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【御朱印情報】京都府「八坂庚申堂」のまるっとした「三猿」が可愛い御朱印

京都府京都市にある「八坂庚申堂」は、日本初の庚申堂といわれ、日本三庚申の一つとされています。フォトジェニックな「くくり猿」や、「三猿」をデザインした御朱印がSNSで話題の、女性グループなどが訪れる人気スポットです。

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日本初の庚申堂で日本三庚申の一つ「八坂庚申堂」

京都府京都市東山区にある「八坂庚申堂(やさかこうしんどう)」は、天台宗の寺院であり、正式名称は「大黒山 金剛寺 庚申堂」です。平安時代の天台宗の僧侶・浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)が、青面金剛(しょうめんこんごう)を本尊とする庚申堂を創建したのが始まりと伝わっています。現在の本堂は、江戸時代の延宝6年(1679年)に再建されたものです。

 

八坂庚申堂は、日本初の庚申堂とされ、大阪府の四天王寺庚申堂、東京都の入谷庚申堂と並び、日本三庚申の一つといわれています。庚申堂とは、中国道教の説く「三尸説(さんしせつ)」をもとに、仏教、特に密教・神道・修験道・呪術的な医学や、日本の民間のさまざまな信仰や習俗などが複雑に絡み合った複合信仰である「庚申信仰」に基づいて建立される仏堂のひとつです。

 

「庚申(かのえさる・こうしん)」とは、古代中国で用いられていた十干(じっかん)の「庚(かのえ)」と、十二支(じゅうにし)の「申(さる)」を組み合わせた干支(えと)の一つであり、60通りのうちの57番目です。
中国の道教思想に基づく庚申信仰には、庚申の日の夜に人間の体の中にいる三尸と呼ばれる虫が寝ている間に体内から脱出して天に行き、天帝にその人の悪行を告げると、寿命を操る天帝が悪行に対する罰として人の寿命を縮めるという思想があります。長生きするために、徹夜して虫が体内から出るのを防ぐ「庚申待ち」の風習が古くからありました。

 

金剛寺は天台宗の寺院で、宗派としては庚申信仰とは直接的には関係ありませんが、庚申堂に祀られている青面金剛が三尸の虫を押さえつける力を持っていることから、いつしか庚申待ちの日に青面金剛を拝むようになり、庚申の日に夜を徹して願い続けることでどんな願いも叶うといわれ、八坂庚申堂の通称の方が有名になっていきました。

 

 

フォトジェニックな「三猿」と「くくり猿」

八坂庚申堂のお堂の中や本堂前の大きな香炉の脚、門の屋根など境内のいたるところで、目・耳・口を押さえた「見ざる、聞かざる、言わざる」の「三猿(さんえん)」が出迎えてくれます。猿は庚申の使いであり、本尊の青面金剛の従者とされていることに関連しています。

八坂庚申堂_三猿
お堂の中に三猿が鎮座しています。

 

また、賓頭盧尊者(びんづるそんじゃ)を安置する賓頭盧堂を取り囲むようにびっしりと飾られている、お手玉にも似た「くくり猿」と呼ばれるお守りが境内でひときわ目を引きます。職人の手作業で一つずつ丁寧に作られるくくり猿は、猿が手足をくくられ動けない姿を表現していて、内部に青面金剛の御札が納められています。普段はよく動き回る猿がくくられて動けないように、庚申さんのパワーによって人の心の欲をくくりつけて動かないようにしているという意味があります。

八坂庚申堂_くくり猿
賓頭盧尊者を取り囲むくくり猿は、職人による手作りで、よく見るとひとつひとつ形が異なっているのがわかります。

 

八坂庚申堂では、赤・青・黄色など多彩なくくり猿が授与されていて、叶えたい願いをペンで書き込んで、境内に吊るすと願いが叶うとされています。くくり猿は自宅に持ち帰ることも可能で、努力を怠りそうな時や悪心が起こりそうな時に「おん でいば やきしゃ ばんた ばんた かかかか そわか」の真言を唱えながら、願いを込めて祈ることで、自身の心がコントロールしやすくなるといわれています。無事に願い叶ったら、八坂庚申堂に送り、お炊き上げしてもらうのが一般的です。郵送での授与にも対応しているので、遠方の人でもくくり猿のご利益にあずかることができます。

 

境内中に吊るされたカラフルなくくり猿が、フォトジェニックな景観を作り出していて、その様子がSNSに投稿されて話題になっています。浴衣や着物とも相性抜群で、レンタル着物に身を包んで参拝に訪れる女性グループやカップルの姿を見かけることが多いです。
くくり猿の他にも、素焼き土鈴に三猿が可愛らしく描かれた厄除けの大鈴や、小さなサイズのくくり猿など、八坂庚申堂らしい猿をモチーフとしたお守りやグッズが多種頒布されていて、参拝の記念に人気になっています。

 

 

 

 

まるっとした三猿が可愛らしい御朱印

八坂庚申堂でいただける御朱印は、ベーシックなタイプの御朱印1種類です。「奉拝」「庚申尊」「金剛寺」の墨書きに、右上に「洛東 八坂 日本三庚申」、右下に参拝日、左下に八坂庚申堂の正式名称である「大黒寺 金剛寺」の朱印が押されます。朱印料は300円でした。

八坂庚申堂_御朱印
独特の書体の「庚申尊」と、丸いフォルムの「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿の朱印が押されている、個性的な御朱印です。

 

庚申信仰に関連した御朱印は珍しいですし、三猿の可愛らしい朱印が、あとから見直すと願いを叶えてくれるご利益がありそうです。くくり猿とあわせて、御朱印を拝受し、青面金剛と三猿とご縁を結んでいただければと思います。

 

 

八坂庚申堂は、三猿を可愛くアレンジした御朱印やフォトジェニックなくくり猿、猿グッズがSNSでも話題で人気になっています。周辺には、清水寺や八坂の塔、多くの店舗が連なる二年坂(二寧坂)・三年坂(産寧坂)などがある京都で屈指の人気観光エリアですので、京都散策の際にはぜひ立ち寄ってみてください。

 

 

 

 

ライター:neko
学芸員の資格を持つWebライター。九州を中心に全国の寺社仏閣に出掛け、御朱印を集めるのが趣味です。今までにいただいた御朱印は、御朱印帳5冊ほどになりました。

 

 

 

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