- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
静岡県静岡市駿河区にある「久能山東照宮」は、徳川家康の遺命によって埋葬された地にある東照宮創祀の神社です。徳川家康とのご縁の証となる伝統的でシンプルなデザインの御朱印と、静岡の歴史・文化・産業を反映したユニークなプラモデルランナー風御朱印をいただきました。
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静岡県静岡市駿河区にある「久能山東照宮(くのうざんとうしょうぐう)」は、駿河湾を見渡すことができる標高216mの久能山の山頂に境内を構え、江戸幕府を開いた戦国武将・徳川家康(とくがわいえやす)を東照大権現(とうしょうだいごんげん)として祀る神社です。
その起源は7世紀頃、秦氏の久能忠仁(くのうただひと)が久能山に補陀落山久能寺を建立したことに遡ります。平安末期から鎌倉初期には360坊、1500人の僧侶を擁する大寺院として栄えましたが、嘉禄年間(1225~1227年)の火災で焼失、その後の室町時代に今川氏真(いまがわうじまさ)が観音堂を再興しました。永禄11年(1568年)に武田信玄(たけだしんげん)が久能山に久能山城を築いたため、久能寺は現在の静岡市清水区へ移転しました。
徳川家康が駿河に進出後に久能山城を使用し、江戸時代に入って徳川家康が亡くなり元和2年(1616年)に久能山に埋葬されました。その翌年に東照社が建立され、正保2年(1645年)に東照宮と改称されました。
徳川家康の遺命によって遺骸が埋葬された久能山東照宮は、その後全国に広がっていく東照宮の創祀であり、特に江戸時代には全国に名を知られる聖地として崇められてきた歴史があります。
山上にある久能山東照宮へは、1159段もある石段を登る参道のアプローチが名所になっていますが、昭和32年(1957年)には久能山の北側の日本平から高低差120m、全長1,054mを5分でつなぐ日本平ロープウェイが整備されアクセスが便利になったことで、参拝者・観光客が増加しました。
近年では令和5年(2023年)のNHK大河ドラマ「どうする家康」で徳川家康が主人公となり、久能山が徳川家康の晩年や死後の物語と深く関わる重要な舞台として取り上げられたことで、注目が高まっています。
楼門から進んだ先の社務所で拝観料500円を払ってから進んだ先には、豪華絢爛な社殿があります。
この社殿は、徳川家康を祀る霊廟として二代将軍・徳川秀忠(とくがわひでただ)の命で造営が開始され、わずか1年7ヶ月の短期間で完成したと伝わっています。
権現造の元祖であり、壮麗な総漆塗・極彩色、彫刻・模様・組物などには桃山時代の技法も取り入れた江戸時代初期の代表的建造物であり、その姿を現代にも受け継いでいて、静岡県内で唯一の国宝に指定されています。
久能山東照宮では、徳川家康とのご縁を結ぶことができる御朱印が授与されています。
「久能山東照宮」「駿河国久能山」の朱印に、「奉拝」「久能山東照宮」「参拝日」が墨書きされる、伝統的でシンプルなデザインの御朱印を、社務所にて初穂料300円で御朱印帳に直書きしていただきけました。
この御朱印は、私がオーダーメイドの注文をしたオーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」に書いていただきました。本紙は、職人さんが1枚1枚手漉きした高品質の土佐手漉和紙の中でも「楮紙(こうぞし)」という、和紙らしい表面感があり、あたたかみのある白色が特徴のものを選択しています。
流れるようにに書かれた「久能山東照宮」の文字の中でも、特に「久」の文字が大きく強調され、残りの「能山東照宮」の文字を覆うように表現されています。徳川家康を祀る東照宮を久能山が包み込んでいるように感じ、徳川家康を埋葬している重要な場所であることを御朱印が象徴しているような印象を受けました。
丁寧に書き入れていただいた繊細な文字の太い部分と細い部分のめりはりが、土佐手漉和紙の質感と相まって、美しく表現されていると思います。
この御朱印を後で見返してみると、千年帳をあずけてからゆっくり時間をかけて書いていただいた御朱印担当の人の姿が浮かび、参拝者へのあたたかい配慮も思い出されます。
※千年帳の本紙に関しては、以下リンクをご参照ください。
久能山東照宮では、基本的な御朱印の他にも、特殊な形状の御朱印がいくつか授与されていて、そのうちのひとつが今回私が拝受した「プラモデルランナー風御朱印」で、初穂料は1,000円でした。ランナーとは、プラモデルの組み立て前の部品とつながっている枠のことをさし、御朱印がプラモデルのパーツ風に紙製の切り絵で表現されているユニークなものです。
この御朱印が授与されることになったのは、久能山東照宮がある静岡県が日本における模型産業・プラモデル文化のルーツとされていて、徳川家康とも関連するという経緯があります。
現代でも静岡県は模型産業が盛んな地域で、バンダイの工場、青島文化教材社・タミヤ・ハセガワ・フジミ模型といった世界的模型メーカーが拠点を置いています。プラモデルランナー風御朱印は、徳川家康や久能山東照宮が日本のものづくり文化に果たした重要な役割を象徴しているのです。
御朱印を通して、神社の歴史や地域の産業・エピソードを知ることができる好例なので、久能山東照宮を参拝した際にはプラモデルランナー風御朱印をぜひチェックしてみてください。
久能山東照宮にはたくさんの見どころがありますが、そのうちいくつかをご紹介します。
まずは、登山参道や山頂からの絶景です。
久能山東照宮は久能山の山頂にあり、元々は城が築かれていたほどの難攻不落の急勾配なので、長い石段参道を登るのは一苦労ですが、その分山頂の境内にたどり着いた時の達成感や爽快感はひとしおです。参道の道中には駿河湾を見渡せる所がたくさんあり、絶景が応援してくれますので、ぜひチャレンジしてみてください。
また、社殿の裏手には徳川家康の廟所(墓所)がありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
廟所を西に向けたのは徳川家康の遺言によるそうで、久能山から地域や人々を見守っているかのようです。
久能山東照宮の周辺に目を向けると、ビニールハウスがたくさん立ち並んでいて、いちごの名産地としても有名です。
主に冬から春(12月~5月頃)がシーズンで、章姫(あきひめ)や紅ほっぺなどの品種を栽培している農園がいくつかあり、新鮮ないちごをその場で味わえる観光農園としても営業しています。私はイチゴのソフトクリームをいただいてみました。
地域の和菓子店やカフェなどでは、久能産のいちごを使ったメニューが大人気で、イチゴ大福などのスイーツはもちろん、お土産としてイチゴジャムも人気です。冬から春のイチゴのシーズン中には、イチゴをテーマにした期間限定イベントやフェアを開催する店舗もあり盛り上がりますので、久能山東照宮を訪れた際には、ぜひ地元の旬の味覚にも注目してみてください。
久能山東照宮は、徳川家康を祀る東照宮の創祀であり、豪華絢爛な社殿や境内からの駿河湾の景色など見どころが多く、観光スポットとしても人気がある神社です。授与される御朱印から、徳川家康や地域の歴史や文化、産業などいろいろなことを知り感じ取ることができますので、参拝の証としてぜひいただいてみてください。
※久能山東照宮と同時期に造営された日光東照宮に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
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ライター:竹内友章
知多半島のお寺が好きで、知多四国霊場を中心にいろいろな霊場を巡礼し、観光やご当地グルメ(特にラーメン)を楽しんでいます。御朱印集めも趣味で、知多半島のお寺の御朱印はもちろん、全国各地の御朱印をもらいに巡り、アート御朱印などは取り寄せたりもしています。
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