- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
東京都台東区にある浅草「鷲神社」は、「酉の市」が日本最大級といわれており、毎年11月に年の瀬を彩る季節の風物詩として大勢の参拝者が訪れます。酉の市限定の御朱印など、個性豊かな複数種類の御朱印をご紹介します。
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東京都台東区の浅草、浅草寺(せんそうじ)があり多くの観光客でにぎわう浅草の中心エリアから1.5kmほど北西にあるのが「鷲神社(おおとりじんじゃ)」です。江戸時代以前よりこの地にまつられ、江戸時代の社号は「鷲大名神社」で、「大」は敬意、「明神」は神を奉る号です。江戸時代から「鳥の社(とりのやしろ)」また「御鳥(おとり)」と呼ばれており、現在も一般には「おとりさま」として親しまれています。
御祭神は、鷲大名神こと「天日鷲命(あめのひわしのみこと)」と「日本武尊(やまとたけるのみこと)」です。
天日鷲命は、天照大御神が天之岩戸にお隠れになり、天宇受売命が岩戸の前で舞われた折、弦という楽器を司った神様がおられ、天手力男命が天之岩戸をお開きになった時、その弦の先に鷲がとまったので、神様達は世を明るくする瑞象を現した鳥だとお喜びになり、以後、この神様は鷲の一字を入れて鷲大明神、天日鷲命と称されるようになったことに由来します。
天日鷲命は、諸国の土地を開き、開運、殖産、商賣繁昌に御神徳の高い神様としてこの地にお祀りされました。
また、後に日本武尊が東夷征討の時、鷲大名神社に立ち寄られ、戦勝を祈願し、志を遂げての帰途、社前の松に武具の「熊手」をかけて勝ち戦を祝い、お礼参りをされました。その日が11月酉(とり)の日であったので、この日を鷲神社例祭日と定めたのが「酉の祭」即ち「酉の市(とりのいち)」です。この故事により日本武尊が併せ祭られ、祭神の一柱となったそうです。
鷲神社の酉の市は、江戸時代の宝暦・明和年間(1750~60年)にはすでに相当な賑わいであったことが伝わっていて、その時点ですでに長い歴史を持つ神祭で、年中行事として親しまれていました。酉の市が賑わう様子は、多くの浮世絵にも残されており、俳句の冬の季語にもなっています。樋口一葉の「たけくらべ」にも描かれており、境内には石碑もあります。例祭は大正12年(1923年)の関東大震災にみまわれた年も、それ以後の戦時中や終戦の年も挙行され、たくさん参拝者を集めました。
11月の酉の日の午前0時に打ち鳴らされる「一番太鼓」を合図に始まり、終日お祭が執り行われます。11月の1回目の酉の日は「一の酉」、2回目は「二の酉」、3回目は「三の酉」といわれ、それぞれの日に祭事が実施されます。
以前は「酉の祭(とりのまち)」と呼ばれていましたが、祭りに市がたち、次第に市の文字があてらるようになり「酉の市」の呼び名が定着していきました。御神恩に感謝して、来る年の開運、授福、殖産、除災、商売繁昌をお祈りするお祭です。
酉の市の名物といえば「縁起熊手(えんぎくまで)」です。開運・商売繫盛・家内安全・心願成就・無病息災・疫病退散の飾りとして人気があります。色々な種類があり、時代とともに色も形も飾り物も変化してきました。昔は柄の長い実用品の熊手におかめの面と四手をつけたものでしたが、時が経つにつれ賑やかで華やかになっていきました。
現在は宝船、平、桧扇、文化、みの、御所車などいろいろな縁起物が飾り付けられるようになっています。毎年の流行を取り入れた熊手も話題になります。熊手を作るお店によると、昔の伝統を守りながら、新しいデザインを追求し取り入れているそうです。値段も千円前後から数十万円と様々で、好みのお店を決めて、はじめは小さめの熊手を購入し、毎年少しずつ大きくしていくといった楽しみもあるようです。
また、小さな熊手にたわわに実る稲穂をつけた「熊手守り」も授与されていて、「かっこめ」「はっこめ」とも呼ばれています。福運や財をかき込む、はき込むという語呂合わせが由来です。
「子をふやし」「頭になる」という縁起物の「頭の芋(とうのいも)」や、捨てるところがなく全てが利用できる(有益である)との縁起から商われてきた「切山椒」など、酉の市ならではの名物もあります。
酉の市期間中は、毎年日本各地から大勢の参拝者・観光客が訪れ、たいへん賑わいます。駐車場、駐輪場はありませんので、公共交通機関を利用してお参りください。
鷲神社では、通常いただける御朱印に加えて、季節と祭事に応じた限定の御朱印など、趣向を凝らした御朱印を拝受することができます。
通常の御朱印は2種類で、「鷲神社」と「浅草名所七福神・寿老人」で、参道にある神楽殿の1階の授与所で初穂料500円でいただくことができます。
浅草エリアには「九は数のきわみ、一は変じて七、七変じて九と為す。九は鳩でありあつまる意味をもち、また、天地の至数、易では陽を表す」という古事に由来し、浅草の9社寺に祀られている七福神を巡拝する「浅草名所七福神(あさくさなどころしちふくじん)」があり、鷲神社には寿老人が祀られており、寿老人の御朱印をいただくことができます。寿老人は、人々の理想とする齢の重ね方をしていることから、この神様にあやかれば、大きな病気もせず、日々健康に暮らせ、不老長寿を授かることができるといわれています。
酉の市の開催日限定でいただける御朱印もあります。酉の市当日の午前0時から24時まで拝受することができ、初穂料は500円です。
初酉の日は「一之酉」、2回目の酉の日には「二之酉」、3回目の酉の日には「三之酉」と記されてものが授与されます。ちなみに酉の日というのは、毎日に十干十二支を当てて定める日付け法で、酉に当たる日の巡り合わせにより、11月の酉の日は2回の年と3回の年があります。
酉の市の限定御朱印は、以前は7名で直書きで対応されていたようですが、とても人気が出て、書入れが追いつかず、書き置きに変更されたそうです。そのため、酉の市の特別な御朱印を授与したいとの想いから、書き置きを開始した酉年の御朱印の地色を金色にして、他の年は他の色に区分けしているそうです。ですので、数年後の酉年の御朱印は、地色が金色になる予定だそうです。
絵柄は、鷲神社内にある絵の中から選んだ日本武尊のもので、凛々しいお姿を拝見し、こちらの身も引き締まる想いがしました。
季節限定の御朱印や、御朱印を書き入れている様子の動画などが、公式インスタグラムで情報発信されていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
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趣向を凝らし、特別感のある鷲神社の御朱印が今後も楽しみです。
鷲神社で長く受け継がれている有名なものとして「なでおかめ」があります。
おかめは「天宇津女命(アメノウズメノミコト)」のこととされ、福が多く幸せを招くことから「お多福(おたふく)」とも呼ばれ、縁起の良い女性の象徴として、江戸時代の頃から縁起熊手にも飾り付けられているそうです。
なでおかめは、おかめの顔をかたどった大きな木像をなでることができるもので、顔のなでる場所によって、異なるご利益を授かることができると伝えられています。
おでこをなでれば賢くなり、目をなでれば先見の明が効き、鼻をなでれば金運がつく、向かって右の頬をなでれば恋愛成就、左の頬をなでれば健康に、口をなでれば災いを防ぎ、顎から時計回りになでれば物事が丸く収まる、そうです。
鷲神社には商売繁昌を祈願する参拝者が多いので、金運にご利益がある鼻が多くの人になでられているようです。最近は若い参拝者も増えていて、向かって右の頬の恋愛成就も人気だそうです。
なお、なでおかめは、平成27年(2015年)から酉の市期間中は混雑防止のため一般公開は中止されており、酉の市期間外で拝殿正面で公開されています。
11月に入ると、秋も深まり少しずつ年末年始の準備を始める頃です。
鷲神社の酉の市に行くと、提灯が並び、様々な色・形の縁起熊手を飾るお店が軒を連ね、大勢の参拝者の賑わっていて気分が高揚してきます。来年の開運・商売繫盛などそれぞれの想いを胸に縁起熊手を求める人と店主の威勢の良い掛け声。「お客様の商売繁盛、家内安全を願いましてー、よーっ、シャシャシャン、シャシャシャン、シシャシャシャシャンシャン!」そんな手拍子があちらこちらで聞こえてきます。散策するだけでこちらまで元気をいただけます。
江戸の情緒・風情を感じる酉の市。今年を振り返りながら、来年に想いを馳せ、良い年になりそうな希望を感じる、そんな時間を過ごすことができると思います。特別感がある酉の市限定御朱印もお見逃しなく。
※同じ浅草エリアにある浅草神社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、ぜひこちらもご覧ください。
【御朱印情報】東京都「浅草神社」の種類豊富な御朱印と「三社祭」
ライター:宮下真理子
世界を旅するWebライター。旅を通じて、豊かな自然に触れ、一期一会を大切に、その土地のきらりと光る魅力を発掘しています。観光名所の神社仏閣を訪ね、歴史をひも解きながら、御朱印をいただく旅も夫婦で楽しんでいます。
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