- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
京都府京都市上京区にある「梨木神社」は、幕末から明治時代にかけて活躍した三条實萬・實美父子を祀る神社で、境内に多数植わっている萩が美しいことから「萩の宮」と呼ばれています。静かで雅な境内を想起させる風情ある越前和紙が使われた清楚な御朱印や、季節や祭事にあわせた限定アート御朱印など、多種多彩な御朱印が授与されています。
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目次
京都府京都市上京区、京都御苑の東側にある「梨木神社(なしのきじんじゃ)」は、明治18年(1885年)に三条實萬(さんじょうさねつむ)を御祭神として創建され、別格官幣社の列格を受けた神社です。大正4年(1915年)には、實萬の子である三条實美(さんじょうさねとも)が第二座御祭神として合祀されています。
別格官幣社とは明治以降に定められた神社の社格の1つで、国家のために特別な功労があった人物を祀る神社が列しています。
三条實萬は、江戸時代後期に活躍した公卿(くぎょう、当時の国政を担う最高の職位)で、菅原道真の生まれ代わりと崇められ、当時の人々から今天神様と称されたそうです。幼少のころから和漢の学を修め、第119代・光格天皇(こうかくてんのう)、第120代・仁考天皇(にんこうてんのう)、第121代・孝明天皇(こうめいてんのう)と3代にわたる天皇に仕え、幕末の困難を乗り越えるべく奮闘しました。しかし、安政5~6年(1858~59年)にかけて行われた江戸幕府による弾圧「安政の大獄(あんせいのたいごく)」では謹慎処分を受け、出家して隠棲、安政6年10月に隠棲地の洛北一乗寺(らくほくいちじょうじ)で亡くなっています。
明治2年(1869年)になって明治天皇から「忠成公」というおくり名を賜り、明治18年10月に梨木神社の御祭神として祀られることになりました。
三条萬美は、和漢の学をはじめ、詩歌や書画にも秀でた才能を持つ、大変温厚で雅な人物だったそうです。父・實萬が亡くなった後はその遺志を継ぎ、朝廷のために奔走しますが、次第に長州藩などとの結びつきを強め、尊王攘夷・討幕派の中心的な人物となっていきました。一時は京を追われ長州へ逃げていましたが、さまざまな困難を乗り越え、ついに明治維新の立役者の1人となります。明治政府内でも要職を歴任し、明治24年(1891年)54歳で亡くなり、国葬をもって送られています。その後、大正4年の大正天皇即位式にあたり、梨木神社の第二座御祭神として祀られました。
梨木神社境内地は、平安時代前期の公卿・藤原良房(ふじわらのよしふさ)の館「染殿第(そめどのだい)」があった場所とされています。境内にある「染井(そめい)」は、宮中御用の染所として使用されていたと伝わっています。
京都御所に隣接し、静かで美しい境内を持つ梨木神社ですが、平成25年(2013年)に社殿の修復などの多大な費用をまかなうため、境内の参道を含む土地をマンション開発業者に定期借地権で貸与しました。当時、神社の境内にマンションが建てられることに大反対する地元住民や京都市民も多く、神社本庁の承認も得られなかったことから、梨木神社は神社本庁から独立して単立神社となっています。そのため、神社本庁の別表神社から外されました。別表神社とは神社本庁が定め、包括している主要な神社のことで、神職の人事などにおいて優遇・特例があります。その後マンションは建設され、現在は第一鳥居からまっすぐに通じていた参道が、マンションを避けるようにコの字型になり、第二鳥居へとつながっています。


梨木神社では、多種多彩な御朱印が授与されていて、御朱印巡り好きの人の間で話題になっています。
基本の御朱印は、中央に「梨木神社」、右には「奉拝」、左に「参拝日」が墨書きされ、右上には御神紋で御祭神の三条家の家紋でもある「三条花角(さんじょうはなかく)」、中央に「梨木神社」、左下には「梨木神社之印」の朱印がおされるデザインです。持参した御朱印帳への直書き、書き置きタイプが選択でき、書き置きタイプは品の良い光沢のある越前和紙の台紙に書き入れられたものなので、私はこちらを拝受しました。

境内の手水舎にある「染井の井戸」は、源氏六条堀川邸内にあったといわれる「佐女牛井(さめがい)」、縣宮(あがたのみや)の近くにあったとされる「縣井(あがたい)」と共に京都三名水に数えられる名水で、現在もこんこんと湧き出ています。染井の水は甘くまろやかな味で、茶の湯にも適した水としても有名です。
和紙作りにも水はたいへん重要で、御朱印の台紙として選ばれた越前和紙と名水の浅からぬ縁を感じます。
梨木神社では、祭事にあわせて限定の御朱印も授与されています。
私が令和2年(2020年)の「萩まつり」開催中にいただいた御朱印は、墨書き・朱印は基本の御朱印と同じですが、和紙に描かれた神門と萩の花がたいへん美しくて上品なデザインでした。

萩の美しい時期は、ついつい足が向いてしまう梨木神社。私は令和7年(2025年)9月の萩まつり期間にも参拝に訪れ御朱印をいただきました。こちらも墨書き・朱印とも基本の御朱印と同じで、萩の花・琴・尺八が描かれたものになっていました。

梨木神社には500株以上の萩が植えられていて、夏の厳しい暑さが和らぐ頃に可憐な花が咲きそろい、清々しく華やかな境内は「萩の宮」とも呼ばれています。この時期に開催されるのが萩まつりで、毎年9月の第3・4日曜日前後には舞楽・邦楽・弓・居合などの奉納行事が行われ、境内は多くの参拝者でにぎわいます。
見事に咲きそろった萩を詠んだ和歌も多くのこり、「府市民俳句大会」が恒例行事になっていて、短冊に書かれた俳句が境内の萩に吊るされる様も見どころです。


梨木神社では、萩まつりのみならず、季節限定の御朱印やイベントに合わせた御朱印など、多種多彩な御朱印が授与されていて、どれも美しい景色がデザインされた趣あるデザインですので、参拝の際にはどのような御朱印が授与されているか、ぜひチェックしてみてください。
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令和7年(2025年)12月に私が再度参拝した際には、創建140年を記念した御朱印をいただきました。
本殿が描かれた見開きサイズの台紙の右には金文字の御神紋と「奉祝 創建百四十年」の文字、左には「梨木神社」「参拝日」の墨書きと「梨木神社」「梨木神社之印」の朱印がおされるデザインでした。

梨木神社の境内は、柔らかい曲線を描く屋根が特徴的な中門の周囲も萩で覆われ、いつお参りしても清々しい気持ちにさせてくれます。御祭神が祀られている本殿は中門の奥にあるため直接見ることは難しいですが、静かな境内で手を合わせているだけで心が洗われるようで、創建140年記念の御朱印を見返すと参拝の光景を思い出させてくれます。

梨木神社は、八大神社(はちだいじんじゃ)、元祇園梛神社(もとぎおんなぎじんじゃ)と共に「京都こだわり御朱印三社巡り」というイベントを開催しています。それぞれの神社で御朱印をいただき、最後にお参りした神社でそれらの御朱印を提示すると特別御朱印が受けられるというシステムで、毎年9月~11月の期間に行われています。
令和7年(2025年)に私がいただいた特別御朱印は、見開きサイズに3社それぞれの秋景色がデザインされたものでした。

洛北一乗寺にある八大神社は宮本武蔵ゆかりの神社としても知られ、周辺には美しい庭園で有名な詩仙堂(しせんどう)や紅葉の名所の圓光寺(えんこうじ)、修学院離宮(しゅうがくいんりきゅう)、曼殊院門跡(まんしゅいんもんぜき)などがあり、秋の散策にはとてもおすすめのスポットです。元祇園梛神社は、嵐電の始発駅である四条大宮近くにある神社で、境内に2つの本殿が並ぶ珍しい神社として知られています。
京都の秋は周囲の山が次第に紅葉し、心なしか町全体が秋色に彩られていくように思います。近年の京都の夏は殺人的な気温の高さで観光に苦労しますが、夏を過ぎた心地よい気候の中で、御朱印巡りを楽しまれてください。
※八大神社と元祇園梛神社に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】京都府「八大神社」の剣聖「宮本武蔵」や季節・行事の様子が描かれる多種多彩な御朱印
【御朱印情報】京都府「元祇園梛神社」の「梛」「牛頭天王」にまつわる伝説が描かれる多種多彩な御朱印
平安時代以前に創建された神社も多い京都において、梨木神社の歴史はけっして長くありませんが、市民の暮らしに溶け込んだ親しみある、でも品格を持った美しい神社です。静かな境内でゆっくりと心を癒やした後はぜひ美しい御朱印をいただいてみてください。
※近隣にある廬山寺に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】京都府「廬山寺」の疫病退散「角大師」や「紫式部」ゆかりなど多種多彩な御朱印
ライター: iroha
京都市在住で副業ライターとして活動してます。仕事の合間をぬって京歩き・御朱印集めをする中で、ますます京都が好きになっていき、京都検定2級にも合格しました。歴史ある御朱印や可愛くて素敵な御朱印などをたくさん紹介できればと思っています。
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大阪府大阪市天王寺区にある「安居神社」は、四天王寺と同時期に創建されたといわれる古社です。有名な戦国武将・真田幸村が討ち取られた場所としても知られ、真田家の家紋「六文銭」の印が入った伝統的な御朱印をいただくことができます。
大分県別府市にある「八幡朝見神社」は、豊後八幡宮7社のひとつで、「湯の町」として全国に名をはせる別府温泉の鎮守神を合祀する神社でもあります。季節の祭事にあわせて授与されるデザイン性豊かな限定のアート御朱印が人気です。
山口県萩市にある「大照院」は、萩藩毛利家の菩提寺として、600基以上の石灯篭が並ぶことで知られる古刹です。御本尊・聖観世音菩薩が祀られている「大悲殿」の御朱印には、中国観音霊場の20番札所に選ばれていることが記されます。
岐阜県垂井町にある「伊富岐神社」は、聖山として信仰される伊吹山の麓に鎮座し、関ケ原の戦いともゆかりがある古社です。美濃国二宮として地域に大切にされてきた歴史があり、由緒正しき御朱印をいただくことができます。