- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
香川県善通寺市にある「善通寺」は、真言宗の開祖である「弘法大師空海」が生まれた地にある寺院で、「弘法大師三大霊跡」のひとつです。真言宗十八本山巡礼のスタートの1番札所にもなっていて、弘法大師信仰の核心「同行二人」の言葉が入った弘法大師の御朱印をいただくことができます。
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香川県善通寺市にある「善通寺(ぜんつうじ)」は、平安時代に活躍した僧侶で真言宗の開祖である「弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)」が誕生した地の寺院として全国的知られる、聖地中の聖地です。
弘法大師空海は、現在は善通寺がある場所で、地元の豪族の子として誕生したとされています。
善通寺は、空海の父の佐伯田公(さえきのたぎみ、諱:善通(よしみち))から土地の寄進を受け、平安時代初期の大同2年(807年)に建立し始め、弘仁4年(813年)に落成したと伝わっています。空海が唐に渡った際の師であった恵果が住していた長安の青龍寺を模して建立したといわれ、創建当初は金堂・大塔・講堂など15の堂宇だったそうで、寺号は父の名前から採られたそうです。
現在の善通寺は、東院と西院が一体となった広大な境内を有していますが、創建時は現在の東院にあたる場所が善通寺で、西院にあたる場所に佐伯家の住居がありここで空海が生まれたといわれています。
鎌倉時代に住居部分が誕生院という寺院となり、明治時代に入って、善通寺と誕生院があわさって、現代に続く善通寺の形となりました。
空海が開き入定している和歌山県の高野山(こうやさん)、空海が嵯峨天皇から下賜され真言密教の根本道場とした京都府の東寺(とうじ)と並び、空海御誕生所である善通寺は「弘法大師三大霊跡」のひとつとして、弘法大師信仰の中心的存在であり続けています。
※高野山と東寺に関して、四国遍路巡礼に関する情報を発信している四国遍路情報サイト「四国遍路」の以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【高野山奥の院】一の橋から弘法大師御廟・燈籠堂地下までのお礼参りルートをご紹介
【東寺・教王護国寺】東寺のお礼参りはお大師さまが住まわれていた「御影堂」へ
善通寺では、広大な境内に祀られている複数の仏様の御朱印をいただくことができますが、今回私が拝受したのは「弘法大師」の御朱印です。すべての種類の御朱印は、西院にある納経所でいただくことができます。
「同行弐人」「弘法大師をあらわす梵字(ユ)」「弘法大師御誕生所屏風浦善通寺之印」の朱印、「御誕生所」「参拝日付」「弘法大師」「善通寺」の墨書きが書き入れられる御朱印です。
たくさんのお堂がある善通寺の中で、弘法大師空海は西院にある「御影堂(みえどう)」に祀られています。御影堂が現在あるのは、元々は佐伯家の住居があった場所で、ここで空海が誕生したとされる聖地中の聖地です。空海が唐に渡る際に母親に贈ったとされる自画像が祀られ、御影堂の地下には真っ暗な回廊を進み、空海誕生の聖地にもっとも近づくことができる「戒壇めぐり」も設けられています。
善通寺は、真言宗の中の派閥のひとつである善通寺派の総本山で、善通寺市という自治体名と区別するためにも特に地元では「総本山善通寺」と呼ばれています。真言宗の主要な16派の総大本山である18の寺院のことを「真言宗十八本山」といい、この18ヶ寺を巡る霊場巡礼は、弘法大師空海の足跡や教えをたどる旅として人気があります。
善通寺が真言宗十八本山の1番札所で、空海が生まれた地から霊場巡礼をスタートするという意義深いもので、この霊場巡礼の納経においては、御影堂を参拝し、弘法大師の御朱印をいただきます。
※同じく真言宗十八本山に名を連ねる須磨寺(2番札所)、東寺(9番札所)、醍醐寺(12番札所)について、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】兵庫県「須磨寺」の「弘法大師空海」とご縁をいただける御朱印
【御朱印情報】京都府「東寺」の「弘法大師空海」の教えを伝える御朱印
【御朱印情報】京都府「醍醐寺」の「理源大師聖宝」の教えを伝える御朱印
この御朱印は、株式会社四国遍路が制作・販売しているオーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」に書いていただきました。
本紙は、高知県で伝統的に受け継がれている「土佐和紙」の中でも、現地で栽培・収穫された楮(こうぞ)という植物原料を使い、伝統的な製法で職人さんが1枚1枚手漉きした「土佐手漉和紙」で、中央の弘法大師のどっしりとした書体をしっかり墨が染み込む土佐手漉和紙が受け止め、細い字の部分は絶妙なかすれ具合を生みだして、とても美しい御朱印に仕上がっていると思います。
※千年帳の本紙に関しては、以下リンクで詳しく紹介されていますので、ご参照ください。
弘法大師の御朱印の右上には「同行弐人」という言葉の朱印がおされています。これは一般的には「同行二人」と表記され「どうぎょうににん」と読みます。意味は、巡礼をしているときに自分ひとりではなく、弘法大師空海が常に一緒にいてくださるということをあらわしています。
特に、四国の空海ゆかりの聖地を巡る四国遍路の巡礼においては、同行二人の言葉がお遍路さんが身に着ける菅笠に書かれていて、この言葉を強く意識し、心のよりどころとして巡礼している人もいらっしゃいます。ひとりではないということは、心のなかにもうひとりの自分がいるという意味でもあり、自分の行動や判断、考えについて、じっと見つめているもうひとりの自分がいるという解釈もできます。
※四国遍路のうち代表的な霊場巡礼である四国八十八ヶ所霊場巡礼の御朱印に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】四国八十八ヶ所霊場1番札所「霊山寺」のお遍路スタートの御朱印
長距離・長期間にわたる巡礼の旅では、苦しいことやつらいこともありますので、それを乗り越えていくために、弘法大師空海が寄り添って助けてくれるということは、空海がとても身近な存在であることをあらわしていて、全国的に広がった弘法大師信仰の核心をついている言葉だと思います。
四国八十八ヶ所霊場巡礼においては、善通寺はもちろん札所になっていて、徳島県鳴門市の1番札所霊山寺から巡礼を始めるお遍路さんにとっては終盤の75番札所です。
善通寺の境内には温泉入浴が可能な宿坊が設置されており、お遍路の長旅の疲れを癒し、朝勤行で弘法大師空海にお近づきになり、聖地を堪能するお遍路さんの姿が多くみられます。
四国八十八ヶ所霊場巡礼の納経(御朱印)は、善通寺の御本尊である薬師如来の御朱印をいただきます。
善通寺は、真言宗の開祖である弘法大師空海の御誕生所であり、真言宗信者や四国遍路を巡礼するお遍路さんをはじめ、常に多くの参拝者でにぎわう四国で最大級の寺院です。弘法大師空海が祀られている御影堂でお大師様に近づくことができる貴重な体験もできます。弘法大師の御朱印に記される、お大師様が常にそばにいてくださるという「同行二人」の言葉を胸に、様々な霊場巡礼・寺社巡りをご安全にあゆまれてください。
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