- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
京都府京都市西京区にある「鈴虫寺」は、鈴虫の鳴き声を1年中聞くことができ、鈴虫説法が有名な寺院です。鈴虫の音色を通して人々の幸せを願う想いがこめられた御朱印をいただくことができます。
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京都府京都市西京区の嵐山エリアにある「鈴虫寺(すずむしでら)」は、正式名称は「妙徳山華厳寺(みょうとくざんけごんじ)」という臨済宗の寺院です。寺内で約6,000匹もの鈴虫を飼育していて、通常であれば秋の季節だけの涼やかな鈴虫の鳴き声を、ここでは1年中聞けることから、鈴虫寺の愛称で親しまれています。
鈴虫寺は、江戸時代中期の享保8年(1723年)に、学僧の鳳潭(ほうたん)が華厳宗の復興のために最福寺の旧地に寺院を建立したのが起源とされています。創建当時は華厳宗の寺院でしたが、江戸時代末期の慶応4年(1868年)に慶厳が入寺したのを契機として、臨済宗に改宗されました。
境内には、手入れの行き届いた庭園やどっしりと建つ山門などの歴史を感じる見どころがたくさんあります。住宅街を抜け、石段を上った高台に位置していることから、東山や比叡山、京都市街地などを一望できる眺望の良さでも知られています。
鈴虫寺の御朱印は、中央の「妙音大士」と「鈴虫寺」「奉拝」「参拝日」の墨書き、右上に「妙音観世音菩薩」、左に鈴虫寺の正式名称である「華厳禅寺」の朱印が入っています。
中心に力強く書かれた「妙音大士」とは、「妙音」が非常に美しい音声を、「大士」が悟りを開くための修業中である菩薩の尊称を意味していて、「美しい声で世界に教えを広めるとされる仏様」のことを表しています。
鈴虫寺では、鈴虫のきれいな音色が響く書院で、住職による30分ほどの説法を聞くことができます。
私が参拝した時には、まず鈴虫に囲まれた書院に案内され、お茶とお菓子がふるまわれました。
その後の説法では、住職が寺院や鈴虫についてや参拝の仕方などを、時事ネタも交えながらユーモアたっぷりに話してくれました。堅苦しい雰囲気もなく、話に引き込まれ聞き入ったことが、印象に残っています。
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鈴虫で一躍有名になったのは、先代の台厳和尚が8代目の住職に就任してからだそうです。
台厳和尚が夜坐中に鈴虫の音色を聞いたことによって悟りを開眼したことをきっかけに、戦後の疲弊した人々も鈴虫の妙音で心を癒してもらいたいとの想いから、秋のみならず1年を通じて鈴虫の鳴き声を聞けるように鈴虫の飼育方法に関する研究を始めたのだとか。
その後、どのような気候でも秋の気温に近づけるべく温度管理に細心の注意を払うなど、28年もの年月を費やして研究を重ねた末に、鈴虫を1年中飼育することに成功したそうです。
御朱印にも、鈴虫を通して人々に幸せをもたらしたいという想いが込められていると思います。
鈴虫寺を訪れたら見逃せないのが、どんな願いごとも一つだけ叶えてくれる山門脇の「幸福地蔵菩薩」です。
道やお墓などで見かけることの多い、日本人にとって馴染み深い地蔵菩薩は、通常は裸足ですが、鈴虫寺の地蔵菩薩はたくさん歩けるようにとわらじを履いているのが大きな特徴で、日本唯一だといわれています。
客殿でいただける黄色の「幸福御守」を携えて地蔵菩薩に願いごとを念じることで、一人ひとりの願いを歩きながら叶えにきてくれると伝わっています。地蔵菩薩が迷子にならずに自分のもとに来てもらうためにも、お願いごとをする際には、心の中で自分の名前と住所を忘れずに伝えるようにしましょう。
無事に願いが叶った後には、地蔵菩薩にお礼を伝えるために再度鈴虫寺に参拝するのが習わしです。
幸福地蔵菩薩は、恋愛成就や縁結びなどのご利益が特に評判で、縁結びのご利益を目的に全国各地から参拝者が訪れています。
竹林や苔など豊かな自然に囲まれた鈴虫寺は、四季折々の風景を楽しめるスポットとしても人気ですが、特に秋の紅葉の時期がおすすめです。
例年11月下旬から12月上旬頃には、カエデなどの紅葉が満喫でき、私が訪れた11月末も見事な紅葉が広がっていました。色鮮やかな紅葉に囲まれた境内の中でも特に、山門や参道、庭園が赤く染まる様子は必見です。
京都の人気の観光エリア「嵐山」にたたずむ鈴虫寺は、1年中鈴虫の鳴き声を聞けることや鈴虫説法、四季折々の景観などが魅力の寺院です。嵐山観光に訪れた際には、ユニークな鈴虫説法を体験し、鈴虫を通して人々の幸せを願う想いがこめられた御朱印をいただいてみてください。
ライター:neko
学芸員の資格を持つWebライター。九州を中心に全国の寺社仏閣に出掛け、御朱印を集めるのが趣味です。今までにいただいた御朱印は、御朱印帳5冊ほどになりました。
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