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【御朱印情報】茨城県「大洗磯前神社」の神話「因幡の白兎」と神域「神磯の鳥居」がモチーフの御朱印

茨城県大洗町にある「大洗磯前神社」は、太平洋を望むようにたつロケーションが有名な古社です。一種類のみのこだわりの御朱印には、神話「因幡の白兎」や神域「神磯の鳥居」の日の出の様子が表現され、御神徳を大いに授けられたことを実感できます。

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太平洋が目前の丘の上に鎮座する「大洗磯前神社」

茨城県大洗町にある「大洗磯前神社(おおあらいいそさきじんじゃ)」は、海岸目前の丘上に鎮座する、平安時代から続く古社です。

 

御祭神は「大己貴命(おおなむちのみこと)」と「少彦名命(すくなひこなのみこと)」で、二神は力をあわせ、日本国の礎を創り上げたとされています。
大己貴命は福を頒つ大国様と同一視されていて、医療の神としてもあつく信仰されています。少彦名命は温泉の神、医療祖神とされ病から人々を護る神です。

 

創建時の歴史書「日本文徳天皇実録」によると、平安時代の斉衡3年(856年)12月29日に大己貴命と少彦名命がご降臨され、「国を創り終え東の海に渡ったが、人々を救うためこの地に戻ってきた」と仰られ、大洗磯前神社を建立したと記載されています。
同時期には、現在の茨城県ひたちなか市に「酒列磯前神社(さかつらいそさきじんじゃ)」が建立され、二つの神社は兄弟神社とされています。天安元年(857年)には、大洗磯前神社は朝廷から官社とされ、10月15日には「大洗磯前薬師菩薩明神(おおあらいいそさきやくしぼさつみょうじん)」の号を賜り、医薬の神として現代まで信仰されてきました。
※酒列磯前神社に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

 

【御朱印情報】茨城県「酒列磯前神社」の境内や祭事の情景が描かれる多種多彩なアート御朱印

 

太平洋を望む丘の上に鎮座する大洗磯前神社の表参道は、およそ90段の石段があり、名所のひとつになっていますが、のぼるのに少々苦労します。自家用車でアクセスする際には、丘の上の社殿の近くに広い無料駐車場があるのでのぼり坂の心配はありませんが、祭事など参拝者が多いときには満車になることもしばしばなので、注意が必要です。

大洗磯前神社_隋神門_太平洋
神域を守る随神様が安置されている隋神門からは、太平洋を望むことができます。

 

 

神話「因幡の白兎」と神域「神磯の鳥居」がモチーフの御朱印

昨今は、ひとつの寺社で、多種多様なデザインの御朱印を用意したり、季節や祭事などにあわせて期間限定のアート御朱印などを授与する寺社が増えてきましたが、大洗磯前神社では一種類のみの御朱印にこだわっているそうです。また、御朱印は参拝の証であることを重視し、台紙での授与ではなく、御朱印帳への記帳をすすめられます。

 

こだわりの大洗磯前神社の御朱印は、「奉拝」「大洗磯前神社」「参拝日」が墨書きされ、「大洗磯前神社」の朱印がおされるシンプルなデザインで、初穂料は500円でした。

大洗磯前神社_御朱印
大洗磯前神社のシンプルなデザインの御朱印の中で、一際目を惹くのが、白兎と海に立つ鳥居が描かれた朱印です。

 

白兎と鳥居が描かれた朱印は、御祭神・大己貴命と関係深い神話「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」と大洗磯前神社のシンボル「神磯(かみいそ)の鳥居」をモチーフにしています。

 

神話「因幡の白兎」で、兎は因幡の国に渡りたいがために鰐(わに)を騙し、そのことに気づき怒った鰐に皮を剥がされてしまいました。兎が苦しんでいたところに大己貴命が通りかかり、真水で体を浄め、蒲(がま)の穂の上で転がれば傷が癒えると助言し、無事に兎の毛が生えてきたといいます。この神話から大洗磯前神社は兎と縁深いとされ、御朱印同様、絵馬などデザインにも兎のモチーフが使われています。

 

「神磯の鳥居」は、大洗磯前神社のみならず大洗町のシンボルとしてたいへん有名な鳥居です。神磯は、御祭神が降臨した太平洋を望む岩礁のことで神域とされ、その場所に鳥居が建てられ、禁足地になっています。
毎年元旦には神職がこの磯に降り、一年の安寧を祈り「初日の出奉拝式」を執り行います。初日の出を拝むことできる大洗磯前神社は、初日の出の名スポットとしても人気があり、朱印にも太陽が描かれています。

 

徳川國光が神磯の景色を讃え、「あらいその岩にくだけて散る月を 一つになしてかへる浪かな」という歌をのこしているように、昔から名勝としても知られています。

 

兎の傷を癒した神話と御祭神が降臨した神域が描かれた朱印がおされる御朱印から、大洗磯前神社に参拝し御神徳を大いに授けられたことが実感できるように思います。

大洗磯前神社_神磯の鳥居
朱印に描かれている神磯の鳥居に日が昇ってくる様子は神秘的で、時間帯や季節によって全く異なる雰囲気になり、何度も訪れたくなる魅力のある地です。

 

 

 

 

徳川光圀の命により建立された貴重な建築物

大洗磯前神社の本殿・拝殿・随神門などの主要な建築物は、水戸藩二代藩主・徳川光圀(とくがわみつくに)の命により建立されたと伝わっていて、茨城県内における貴重な史跡としても大切にされています。

大洗磯前神社_社殿
正面の赤い門が目を惹く拝殿は、江戸時代初期に完成した希少な建築物で、茨城県の文化財に指定されています。
大洗磯前神社_本殿
本殿は、拝殿横の道を奥に進んだ先で拝観でき、塀越しではありますが、彫刻のみに施された色彩や茅葺屋根の滑らかな造形が印象的です。

 

太平洋の絶景が有名な大洗磯前神社ですが、現存する建築物の数々も長い歴史がある希少なものなので、じっくりと拝観してみると地域で大切にされてきた足跡を感じられると思います。

 

 

大洗磯前神社は、地域の歴史と神話が息づく神社であり、御朱印にはその由縁が凝縮されています。拝受した御朱印を見返すと、御祭神降臨の神磯や神話にまつわる御神徳、太平洋の潮風が思い起こされます。大洗磯前神社を参拝した際には、神磯の鳥居も巡って神秘的な雰囲気にひたり、ぜひご自身の御朱印帳を持参して、こだわりの御朱印をいただいてみてください。

 

 

 

 

ライター:おみき
日本の伝統文化や食文化に傾倒するライター。日本茶スペシャリストとしても活動しています。小学生から社会人に至るまで巫女を経験し、神社の境内が心の拠り所です。北関東を中心に全国の神社仏閣を巡り御朱印を集めており、皆様と御朱印巡りの楽しさを共有できましたら幸いです。

 

 

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