- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
滋賀県大津市にある「唐崎神社」は、琵琶湖のほとりに立地し、女性の病を祓う御祭神・女別当命を祀る古社です。江戸時代に景勝地として名をはせた「近江八景 唐崎の夜雨」と記される女神とご縁を結ぶ御朱印をいただくことができます。
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滋賀県大津市にある「唐崎神社(からさきじんじゃ)」は、琵琶湖(びわこ)の西岸に鎮座する日吉大社(ひよしたいしゃ)の境外摂社です。
飛鳥時代の舒明天皇6年(633年)に、日吉大社の古代神職氏族「琴御館宇志丸(ことのみたちうしまる)」がこの地に居住し「唐崎」と名付けました。その後、日吉大社の西本宮創建するために大和國(やまとのくに、現在の奈良県)の三輪明神(みわみょうじん、現在の大神神社(おおみわじんじゃ))の大己貴神(おおなむちのかみ)を招いた際に降臨した聖地と伝わっています。
この時に奉仕した宇志丸の功績を称え、持統天皇11年(697年)に宇志丸の妻を「女別当命(わけすきひめのみこと)」として祀ったのが唐崎神社の始まりとされています。婦人病の平癒に特にご利益があると評判になり、「女別当神社(にょべっとうじんじゃ)」と呼ばれ、京の人々や公家の女性からあつい信仰をあつめたといわれています。
平安時代以降には、天皇や貴族の災厄を祓い清める「七瀬之祓(ななせのはらい)」を行う場所と定められ、この頃に日吉大社の摂社になったとされています。
時代が流れた現代においても、女性の参拝者が多く、婦人病平癒のご利益を願う人の姿がしばしば見られます。
※日吉大社、大神神社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】滋賀県「日吉大社」の比叡山の神の使い「神猿」が描かれる神聖な御朱印
【御朱印情報】「日本最古の神社」とされる奈良県「大神神社」の水墨画の御朱印


唐崎神社の社務所は、土曜日と日曜日のみの対応で、平日は閉まっているのでご注意ください。私は今回土曜日に参拝したので、社務所で御朱印を拝受しました。平日に御朱印を拝受する場合は、唐崎神社前にある寺田物産で対応していただけます。
唐崎神社の御朱印は、「唐崎神社」の朱印に、「近江八景 唐崎の夜雨(おうみはっけい からさきのやう)」「唐崎神社」「参拝日」が墨書きされるデザインで、持参した御朱印帳に直書きしていただき、初穂料は500円でした。

「近江八景」とは、江戸時代初期に選ばれた琵琶湖周辺の8つの名所のことです。そのうちのひとつ「唐崎の夜雨」は、唐崎神社の湖畔に立つ「唐崎の松」が夜の雨にすっぽりと覆われた様子のことで、江戸時代に活躍した浮世絵師・歌川広重(うたがわひろしげ)によってその情景が描かれ、素晴らしい景勝地であることが全国的に認知されるようになりました。
歌川広重は、「東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)」で知られる浮世絵の第一人者です。叙情的な雨や雪の表現に優れ、人々の旅情や風俗を繊細に描き出したことが特徴で、葛飾北斎(かつしかほくさい)と並ぶ浮世絵界のスーパースターとされ、現代においてはその作品が世界的な人気になっています。

この御朱印は、私がオーダーメイドの注文をした御朱印帳「千年帳」に書いていただきました。本紙は、職人さんが1枚1枚手漉きした高品質の土佐手漉和紙の中でも「楮紙(こうぞし)」という、和紙らしい表面感があり、あたたかみのある白色が特徴のものを選択しています。
細く安定した書体の墨書きは、濃淡が均一で滲みを抑えつつ上品に表現されていて、墨の染み込みが良く、書き手の力加減を素直に受け止めることができる土佐手漉和紙ならではの仕上がりだと思います。はらいが強調されながら控えめでバランスよく書き入れられた書体は、穢れを祓い清める女神の女性らしさが表現されているように感じました。
古来日本の神道に「人は死後に神になる」という思想があり、御祭神の女別当命は、日吉大社の祭祀を支える「別当」という役職を務め、土地を守る尊い役割を全うした功績が認められ神として崇められる存在となったとされ、この御朱印にも女別当命の御神徳が込められているように感じました。
※千年帳の本紙に関しては、以下リンクをご参照ください。
唐崎神社の前にある、平日に社務所の役割も果たしている「寺田物産」は、江戸時代から続く老舗団子屋で、「みたらし団子」が名物です。優しい味で、心と体を癒してくれるみたらし団子は、唐崎神社と琵琶湖の景観を堪能したあとの一休みにぴったりです。



唐崎神社は、日吉大社と縁が深く、穢れを祓い清める聖地として信仰される神社です。江戸時代に近江國屈指の景勝地として知られた「唐崎の夜雨」と記される御朱印は、女性の悩みに応える女神とご縁を結ぶことができると人気になっています。琵琶湖の美しい景観と深い歴史を味わいながら、心身を清め、旅の思い出として御朱印をぜひいただいてみてください。
ライター:竹内友章
知多半島のお寺が好きで、知多四国霊場を中心にいろいろな霊場を巡礼し、観光やご当地グルメ(特にラーメン)を楽しんでいます。御朱印集めも趣味で、知多半島のお寺の御朱印はもちろん、全国各地の御朱印をもらいに巡り、アート御朱印などは取り寄せたりもしています。
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