
- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
宮崎県都農町にある「都農神社」は、「日向国一之宮」として古くから信仰をあつめてきた由緒ある神社です。日本神話にちなんだウサギとネズミの意匠が印象的な通常の御朱印のほか、奥宮である「瀧神社」や毎月デザインが変わる限定御朱印も授与されています。
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宮崎県都農町にある「都農神社(つのじんじゃ)」は、初代天皇として即位する前の神武天皇(じんむてんのう)が、東方へ戦いに向かう旅の途中にこの地に立ち寄り、国の平和や海の安全、そして武運長久を願って御祭神を祀ったのが始まりと伝わっています。古くから皇室のあつい崇敬を受け、平安時代には醍醐天皇(だいごてんのう)の命で編さんされた「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」にも記載されている、由緒ある神社です。
御祭神は、大国主命(おおくにぬしのみこと)として知られる大己貴命(おおなむちのみこと)です。多くの妃との間にたくさんの御子をもうけたことから、縁結びや子孫繁栄の神として信仰されるようになりました。また、医薬を広めたことから病気平癒の神ともされ、さらに少彦名命(すくなびこなのみこと)と協力して国造りを行ったことにより、商売繁盛の神としても親しまれています。
また、大国主命は一般的には大黒さまとして認知されています。「大国」が「大黒(だいこく)」とも読めることから大黒さまと呼ばれるようになった説や、インドの神・大黒天が中国を経て日本に伝わり、神仏習合により大国主命と結びつけられたことで同一視されるようになった説など諸説ありますが、どちらも繁栄や福徳をもたらす神としての共通点があることなどから、大黒さまとして人々から慕われるようになりました。
都農神社の境内には、商売繁盛などに一層のご利益をいただける「撫で大黒」と呼ばれる像が置かれており、撫でて祈願する参拝者の姿も見られます。
境内には、「願掛け太鼓」「厄払い弓神事」など、参拝の後も楽しみながら散策できる工夫がいくつも見られました。
都農神社の宮司さんは、あるインタビュー記事の中で「いろんな人々と助け合っていく神社にしたい。地元の子どもたちにも、神社での思い出をつくってほしい。」と語られています。その言葉にふれたあとで境内を歩くと、この神社が子どもから大人まで親しみやすく、地域の人々に大切にされている場所なのだということが、より深く感じられました。
都農神社の御朱印は、「奉拝」「日向国一之宮」「都農神社」「参拝日付」の墨書きに、「日向國一宮」「都農神社」「ウサギとネズミの姿」の朱印が押されるデザインです。御朱印帳に直書きしていただき、初穂料は500円でした。
「一之宮(いちのみや)」とは、その地域でもっとも社格が高い神社を表し、都農神社は日向国(ひゅうがのくに、現在の宮崎県)の一之宮として地域で重要な役割を果たしてきたことが御朱印にも記されています。
都農神社が日向国一之宮として地域で信仰をあつめてきたのは、前述の神武天皇由来の長く深い歴史的背景や、古代の日向国の主要な港が都農神社に近い現在の日向市美々津にあり、遠方から船で港に着いた人が都農神社に1番初めに参拝していたことなどが関係しているようです。
御朱印にかわいらしく描かれているウサギとネズミは、十二支の丑寅(鬼門)の方角を挟み込むように配置されていることから、鬼門封じ、また災難封じなどのご利益があるともいわれています。都農神社がかつての日向国の国府(こくふ、かつてのその国の行政の中心地)であった現在の西都市の鬼門の方角に立地していることから、国府を守護する意味もあったと考えられます。
また、都農神社のウサギは大己貴命が怪我をしたウサギを助けた「因幡の白兎」の神話に由来し、ネズミは大己貴命が火攻めに遭った際、1匹のネズミの導きによって地中に逃れ、命を救われたという神話にちなんだものです。都農神社では、ウサギとネズミという二つの動物が、それぞれ神話と深く結びつき、御祭神にゆかりのある存在として親しまれています。都農神社の境内には、「撫でウサギ」が安置されていたり、本殿に大己貴命を守る存在としてネズミの彫刻が施されているなど、ウサギとネズミにまつわる意匠がいくつかありますので、参拝の際にはぜひ探してみてください。
都農神社では、季節の花々や社殿のたたずまい、祭事などをデザインに取り入れた「月限定御朱印」も授与されています。色鮮やかに描かれた御朱印を通じて、季節ごとの神社の風景にふれることができます。
令和7年(2025年)6月限定の御朱印は、本殿の線画を背景に鮮やかなあじさいの花が雨の中に映える様子が表現されていました。
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遠方のため参拝できない人は、神社の公式ホームページから申し込み、神事で使用される人形(ひとがた、参拝者の身代わり)を送ることで本人がお参りしたという形をとって、郵送で御朱印をいただくこともできるそうです。
都農神社から北に約2.5km、車で5分ほど離れた場所に、水の神様である高龗神(たかおかみのかみ)を御祭神とする都農神社奥宮「瀧神社(たきじんじゃ)」があります。
日本神話によると、伊邪那美命(いざなみのみこと)が火の神・迦具土神(かぐつちのかみ)を生んだときに命を落とし、その死を悼んだ伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が怒って迦具土神を斬ったとき、その剣の血から生まれた神々の一柱が高龗神とされています。
瀧神社の社殿の背後には大きな滝があり、近づいて見上げると、その神々しさに思わず息をのむほどでした。静かでありながら力強く流れる水の音は、いつまでも耳を傾けたくなるような、不思議な魅力に満ちていました。
瀧神社の御朱印も、都農神社の社務所でいただくことができます。
「奉拝」「瀧神社」「参拝日付」の墨書きに、「都農神社末社」「瀧神社」「奥宮」の朱印がおされるデザインで、御朱印帳に直書きしていただき、初穂料は500円でした。
瀧神社の創建について詳しいことはわかっていませんが、南北朝時代の明徳3年(1392年)に社殿を再建したという記録があり、大正15年(1926年)に都農神社の末社に指定されています。
都農神社から少し離れた場所にある小さな神社ですが、マイナスイオンたっぷりの癒される神社としても人気をあつめていますので、都農神社を参拝の際には瀧神社にもぜひ立ち寄って、御朱印も拝受することをおすすめします。
都農神社は、日向国一之宮として古くから地域で信仰され、境内には撫で大黒や撫でウサギ、ネズミの彫刻など、神話にちなんだ動物たちや、いたるところに参拝者が楽しめる工夫があり、親しみやすい雰囲気の神社です。また、水の神・高龗神を祀る奥宮・瀧神社は、滝と社殿が織りなす神秘的な景観が魅力です。参拝して神話にちなんだ御朱印をいただいたあとは、景色や雰囲気とともに境内の散策をぜひ楽しんでください。
※全国の一の宮に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】全国の有名な「一の宮」でいただける御朱印情報まとめ
ライター:nakamuraya
旅好きな観光ガイド・WEBライター。書くことと話すこと、両方の言葉の力で、日本の魅力を国内外の人々に伝える活動をしています。初めての一人旅で京都を訪れて以来、神社仏閣に興味を持ち、御朱印の奥深さにも惹かれました。日本の歴史や文化に深く関心を抱き、伝統や美しさを巡る旅を楽しんでいます。
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