- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
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埼玉県秩父市ある「秩父神社」は、知恵の神・八意思兼命を主祭神とし、「知知夫国一の宮」として信仰される秩父地域を代表する古社です。「知知夫国総鎮守」「秩父宮家ゆかりの社」と記される御朱印には、地域の人々の暮らしを守り続ける風格と由緒正しき歴史が詰まっています。
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埼玉県秩父市、秩父鉄道「秩父駅」から徒歩3分、西武鉄道「西武秩父駅」からも徒歩15分ほどの秩父市中心市街地にある「秩父神社(ちちぶじんじゃ)」は、平成26年(2014年)に御鎮座2,100年を迎えた古い歴史を持つ由緒ある神社です。
創建は第10代・崇神天皇(すじんてんのう)の御代、知知夫国(ちちぶのくに、げんざいの埼玉県秩父市)の国造に任じられた知知夫彦命(ちちぶひこのみこと)が、10代前の祖先である八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)を祀ったことが始まりとされます。国造とはヤマト王権が地方を治めるために置いた官職で、知知夫国は飛鳥時代に律令制がしかれ武蔵国(むさしのくに、現在の東京都・埼玉県・神奈川県の一部)が成立する以前から開かれていた土地でした。
平安時代に編纂された官社一覧「延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)」では「小社」と記され、格式ある神社として名を連ねています。中世には当時この地を治めていた秩父平氏(ちちぶへいし)が妙見菩薩(みょうけんぼさつ)を奉じたことで「秩父妙見宮」として栄えました。
戦国時代の永禄12年(1569年)に武将・武田信玄(たけだしんげん)の侵攻で社殿が焼失しますが、天正20年(1592年)に関東全域を支配していた徳川家康(とくがわいえやす)が社領57石を寄進して再建しました。現在の社殿はその時のものが受け継がれていて、権現造りの美しさが際立っています。
時代が下り明治の世になると、神仏判然令により社名は旧社名の「秩父神社」へともどり、妙見菩薩は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)に改められました。
秩父神社は、三峯神社(みつみねじんじゃ)・寶登山神社(ほどさんじんじゃ)とともに「秩父三社(ちちぶさんしゃ)」の1社とされ、古くから秩父地方の信仰の中心的な役割を担ってきました。3社はいずれも約2,000年前に創建されたと伝わる秩父地域の格式高い古社で、地域の歴史や文化と深く結びついています。
※三峯神社、寶登山神社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
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秩父神社の御朱印は、中央に「秩父神社」の墨書きと社名の朱印、右上に「知知夫国総鎮守(ちちぶのくにそうちんじゅ)」と「秩父宮家(ちちぶのみやけ)ゆかりの社」の朱印、左に「参拝日付」と「社名印」がおされるデザインで、持参した御朱印帳に直書きしていただきました。

「知知夫国総鎮守」の「知知夫」とは「秩父」の古い表記で、平安時代初期に作成された史書「国造本紀(こくぞうほんぎ)」には「崇神天皇の時代、知知夫国造が任命された」と記されています。「秩父」に改称されたのは、奈良時代の和銅6年(713年)で、第43代・元明天皇(げんめいてんのう)が発した「好字二字令」により、縁起の良い漢字2文字の「秩父」へと改められました。
なお、「和銅」という元号は、慶雲5年(708年)に秩父で採掘された銅が献上されたことに由来します。この銅をもとに日本最初の貨幣「和同開珎(わどうかいちん)」が鋳造され、秩父の名は全国に広まりました。
※秩父における銅の採掘と関係が深い聖神社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
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また、秩父神社が総鎮守と呼ばれる背景には、太古から続く神事の存在があります。
秩父地域には神が鎮まる神体山(神奈備山)である武甲山(ぶこうざん)がそびえ、秩父神社の社殿はまるで御祭神が山を遥拝するかのように、武甲山の方向を向いて建てられています。春の「御田植祭(おたうえまつり)」では武甲山の神を迎え、秋の「秩父夜祭(ちちぶよまつり)」では収穫への感謝を込めて山へお送りする、この一連の祭祀を司ってきたのがほかならぬ秩父神社なのです。
御田植祭は毎年4月4日、境内で神職が田植えの所作を行い、豊穣を祈願します。毎年12月2日・3日に行われる秩父夜祭では、神様を御旅所へお送りする「神幸祭(じんこうさい)」が真夜中に執り行われます。これらの神事は知知夫彦命が大神を祀った時代、もしくは、それよりも以前の時代に行われていた武甲山への信仰の祭祀が始まりではないかと考えられています。
秩父夜祭は、京都府・八坂神社(やさかじんじゃ)の「祇園祭(ぎおんまつり)」、岐阜県・飛騨山王宮日枝神社(ひださんのうぐうひえじんじゃ)の「高山祭(たかやままつり)」と並び「日本三大曳山祭」の一つとしても有名です。絢爛豪華な笠鉾と屋台が曳行される付け祭り(神事に付随する民間行事)は、約300年前の江戸時代の寛文年間(1661年~1673年)の頃に始まったと伝わっています。


「秩父宮家ゆかりの社」の朱印がおされているのには、皇室の秩父宮家と秩父神社の深い所縁が関係しています。
大正11年(1922年)、大正天皇の第2皇子(昭和天皇の弟)である雍仁親王(やすひとしんのう)が宮号を賜る際、秩父連山が皇居の西北の方角を守る名山として古くから尊ばれ、皇室とも縁が深いことから「秩父宮」の名が選ばれました。秩父宮雍仁親王は陸軍軍人として活躍するとともに、スポーツ振興にも尽力したことで知られ、秩父神社をたびたび参拝し、秩父地方との交流を深めました。その功績と縁をたたえ、薨去後の昭和28年(1953年)には秩父神社の御祭神として合祀され、現在も地域の人々から敬われています。
秩父神社の御朱印には、地域の総鎮守として信仰をあつめ、皇室からも崇敬された由緒正しき歴史と、地域の人々の秩父の自然に宿る神への深い想いが詰まっていると思います。
秩父神社を訪れた際には、社殿に施された彫刻をじっくりと拝観してみてください。
名工・左甚五郎(ひだりじんごろう)の作と伝わる「子宝子育ての虎」や「つなぎの龍」が代表的で、西側の壁には「見る・言う・聞く」の三猿が彫られ「お元気三猿」と呼ばれています。さらに本殿裏には「北辰の梟(ほくしんのふくろう)」と呼ばれる愛らしい梟の彫刻もあり、訪れる人を楽しませてくれます。愛嬌たっぷりの梟は、昼夜を問わず御祭神をお守りしているそうです。





秩父神社は、地域で最も格式の高い神社である「知知夫国一の宮」として、古来より人々の暮らしを守り続けています。
秩父神社の境内には、「天神地祇社(てんしんちぎしゃ)」があり、全国の一の宮を中心とした75座の神々が祀られています。長屋のような社殿に多くの神々が並ぶ姿は壮観です。
これほど多くの神が合祀されているのは、秩父神社の主祭神である八意思兼命が幅広い知識と局面を打開する発想力を兼ね備えた知恵を司る存在だからです。日本神話において、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に隠れ、世の中が闇に閉ざされた際に、困った神々に笑いを起こさせる策を授けたのが八意思兼命です。にぎやかな外の様子を不思議に思った天照大御神が天岩戸からお出ましになり、再び光が戻ったのです。
八意思兼命は今も神様たちの大切なまとめ役を務めていらっしゃるのでしょう。75座の神々を祀る天神地祇社を参拝すると「全国の一の宮を巡ったのと同じご利益がある」ともいわれています。
※全国の一の宮に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
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秩父神社は、秩父の地に根ざした総鎮守として、古代から現代まで人々の暮らしを見守ってきました。御朱印には、武甲山への信仰や長く続く神事、皇室とのつながり、そして地域の人々の祈りが凝縮されています。荘厳な社殿の彫刻を眺め、歴史に思いを馳せながら御朱印をいただく時間は、きっと心に深く刻まれることでしょう。壮麗な祭礼のタイミングにあわせて、足を運んでみてはいかがでしょうか。
ペンネーム:木々野緑
日本の旧暦としきたりを日々研究するライター。御朱印との出会いは一期一会と感じていて、皆さまの良きご縁の一助となれるよう、御朱印にまつわる歴史や込められた思いをお伝えします。
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