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【御朱印情報】岡山県「備中国総社宮」の旧字体が長い歴史を象徴している御朱印

岡山県総社市にある「備中国総社宮」は、古代より地域の中核的な役割を果たし、地名の由来にもなっている神社です。その長い歴史を象徴するかのような旧字体で記される朱印・墨書きが美しい伝統的なデザインの御朱印を、特別な御朱印帳「千年帳」に書き入れていただきました。

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地域の発展の拠点としての役割を果たしてきた「備中国総社宮」

岡山県総社市にある「備中国総社宮(びっちゅうのくにそうじゃぐう)」は、備中国(びっちゅうのくに、現在の岡山県西部)にあった多くの神社の祭神を合祀した神社で、地域の中核的な神社としての役割を果たしてきました。

 

古代、律令制の下で各国の統治のために派遣された国司が各国内の全ての神社を一宮から順に巡拝する習慣がありましたが、これを効率化するため、国内の神々を一社にまとめて国府の近くに設けられた「総社」に祀るの制度ができました。備中国総社宮は備中国の総社として備中国内にあった多くの神社の祭神を合祀し、一度の参拝でこれらすべての神々に祈ることができるようにするために創建された神社です。

 

現在の備中国総社宮がある場所には、総社が設けられる以前は野俣神社(のまたじんじゃ、現在の境内社の沼田神社(ぬまたじんじゃ))などが存在し、国司による祭祀拠点として整備されていきました。社殿は室町時代や戦国時代に戦火で焼失するなど幾度かの変遷を経ていますが、都度再建され、江戸時代中期の貞享04年(1687年)には彩色二十四孝の絵馬が奉納されるなど繁栄し、地域が門前町・宿場町として発展していくことに大きな役割を果たしました。
明治5年(1872年)には近代社格制度において県社に列せられ、以降も地域の中心的な神社としての地位を保ち続け、市名や駅名の「総社」は備中国総社宮に由来しています。

備中国総社宮_本殿
昭和54年(1979年)に再建された本殿(写真左奥の屋根)は、備中国総社宮の格式の高さを表す立派なものです。

 

広々とした境内は落ち着いた雰囲気で、参道にある長い回廊が特徴的です。社殿内には円山応挙や大原呑舟の絵画など、文化的価値の高い絵馬や奉納品も数多く残されており、神社建築や美術面からも注目されています。
また、年間を通していろいろな祭事が行われており、毎年10月の第3土曜・日曜に催される秋の例祭をはじめ、「輪くぐり」や「力石総社」といった神事が行われ、地域の人々の信仰の場として親しまれています。境内は総社市の指定史跡にもなっており、歴史的・文化的な価値が高く評価されています。

備中国総社宮_境内
様々な祭礼が行われる広々とした境内に、たくさんの境内社があります。
備中国総社宮_回廊
屋根付きの長い回廊は、備中国総社宮ならではの特徴的な景観・建造物です。
備中国総社宮_力石
平成30年(2018年)に大相撲総社場所が開催された際に、当時の横綱・稀勢の里の色紙と手形から制作・奉納された力石が安置されていて、稀勢の里の体重にあわせて177kgあるそうです。

 

備中国総社宮は、古代から続く「総社」としての制度的背景と長い歴史を持ち、地域共同体の中心的な信仰拠点としての役割を現代まで継承してきた名社です。

 

 

旧字体が長い歴史を物語る伝統的なデザインの御朱印

備中国総社宮では、社殿に併設されている社務所で、御朱印をいただくことができます。
「備中國總鎮守」「木瓜紋(もっこうもん)」「總社宮印」の朱印、「奉拝」「備中國總社宮」「参拝日付」の墨書きが入るデザインで、持参した御朱印帳に宮司さんが丁寧に直書きしてくださり、初穂料は500円でした。

備中国総社宮_御朱印
旧字体での表記が長い伝統と格式を表している備中国総社宮の御朱印です。

 

「備中國總鎮守」「總社宮印」の朱印、「備中國總社宮」の墨書きは、「國」「總」と旧字体で表記されています。
現代では「備中国総社宮」と常用漢字で表記されることが一般的ですが、旧字体が社名の正式名称とのことで、御朱印の表記から地域で重要な役割を果たしてきた長い歴史を感じます。

 

備中国総社宮の主祭神は、大名持命(おおなむちのみこと)とその妻・須世理姫命(すせりひめのみこと)で、そのほかに御鎮魂八柱神や備中国内の304社の神々が相殿神として祀られ、広域の信仰対象として古くから崇敬を集めてきました。たくさんの神が祀られているので、そのご利益は多岐にわたりますが、特に福徳多満、商売繁盛、病気平癒、交通安全や、夫婦神が主祭神であることから良縁成就や安産のご利益が有名です。
御朱印におされている木瓜紋は、平安時代以降の公家社会において装束や調度、輿車、建築などに用いられた伝統的な文様「有職文様(ゆうそくもんよう)」のひとつで、備中国総社宮と朝廷の深い関わりをうかがわせます。木瓜紋の図案は、瓜を輪切りにした断面や鳥の巣を図案化したものと考えられていて、子孫繁栄を祈る家紋とされていることから、夫婦神を祀る備中国総社宮のご利益ともつながるところがあります。

 

私が今回いただいた御朱印は、株式会社四国遍路が制作・販売しているオーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」に書いていただきました。
本紙は、高知県で伝統的に受け継がれている「土佐和紙」の中でも、現地で栽培・収穫された楮(こうぞ)という植物原料を使い、伝統的な製法で職人さんが1枚1枚手漉きした「土佐手漉和紙」です。宮司さんが丁寧に書き入れてくださった墨書きの勢いがある部分に絶妙なかすれが出ていて、旧字体の朱印があたたかみのあるきなり色の和紙に馴染み、とても美しく味のある御朱印に仕上がっているように感じます。墨の染み込みがよく独特の表面感・質感の楮紙のなせるわざだと思います。
※千年帳の本紙に関しては、以下リンクで詳しく紹介されていますので、ご参照ください。

 

千年帳とは:本紙

 

備中国総社宮の御朱印からは、夫婦神の御神徳、地域の歴史やが備中国総社宮果たしてきた功績などを想起することができ、伝統的な世界観が表現されているように感じました。

 

 

 

 

古代の様式美を現代に伝える「三島式庭園」

備中国総社宮の境内で、一際目を引くのが「三島式庭園」です。
古代は沼地であった場所を朝鮮人が渡来して池を作ったと伝わっていて、832坪の面積で池中には神島三島あるが古代式の庭園です。大島が東中央にあり、小島がこの西に南北に並んで品文字形をなし、西南には天津磐境(環状列石)石組が保存されて、厳島神社(古末社)が祀られています。神島の配置は総社宮が島根県・出雲大社(いずもたいしゃ)と同じ大名持命を主祭神としていることから出雲式の神池となっていると考えられています。
※出雲大社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

 

【御朱印情報】島根県「出雲大社」の伝統的なデザインの御朱印4種

 

備中国総社宮_三島式庭園
水面に映る木々や建造物に心が和む三島式庭園です。

 

備中国総社宮の三島式庭園は、岡山県が誇る名庭園で、日本三名園のひとつである「岡山後楽園(おかやまこうらくえん)」が築造される際に参考にされたそうで、古来の伝統的な美意識を現代に伝える貴重な史跡です。
※岡山後楽園に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

 

【御朱印情報】岡山県「岡山城」の歴代城主の家紋・旗印が記される御城印と名園「岡山後楽園」

 

 

備中国総社宮は、備中国のたくさんの神々が集まり、備中国総鎮守として地域の発展に貢献してきた長い歴史をもつ神社です。旧字体が記される御朱印は、古来からの歴史・伝統、地域に貢献してきた大きな功績を象徴しているかのようです。三島式庭園をはじめとした昔ながらの景観・建造物に囲まれた静かな空間で、心が和む参拝の時間を過ごしてみてください。

 

 

 

 

ライター:千年帳編集部
オーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」の商品詳細情報や魅力、こだわりなどを発信しています。千年帳を携えて寺社を参拝し、実際に拝受した御朱印の情報など、御朱印巡り好きの人のためのお役立ち情報もお届けします。

 

 

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