- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
徳島県阿南市にある「お松大権現」は、全国的にも珍しい猫を祀る神社で、必勝祈願の神様として信仰されています。猫の社紋入りの御朱印が特徴的で、2月22日の「猫の日」には限定の特別な御朱印が授与されることがあります。
スポンサーリンク
徳島県阿南市にある「お松大権現(おまつだいごんげん)」は「猫神さん」と呼ばれて親しまれ、有馬・鍋島と並んで「日本三大怪猫伝説」が残る神社です。御祭神は、人間の女性「お松さん」と飼い猫の「三毛」が祀られています。
神社に伝わる話では、江戸時代前期の貞享年間(1684年~1688年)に現在の阿南市加茂町にあたる加茂村で、不作の村を救うために庄屋が土地を担保にして富豪から借金をしました。不作の苦境を乗り越えた後に借金はすべて返済したにもかかわらず、富豪は庄屋に借金の証文を返さなかったため、「借金を返済していない」という濡れ衣を着せられてしまいました。奉行に訴えるも聞き入れられず、担保の土地も取り上げられてしまい、庄屋は失意のなかで病死します。
庄屋の妻の「お松」という女性も富豪や奉行に何度も抗議しましたが状況は変わらず、夫の無実を晴らすために死罪を覚悟のうえで藩主に直訴をしました。直訴によって改めて藩による取り調べが行われ、お松さんの夫の無実は証明されましたが、お松さんは貞享3年(1686年)3月15日に処刑されてしまいます。
処刑の前、お松さんはわが子のようにかわいがっていた飼い猫の三毛に遺恨を伝えたため、猫が化け猫となって富豪や奉行を祟り、主人の無念を晴らしたといわれています。
お松さんは直訴によって罪人として処刑されたため、藩政時代は大々的に祀ることができなかったので、墓標の代わりに村人が植えたというイヌマキの木が現在の境内にも残っています。葬儀に関わった太龍寺の僧侶から「義理大権現」という崇号も授けられていて、ひそかに供養されてきました。
命がけの訴えにより夫の無実を勝ち取ったため、お松さんは試験や訴訟など勝負事の神として信仰され、とくに受験シーズンには多くの受験生が参拝に訪れています。
お松大権現では猫を祀っているため、狛猫をはじめ境内のいたるところに猫のオブジェがあり、猫好きな人に人気があります。
真っ赤な外観が印象的な本殿にはたくさんの招き猫が奉納されています。扉にはお松大権現の社紋である香箱座りをした猫の紋が彫られています。この社紋は御朱印にも押されているので、後ほどご紹介します。
本殿以外にも境内には招き猫がたくさん奉納されています。お松大権現には願掛けの際、神社で招き猫を1体お借りして自宅に祀り、願いが叶ったら新しい招き猫と一緒にお返しするという風習があります。そのため、境内には今まで参拝者の願いごとを叶えてきた1万体を超える大小さまざまな招き猫が奉納されていて、圧巻の光景が広がります。
お松大権現でいただける御朱印は伝統的なスタイルで、社紋の香箱座りをした猫の印が印象的です。印は他に「日本一社」「阿波國那賀郡加茂村」「離楓妙散」「於松権現」の4つが押され、2つ並んだ猫の足跡もかわいいです。文字は「奉拝」「お松大権現」と日付です。基本的には直書きしていただけますが、宮司さんが不在の場合は書置きとなります。
印にある「離楓妙散」はお松さんの法名「春徳院離楓妙散」を元にしたものです。境内にあるご神木「お松大権現のイヌマキ」の下にはお松さんの供養塔が建てられていて、こちらにも「離楓妙散」と刻まれています。
2月22日は猫の鳴き声を「ニャン(2)、ニャン(2)、ニャン(2)」と読む語呂合わせから「猫の日」に設定されていて、お松大権現では2月22日にいつもと違う御朱印がいただける場合があり、毎年デザインが微妙に異なります。
私が以前いただいた猫の日御朱印は2種類のデザインがあり、ひとつは「於松権現」の印で、文字は「ねこの日に猫神さんへ」となっていて、もうひとつはお松さんの法名である「離楓妙散」の印で、文字は「猫の日」となっています。他の印は通常の御朱印と同じですが、それぞれワンポイントで猫や「お松権現」という特別なものが押されています。
猫の日はいつもより参拝者が多いためか、直書きではなく書置きでの対応でした。
お松大権現はSNSなどの情報発信はされていないので、猫の日の特別御朱印が頒布されるかどうかは当日参拝してみないとわからないので、ある意味希少性が非常に高い御朱印です。
お松大権現は「阿波の化け猫伝説」ゆかりの神社で、御祭神にまつわる猫の御朱印がいただけます。境内には招き猫や猫のオブジェがいっぱいなので、猫好きな人はぜひ一度は訪れて、参拝の記念に猫の御朱印を授かってください。
※猫をテーマに話題になっている徳島県・王子神社、東京都・今戸神社、山口県・雲林寺に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】徳島県「王子神社」の猫がいっぱいの癒しの御朱印
【御朱印情報】東京都「今戸神社」の「招き猫発祥の地」の御朱印
【御朱印情報】山口県「雲林寺(ネコ寺)」のかわいい猫モチーフの季節限定御朱印
ライター:kanakana
神社仏閣・御朱印ブロガー。徳島県を中心に四国や淡路島で神社仏閣巡りを楽しむ御朱印ガールで、年間300体以上の御朱印を拝受しています。御朱印を通じて神社仏閣の魅力をご紹介します。
スポンサーリンク
山口県下関市にある住吉神社は、「日本三大住吉」「長門国一宮」として長く親しまれる古社です。達筆な伝統的なデザインの御朱印のほかにも、本殿にある四季をテーマにした板戸絵を表現した時季限定の御朱印が授与されています。
岐阜県岐阜市の「伊奈波神社」は、戦国時代に活躍した斎藤道三と織田信長にゆかりがある神社です。皇室ゆかりの菊紋と織田信長ゆかりの五七桐の朱印が共におされる珍しい御朱印をいただくことができます。
コンパクトで持ち運びに便利な御朱印帳が欲しいと思い、オーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」をセミオーダーしてみました。自分だけのオリジナル御朱印帳をオンラインショップで簡単に注文できましたので、ぜひ参考にしてください。
福岡県福津市にある「宮地嶽神社」は、毎年2月と10月にだけ見ることができる幻の絶景「光の道」で知られています。初詣の参拝者数は福岡県内屈指の多さで、季節の祭事や四季折々の花などにちなんだ多種の限定御朱印も人気です。