【御朱印情報】岡山県「玉井宮東照宮」の「龍神」のご加護をいただけるオリジナリティ溢れる御朱印

岡山県岡山市中区にある「玉井宮東照宮」は、古代創建の玉井宮と、江戸時代創建の備前東照宮が合祀された、岡山市街の発展に重要な役割を果たした神社です。オリジナリティ溢れる多種多彩な御朱印には、御祭神の「龍神」のご加護が込められています。

玉井宮と備前東照宮が合祀された「玉井宮東照宮」

岡山県岡山市中区の東山丘陵にある「玉井宮東照宮(たまいぐうとうしょうぐう)」は、古代に創建された玉井宮と、江戸時代に当時の岡山藩主・池田光政(いけだみつまさ)が建立した備前東照宮(びぜんとうしょうぐう)が合祀された、歴史的重層性をもつ神社です。

前身の玉井宮は大宝3年(703年)に児島半島の光明崎へ創建されたとされ、平安時代の応徳2年(1085年)に御幣が飛来したという神託により、現在の東山の地へ遷座したと伝わっています
この古社に対し、江戸時代初期の正保2年(1645年)に当時の岡山藩主・池田光政が江戸幕府初代将軍・徳川家康(とくがわいえやす)を祀る東照宮を勧請し、幕府への忠誠と藩政の安定を象徴する重要な社殿として大造営を進めました。総大工に幕府作事方を招き、壮麗な本殿・随神門・参道などが整えられました。

明治14年(1881年)には神社制度改革により玉井宮と東照宮が合祀され、社名を玉井宮東照宮と改称し、県社に列せられました。明治33年(1900年)に境内整備が進み社殿が再配置されましたが、昭和20年(1945年)の岡山空襲で拝殿などが被災し、さらに昭和64年(1989年)の火災でも建物が焼失しています。しかし、本殿や随身門など江戸期の主要建造物は残り、岡山県の重要文化財に指定され、大切に受け継がれています。

御祭神は、古来の海・水の神である豊玉比売命(とよたまひめのみこと)、彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)、玉依比売命(たまよりひめのみこと)の3柱に加え、江戸時代に勧請された東照大権現(とうしょうだいごんげん、徳川家康の神格)を祀っています。
玉井宮の元々の創建地が岡山での海路で非常に重要な場所であり、御祭神の御神徳もあり、海運・交通安全のご利益で信仰をあつめ、東照大権現は岡山城とその城下町、ならびに政の鎮護として崇敬されてきました。
また、江戸時代後期に公家・高松中納言季実(たかまつちゅうなごんすえざね)の取次ぎにより、皇后安産の祈願を行い、当時の祠官・佐々木左兵衛介が上京参内しお守り札を献上して、高松中納言季実から「大君の御子のいのりの功績を雲井に高くきこえあげたり」という和歌が下されたことから、安産のご利益でも有名になりました。

玉井宮東照宮は、古代の海神信仰、江戸幕府の権威、近代の国家神道、戦災と復興といった多様な歴史を体現する神社として、地域の文化史に欠かせない存在となっています。

「龍神」のご加護をいただけるオリジナリティ溢れる御朱印

玉井宮東照宮では、拝殿前の社務所で複数種類の御朱印が授与されています。

私が玉井宮東照宮を訪れた令和7年(2025年)10月には秋季大祭「龍神祭」の開催にあわせた期間限定の御朱印が授与されていたので、この御朱印を拝受しました。「奉拝」「玉井宮東照宮」「乙巳」「神無月廿四日」の墨書きに、「金龍」「白龍」の特別印、「秋季大祭 龍神祭」のスタンプ、「神社印」の朱印がおされるデザインで、持参した御朱印帳に神職さんが丁寧に直書きしてくださり、初穂料は500円でした。
私が参拝した際には社務所の対応は神職さんおひとりでされていて、ちょうど拝殿で祈祷対応をされていたので、それが終わって御朱印に対応いただくまで少し待ち時間がありました。御朱印拝受希望の場合は、時間に余裕をもって訪れた方がよさそうです。

玉井宮東照宮の「龍神祭」は、毎年10月の第四土日に開催される秋季大祭で、御祭神の豊玉比売命と玉依比売命が海・水を司る龍神と考えられていることから、この二柱を称え1年の五穀豊穣と家内安全を祈念します。和太鼓や獅子舞、神楽などが恒例行事になっていて、キッチンカーも出店するなど、境内がにぎやかに彩られます。

この御朱印に特別印がおされる金龍と白龍はそれぞれ、境内の本殿両脇に祀られていて、豊玉比売命と玉依比売命に仕えているとされています。金龍は特に金運・事業運・方除け、白龍は厄除・交通安全・病気平癒のご利益があるといわれています。
龍神祭の期間限定御朱印には、豊玉比売命と玉依比売命、金龍と白龍の強い御神徳が込められているように感じます。

私が今回いただいた御朱印は、株式会社四国遍路が制作・販売しているオーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」に書いていただきました。
本紙は、高知県で伝統的に受け継がれている「土佐和紙」の中でも、現地で栽培・収穫された楮(こうぞ)という植物原料を使い、伝統的な製法で職人さんが1枚1枚手漉きした「土佐手漉和紙」です。神職さんが丁寧に書き入れてくださった独特の書体の墨書きや、煌びやかな特別印をしっかりと受け止め、浮き出るように鮮やかに表現されているように感じます。「乙巳」「神無月」「廿」の日付の記載が古来の表現で、書体や特別印を組み合わさることで、特徴的な御朱印に仕上がっていて、それが千年帳に書き入れられることでより特別感が増し、大切な思い出として刻まれました。
※千年帳の本紙に関しては、以下リンクで詳しく紹介されていますので、ご参照ください。

千年帳とは：本紙

玉井宮東照宮では、通年で授与されている基本の御朱印や今回ご紹介した龍神祭の限定御朱印のような月替わりの限定特別デザインの御朱印など、御朱印帳に直書きしていただける複数種類の御朱印のほか、限定のアート御朱印など多種多彩な御朱印が授与されていますので、参拝の際にはどのような御朱印が授与されているかチェックして、お気に入りの御朱印を見つけてみてください。

バイク愛好家に人気の「御刻印」

玉井宮東照宮は、バイク愛好家の参拝を歓迎する新しい取り組みをされています。
道中安全祈願をしたり、ツーリング途中で休憩をしたりできる「ツーリングオアシス」に登録されていて、同じような取り組みをしている全国各地のいくつかの神社では、革製のお守りにそれぞれの神社オリジナルの刻印をおす「御刻印(ごこくいん)」が人気になっているそうです。

玉井宮東照宮は、いろいろな参拝者を歓迎する開かれた神社で、高台の開放的な環境も相まって、気持ち良く参拝することができました。

玉井宮東照宮は、古来の海・水の神として崇められる龍神と、江戸幕府初代将軍・徳川家康をあわせて祀る珍しい形態の神社で、岡山の発展に大きな役割を果たしてきました。神職さんが丁寧に書き入れてくださる御朱印は、オリジナリティに溢れ、限定デザインも豊富にあるので、特別感があります。高台の気持ち良い境内の景観を堪能し、龍神のご加護をいただける御朱印をいただいて、特別な思い出をぜひつくってみてください。

※岡山県岡山市で御朱印が人気の神社・寺院が、以下リンクの記事でまとめて紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

【御朱印情報】岡山県岡山市で御朱印が人気の神社・寺院5選

※日本三大東照宮に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

【御朱印情報】「日本三大東照宮」でいただける御朱印

ライター：千年帳編集部
オーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」の商品詳細情報や魅力、こだわりなどを発信しています。千年帳を携えて寺社を参拝し、実際に拝受した御朱印の情報など、御朱印巡り好きの人のためのお役立ち情報もお届けします。