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【御朱印情報】広島県「豊国神社」の豊臣家紋と宮島しゃもじがデザインされた御朱印

広島県廿日市市の宮島にある「豊国神社」は、宮島島内最大の木造建築物である千畳閣や、室町時代築の五重塔で有名な神社です。創建を命じた豊臣秀吉に関連する家紋や宮島名物のしゃもじが可愛くデザインされた御朱印をいただくことができます。

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宮島島内最大木造建築物「千畳閣」を有する「豊国神社」

広島県廿日市市、瀬戸内海に浮かぶ宮島に鎮座する「豊国神社(ほうこくじんじゃ)」は、安土桃山時代の天正15年 (1587年)に豊臣秀吉(とよとみひでよし)が毎月1度千部経を読誦するための仏堂として、臨済宗の僧侶・安国寺恵瓊(あんこくじえけい)に命じて建立させた堂宇が起源です。

 

その後、豊臣秀吉が急死してしまい工事が中止になったため建物は未完成で、現在でも天井はほとんど張られておらず、壁や畳もなく、どっしりとした太い柱と板張りの床が目立つ状態のまま現代に引き継がれています。

豊国神社_千畳閣_外観
外壁がなく、堂内は広々とした吹き抜け空間になっているのが印象的な仏堂です。

 

ただ、軒瓦に金箔が押してあったり、堂内が広々としていたりと、無事に建物が完成していれば、安土桃山時代を代表するような壮麗な建物になっていたのではないかと考えられています。江戸時代には、納涼の場や交流の場としても、活用されていたそうです。

 

857枚もの畳を敷けるほど広い本瓦葺きの堂宇は、宮島の中で最も大きな木造建築物としても有名で、「千畳閣(せんじょうかく)」の別名でも親しまれています。

豊国神社_千畳閣_内部
堂内の天井の至る所に、歴史を感じる額が飾られていました。

 

明治時代の神仏分離令によって、豊臣秀吉を祀る現在の「豊国神社」に変更されました。社名は、秀吉の神号である「豊国大明神」に由来しています。
千畳閣に安置されていた釈迦如来や文殊菩薩、普賢菩薩などの仏像は、同じ宮島島内にある厳島神社(いつくしまじんじゃ)に隣接する大願寺(だいがんじ)に遷されました。

 

大正7年(1918年)には、 秀吉に仕えた戦国武将の加藤清正(かとうきよまさ)も合祀されています。戦国時代に一農民から天下人へと異例の大出世を果たした豊臣秀吉や武将がひしめく戦国時代に華々しい活躍を遂げた加藤清正が御祭神なだけに、仕事運や人間関係の向上、幸運招来、良縁招来などのご利益がいただけると評判です。

 

豊国神社が建っているのは、厳島神社の北側の「塔の岡(とうのおか)」と呼ばれる高台で、境内からは厳島神社や瀬戸内海、宮島の霊峰・弥山などが織り成す景色を一望できます。
壁のない千畳閣は、爽やかな風が吹き抜ける開放的な空間で、板の間の端や縁側などに腰かけて、風景を眺めつつのんびりとできました。

豊国神社_千畳閣_景観
千畳閣の縁側からは、厳島神社や弥山、瀬戸内海などの宮島を象徴する風景を一望できました。

 

 

豊臣家紋と宮島しゃもじがデザインされた御朱印

豊国神社の御朱印は、千畳閣内の社務所でいただけます。御朱印の完成を待つ間に、堂内を見学したり、ひと休みしたりするのもおすすめです。

 

豊国神社の御朱印には、「奉拝」「豊国神社」「参拝日」の墨書きに加えて、「五七の桐紋」と「千畳閣」「宮島」の文字が書かれたしゃもじの朱印が押されているのが特徴です。中央に押印された五七の桐紋は、中央に7つ、左右に5つの配した桐の花と、3枚の桐の葉を組み合わせた桐紋であり、豊臣秀吉の家紋としても知られています。

豊国神社_御朱印
豊臣家との関係と宮島の特徴が表現された豊国神社の御朱印です。

 

中央の下部にデザインされた「しゃもじ」は、宮島を代表する特産品です。
宮島しゃもじは、厳島神社の弁財天が手にしている琵琶を象って作ったのが始まりとされていて、しゃもじでご飯をすくうことが「敵や幸せを召し取る(飯取る)」ことに通ずるとして、宮島ならではの縁起物として人気です。

 

 

 

 

宮島のシンボルタワー「五重塔」

豊国神社の見どころといえば、千畳閣の隣にそびえる高さ約27.6mの五重塔です。
朱塗りの柱や桧皮葺の屋根が特徴的な五重塔は、室町時代の応永14年(1407年)築と伝わっていて、室町時代の建築様式をよく表しているとされます。建設から600年以上を経た今もなお、昔と変わらず宮島を見守るようにどっしりと建っていて、宮島のシンボルタワーとして親しまれています。

豊国神社_五重塔
色鮮やかな五重塔と大きなソテツの木が織り成すコントラストに目を奪われました。

 

豊国神社は、ユネスコの世界文化遺産に登録されている厳島神社の末社です。
豊国神社境内の建造物は歴史的な価値が非常に高く、千畳閣は明治43年(1910年)に、五重塔は明治33年(1900年)に、それぞれ国の重要文化財に指定され、さらに平成8年(1996年)には、千畳閣と五重塔が世界文化遺産「厳島神社」の構成資産にも登録されています。
厳島神社を参拝される際には、ぜひあわせて訪れていただきたい神社です。

 

 

豊国神社の、宮島島内最大の木造建造物である千畳閣や、宮島のシンボルタワーになっている五重塔は、一見の価値があります。世界的な人気観光地になっている厳島神社から徒歩圏内ですので、宮島を訪れた際には豊国神社にも立ち寄って、参拝の証に宮島らしさが表現された御朱印もいただいてみてください。

 

※同じ宮島島内にある厳島神社、大聖院、大願寺に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

 

【御朱印情報】安芸の宮島にある世界遺産の広島県「厳島神社」の御朱印

 

【御朱印情報】広島県「大聖院」の秀吉ゆかりの御朱印と秋の切り絵御朱印

 

【御朱印情報】広島県「大願寺」の日本三大弁財天「厳島辯財天」の御朱印

 

 

 

 

ライター:neko
学芸員の資格を持つWebライター。九州を中心に全国の寺社仏閣に出掛け、御朱印を集めるのが趣味です。今までにいただいた御朱印は、御朱印帳5冊ほどになりました。

 

 

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