、自然の一部である自分に気づく」というような思いが込められているように感じました。
また、御朱印に自分の名前を書き入れていただけることも、正寿院の御朱印の大きな特徴のひとつです。世界にたったひとつ、自分だけの御朱印を拝受できたことで、参拝の記憶がいっそう大切なものに感じられました。
正寿院では、私が拝受した御朱印のほかにも、多種多様な御朱印が授与されていて、月替わりで新しいデザインの御朱印が登場していますので、参拝の際にはどのような御朱印が授与されているかチェックして、お気に入りの1体を見つけてみてください。
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猪目窓がある則天の間を訪れた際には、ぜひ天井を見上げてみてください。花や植物が描かれた160枚もの天井画が一面に広がっています。桜・向日葵・あじさい・牡丹など四季折々の花が、それぞれ丸い枠の中にいきいきと描かれていて、まるで大きな花図鑑の中にいるような気分になりました。猪目窓にばかり目がいきがちですが、ぜひ仰向けになって、じっくりと天井を眺めてみてください。

正寿院は、京都の静かな山里に佇む寺院で、近年は風鈴や猪目窓などフォトジェニックな景観を目当てに多くの参拝者が訪れています。授与されている多種多彩な御朱印にも、正寿院の世界観が美しく表現されています。訪れる季節によって表情を変える境内と御朱印を、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
ライター:Miyakko
御朱印巡りと季節の花、旅先のグルメを楽しむライター。神社仏閣を訪れ、その土地の歴史や文化に触れる時間が好きです。御朱印の魅力や寺社の見どころ、周辺で楽しめるグルメなど、参拝や旅がもっと楽しくなる情報をわかりやすくご紹介します。
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