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【御朱印情報】山口県「今八幡宮」の山口総鎮守と木戸孝允ゆかりの御朱印

山口県山口市にある「今八幡宮」は、山口総鎮守と称され、山口の文化を築いた大内氏と関係が深い神社です。戦乱の世で重要な役割を果たした歴史を感じる御朱印とともに、山口が輩出した偉人・木戸孝允ゆかりの御朱印もいただけます。

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大内氏と関係が深い「今八幡宮」

山口県山口市にある「今八幡宮 (いまはちまんぐう)」は、他の八幡宮と同様に、応神天皇、仲哀天皇、神功皇后などをご祭神として祀る神社です。

 

今八幡宮のはっきりとした創建年代はわからないものの、南北朝時代の1360年に大内弘世(おおうちひろよ)が入国した前には建っていたと考えられています。室町時代の文明3年(1471年)に大内政弘(おおうちまさひろ)が、大内氏の居館(大内館)の北東の鬼門除けにあたる守護であり産土神であることから、現在の山口市内にあった朝倉八幡宮を合祀して、山口の総氏神を意味する「山口総鎮守」とし、歴代大内当主にあつく保護されました。文亀3年(1503年)に大内義興(おおうちよしおき)が社殿を立て替えたという記録ものこっています。大内氏滅亡後も毛利氏に尊崇されました。

今八幡宮_社名石碑
神社の入り口近くには、歴史の重みを感じさせる社名の大きな石碑がたっています。

 

拝殿や本殿などの社殿は、室町時代の特徴的な神社建築様式を受け継いでいて、本殿、拝殿、楼門は国の重要文化財にも指定されています。
幕末には、「八幡隊」と呼ばれる長州藩諸隊が詰める屯所とされ、長州征討などで活躍した志士たちが夜な夜な密談を重ねた地としても歴史に名を残しています。

今八幡宮_拝殿
拝殿は「楼拝殿造」という珍しい建築様式で、山口独自のものとされています。
今八幡宮_鳥居
私が参拝したのは節分のタイミングで、提灯など節分飾りが目を引きました。

 

 

山口総鎮守の御朱印

山口総鎮守として親しまれている今八幡宮では、シンプルなデザインの伝統的な御朱印をいただくことができます。

 

今八幡宮の御朱印には、「参拝」「今八幡宮」「参拝日」の墨書きと、「三つ巴紋(みつどもえもん)」「山口総鎮守」「社名」の朱印が入っています。初穂料は300円でした。

今八幡宮_御朱印
シンプルながらも力強い文字が歴史の重みを感じる今八幡宮の御朱印です。

 

右上に押された今八幡宮の神紋である「三つ巴紋」は、勾玉にも似た巴紋を3つ配した日本の伝統的な紋であり、武神である八幡神の神紋としても用いられます。
山口を守る「山口総鎮守」の朱印が御朱印にもおされ、歴代藩主との深い関係や、戦乱の世で重要な役割を果たしてきた歴史を感じる御朱印でもあると思います。

 

 

 

 

山口が輩出した偉人「木戸孝允」ゆかりの御朱印

今八幡宮は、近隣の神社の社務も兼務していて、今八幡宮の社務所で今八幡宮の御朱印のほかに、「八坂神社」「築山神社」「木戸神社」の御朱印もいただくことができ、今回私は木戸神社の御朱印を拝受しました。

 

木戸神社の御朱印は、「周防木戸神社山口」の印の上に「文武両道」「参拝日」の墨書きと「維新元勲 木戸孝允公奉祀」、「菊菱に対い葉紋(きくびしにむかいはもん)」が入っているのが特徴です。

木戸神社_御朱印
今八幡宮から西に約2.5kmのところにある木戸神社の御朱印もいただくことができます。

 

右側に「維新元勲 木戸孝允公奉祀」の印が押されていますが、「元勲(げんくん)」とは国家に対して大きな功績を残したことを意味する言葉であり、「明治維新や新政府の要職を歴任して国家に尽力した木戸孝允(きどたかよし)を祀っている」ことを意味しています。右上の「菊菱に対い葉紋」は、「木戸菊菱紋」をアレンジした紋であり、十六菊を菱形に描いた菊菱の左右に重なるよう2枚の菊の葉をデザインした木戸家ゆかりの家紋です。

神社名の印の上に神社名ではなく、勉学と武道の両方とも優れていることを意味する「文武両道」の達筆な文字が書かれているのが、木戸孝允を象徴していて、とても印象的にのこる御朱印です。

 

山口県は、伊藤博文や吉田松陰、山縣有朋など幕末や明治維新で活躍した長州藩の武士を輩出した地であり、幕末の志士ゆかりの歴史スポットがたくさんあります。今八幡宮から車で5分ほど、維新三傑の一人である木戸孝允(桂小五郎とも)を祀る「木戸神社」も幕末の歴史好きにはたまらないスポットのひとつです。

木戸神社
木戸神社は木戸公園内にひっそりとたたずんでいます。

 

 

世界的に注目される「西の京」

今八幡宮の周辺には、国宝の五重塔で知られる瑠璃光寺や、伊勢神宮から勧請した山口大神宮、雪舟が作庭した庭園で知られる常栄寺など、大内文化に触れられるスポットが点在しています。日本三大火祭りの1つに数えられる山口七夕ちょうちんまつりや、京都の祇園祭の形式を取り入れた山口祇園祭、わらび粉を用いる外郎(ういろう)や男女一対の大内人形など、大内氏ゆかりの祭りや名物もあります。
※同じ山口市にある伊勢神宮ゆかりの山口大神宮に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

 

【御朱印情報】山口県「山口大神宮」の「西のお伊勢さま」の伝統的な御朱印

 

大内氏が京都を模したまちづくりを進め基礎を築いた「大内文化」が現代にも息づく山口市は「西の京」としても知られ、アメリカのニューヨーク・タイムズ紙が発表した「2024年に行くべき52ヶ所」で、世界各地の人気観光地の中から3番目に選ばれ、魅力あふれる山口市は、世界で大注目の今こそ行きたい都市なのです。

常栄寺
雪舟の庭園でしられる常栄寺は、今八幡宮から東に約2kmほどのところにあります。

 

今八幡宮は、山口総鎮守として地元で愛される古社であり、大内氏や毛利氏といった歴代の藩主の信仰をあつめた歴史ある神社です。国の重要文化財に指定されている社殿も珍しい建築様式を現代に伝える貴重な史跡です。
山口市は世界的にも注目度の高い観光地ですので、山口観光の際にはぜひ今八幡宮や近隣の寺社に参拝し、記念に御朱印をいただいてみてください。

 

 

 

 

ライター:neko
学芸員の資格を持つWebライター。九州を中心に全国の寺社仏閣に出掛け、御朱印を集めるのが趣味です。今までにいただいた御朱印は、御朱印帳5冊ほどになりました。

 

 

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