- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
香川県綾川町にある「滝宮天満宮」は、学問の神様「菅原道真」ゆかりの神社として有名で、「滝宮の念仏踊り」「うそ替え祭り」という個性的な祭事の文化が現代にも受け継がれています。道真の聖蹟であることを示す御朱印をいただけます。
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香川県綾川町にある「滝宮天満宮(たきのみやてんまんぐう)」は、学問の神様として有名な「菅原道真(すがわらのみちざね)」を祀っている神社です。京都から九州にある菅原道真にゆかりが深い神社「菅公聖蹟二十五拝(かんこうせいせきにじゅうごはい)」の第18番にもなっています。
道真は、平安時代の仁和2年(886年)から寛平2年(890年)までの4年間、現在の県知事のような役割を担う「国司(こくし)」という任に就き、讃岐国(現在の香川県)に赴任していました。滝宮天満宮が鎮座している場所は、かつて讃岐国国司の官舎があった場所と伝わっています。
道真が赴任中の仁和4年(888年)に、讃岐国は大干ばつにみまわれました。そこで道真は讃岐の人々を救うためにみずから7日間の断食をし、雨乞いの祈祷を行うとようやく雨が降ったという伝説があります。そのとき、喜んだ人々が国司の館に集まって、歓喜のあまり踊り明かしたそうで、この踊りが現代にも続き、無形民俗文化財に指定され、2022年にはユネスコ無形文化遺産にも登録された「滝宮の念仏踊り」の始まりだとされています。
国司の任を終えて帰京した道真は冤罪によって九州の太宰府に流され、都へ帰る願いは叶わないまま亡くなりました。その後、平安時代の天暦2年(948年)に道真の遺徳を偲んで国司の住居跡に神社が建てられ、これが滝宮天満宮の起源となりました。創建から1000年以上の歴史があり、今でも讃岐の学問の神様として信仰されています。
滝宮天満宮の広い境内にはさまざまな見所があります。
社殿は瓦の唐破風屋根が重厚で、鮮やかな朱色が印象的です。こちらは明治21年(1888年)に再建されたもので、大正10年(1921年)に修繕されて現在に至ります。
滝宮天満宮は香川県きっての梅の名所としても知られ、境内には約150本の梅の木が植えられています。紅梅や白梅など花色はさまざまで、毎年2月から3月にかけてが見ごろです。
拝殿の前には太宰府天満宮から贈られた「飛梅(とびうめ)」が植えられています。道真は梅の花が好きで、太宰府へ向かう前に京都の屋敷の梅の木を思って詠んだ「東風吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて春を忘るな」という和歌も有名です。道真を慕っていた梅は一晩で京都から太宰府まで飛んで行ったという「飛梅伝説」があり、太宰府天満宮の拝殿前に植えられています。
※太宰府天満宮に関しては、以下リンクの記事で紹介されていますので、ぜひこちらもご覧ください。
【御朱印情報】福岡県「太宰府天満宮」の「菅原道真」ゆかりの御朱印
境内には「恋松天神(こいまつてんじん)」という縁結びスポットもあります。現地の案内板によると、道真が讃岐国の国司として赴任していたとき、身の回りのお世話をするお藤という女性と綾川付近を散策中に衣をかけた松の木が「恋の袖かけ松」と呼ばれるようになり、恋松が転じて「恋待」となり、縁結びを願うスポットとなったそうです。
滝宮天満宮には注目の行事が2つあります。
ひとつは、前出の「滝宮の念仏踊り」で、毎年8月に開催され1000年以上も続く神事です。道真の雨乞いで雨が降ったことに喜んだ人々が国司の館に集まり、三日三晩踊りあかしたことが起源とされ、その後、法然上人(ほうねんしょうにん)が振付を行い、今でも大切に受け継がれています。
4月に開催される「うそ替え祭り」は鷽(うそ)という鳥を木でかたどった「木鷽(きうそ)」を授かり、参拝者同士で交換し合う変わったお祭りです。鷽は道真とゆかりが深い鳥といわれ、木鷽を人と取り替えることで罪や穢れが祓い清められ、悪いことは「うそ」になり福を招くといわれています。うそ替え祭りは全国各地の天満宮・天神社で開催されていて、授与される木鷽のデザインも神社によってさまざまです。そのなかでも、滝宮天満宮の木鷽はかなり個性的です。
木鷽の授与はうそ替え祭り当日のみですが、滝宮天満宮では木鷽をモチーフにしたおみくじが通年授与されていて、境内にある「なで鷽鳥」も木鷽をモチーフにしたものなのでぜひチェックしてみてください。
コロナ禍の影響で参拝者同士での木鷽の交換は一時中止されているようですが、私が知る限り四国では唯一のうそ替え祭りなので、一度はぜひ参加してみていただきた祭りのひとつです。
滝宮天満宮では朱印と墨書きのみの伝統的な御朱印がいただけます。以前私が参拝したときは直書きしていただけましたが、現在は書置きのみの対応となっているようです。拝殿の左側の大きな授与所で、初穂料は300円でいただきました。
印は「さぬき十五社第八番」「滝宮天満宮神璽」「仁和年間菅公治所遺跡」、墨書きは「奉拝」「滝宮天満宮」、日付です。「さぬき十五社」は香川県を代表する15の神社で構成された巡礼のことで、香川県の一の宮である田村神社や、「こんぴらさん」で知られる金刀比羅宮なども含まれています。滝宮天満宮もそのうちのひとつに選ばれているということからも、歴史の深さがうかがえますね。
滝宮天満宮は、隣接する滝宮神社も兼務されていて、滝宮神社の御朱印もいただけます。こちらも朱印と墨書きのみの伝統的な御朱印で、初穂料は300円です。
滝宮神社は滝宮天満宮とあわせて「滝宮両社」と呼ばれる由緒ある神社で、創建から1300年以上の歴史があります。もとは「牛頭天王社(ごずてんのうしゃ)」や「牛頭天王の祠」と呼ばれていたため、御朱印にも「瀧宮牛頭天王社」という印が押されます。牛頭天王とは神仏習合の神で、本来は釈迦の生誕地とされる祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の守護神ですが、やがてスサノオと同一の神とされるようになりました。「祇園祭」で有名な京都の八坂神社でも祀られていて、疫病除けや厄除け、牛馬守護などの御利益をいただけます。
滝宮天満宮は、創建から1000年以上の歴史があり、菅原道真ゆかりの神社として全国的に有名な神社です。「滝宮の念仏踊り」「うそ替え祭り」という個性的なお祭りもあるので、タイミングを合わせてぜひ参拝していただき、参拝記念に御朱印もいただいてみてください。
ライター:kanakana
神社仏閣・御朱印ブロガー。徳島県を中心に四国や淡路島で神社仏閣巡りを楽しむ御朱印ガールで、年間300体以上の御朱印を拝受しています。御朱印を通じて神社仏閣の魅力をご紹介します。
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