【御朱印情報】「日本三大住吉」でいただける御朱印

「住吉」とは、日本神話に登場する「住吉三神」のことをさし、昔からお祓い・航海安全・産業育成などの神として信仰されてきました。住吉三神を祀る神社は全国に約2,000社あるといわれていて、中でも由緒深い大阪府・住吉大社、福岡県・住吉神社、山口県・住吉神社の3社は「日本三大住吉」とされていて、3社でいただける御朱印情報をご紹介します。

「住吉」とは

「住吉(すみよし)」とは、奈良時代に成立した日本最古の歴史書である日本書紀と古事記では、それぞれに底筒男命(そこつつのおのみこと)・中筒男命(なかつつのおのみこと)・表筒男命(うわつつのおのみこと)、底筒之男神(そこつつのおのかみ)・中筒之男神(なかつつのおのかみ)・上筒之男神(うわつつのおのかみ)と表記される三柱の神の総称である「住吉三神(すみよしさんじん)」を意味します。

日本神話において、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)は国生みの神として大八島を生み、またさまざまな神を生みましたが、伊邪那美命が火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)を生んだときに大火傷を負い、黄泉国(死後の世界)に旅立ってしまいます。伊邪那岐命は、黄泉国から伊邪那美命を引き戻そうとしましたが果たせず、「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原(つくしのひむかのたちばなのおどのあわぎはら)」で黄泉国の汚穢を洗い清める禊を行いました。このとき、瀬の深いところで底筒之男神が、瀬の流れの中間で中筒之男神が、水表で上筒之男神が、それぞれ生まれ出たとされています。

日本書紀には、神功皇后(じんぐうこうごう)が住吉三神から神託を得て、自ら兵を率いて新羅(しらぎ、古代の朝鮮王国)へ出航し、神々の力に導かれ、戦わずして新羅、高句麗(こうくり)、百済(くだら)の三韓を従わせたという記述があります。この出来事を一般には「三韓征伐(さんかんせいばつ)」と呼んでいます。
三韓征伐の帰途に急に船が動かなくなるという変事がおこり、住吉三神より「大きな港があって玉のように美しく細く突き出た場所に鎮まりたい」とお告げがあったことで、当時の都と海外をつなぐ海上交通の要衝であった現在の大阪府大阪市住吉区にあたる場所に祀られたと伝わっています。
このことが現代にも受け継がれている「住吉大社(すみよしたいしゃ)」の起源となり、住吉三神はお祓い・航海安全・産業育成などの神として信仰されるようになります。その信仰は全国に広がり、現代では住吉三神または住吉三神に神功皇后を加えた住吉大神(すみよしおおかみ)を祀る神社が約2,000社あるといわれており、その総本宮が住吉大社だとされています。

「住吉」は、古くは「スミノエ」と読んでいたと伝わり、「エ」は良いことを意味する「ええ」と同義で、神が「住むのに良い」という意のが語源だといわれています。また、住吉三神が日本神話で祓の神であったことと、神功皇后が住吉三神を祀った海岸の水が美しかったことから「澄み良し」という意味もあると考えられています。
住吉はやがて地名となり、全国に住吉三神を祀る神社が増えるにしたがって、その土地の地名も住吉と名付けられていったため、現代でも住吉の地名が全国各地に存在しています。

「日本三大住吉」とは

全国各地にある住吉三神・住吉大神を祀る神社のうち、特に日本神話との関わりが深く、長い歴史をもち信仰をあつめている3社を「日本三大住吉(にほんさんだいすみよし)」と呼んでいます。大阪府・住吉大社、福岡県・住吉神社(すみよしじんじゃ)、山口県・住吉神社(すみよしじんじゃ)がそれにあたります。

神功皇后が三韓征伐から帰還した際の住吉三神からの神託により、住吉三神の荒魂(あらみたま、神の荒々しい側面)を祀る祠が穴門山田邑(あなとのやまだむら)に、和魂(にぎみたま、神の優しく平和的な側面)を祀る祠が大津渟中倉之長峡(おおつのぬなくらのながお)に設けられたとされています。
穴門山田邑が現在の山口県・住吉神社にあたり、大津渟中倉之長峡が現在の大阪府・住吉大社にあたるとされています。また、住吉三神が生まれた筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原が、現在の福岡県・住吉神社にあたると考えられています。

日本三大住吉とされる3社は、住吉信仰の中心的な役割を長く果たしていて、それぞれの地域はもちろん、全国的に広く信仰をあつめています。

オーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」のサイトでは、3社それぞれの概要といただける御朱印に関してご紹介していますので、以下に概要情報と詳細情報へのリンクを列記します。

大阪府「住吉大社」の御朱印

大阪府大阪市住吉区にある「住吉大社」は、全国の住吉神社の総本社として広く信仰をあつめる神社です。特別な御朱印帳「千年帳」にいただいた「摂陽第弌之宮」の朱印がおされ「摂津国一之宮」としての格式の高さを感じる達筆な御朱印と、話題になっている時期限定授与の刺繍御朱印をご紹介します。
※大阪府・住吉大社でいただける御朱印の詳細情報は、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

【御朱印情報】大阪府「住吉大社」の千年帳にいただいた「摂津国一之宮」の達筆な御朱印

福岡県「住吉神社」の御朱印

福岡県福岡市博多区にある「住吉神社」は、「筑前國一之宮」や「日本三大住吉」のひとつとして有名な神社です。伝統的なデザインの御朱印から、御祭神の住吉大神が航海の神さまであることにちなんだ特別デザインの御朱印など、多彩な御朱印が授与されています。
※福岡県・住吉神社でいただける御朱印の詳細情報は、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

【御朱印情報】福岡県「住吉神社」の「筑前國一之宮」の航海の神さまの御朱印

山口県「住吉神社」の御朱印

山口県下関市にある住吉神社は、「日本三大住吉」「長門国一宮」として長く親しまれる古社です。達筆な伝統的なデザインの御朱印のほかにも、本殿にある四季をテーマにした板戸絵を表現した時季限定の御朱印が授与されています。
※山口・住吉神社でいただける御朱印の詳細情報は、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。

【御朱印情報】山口県「住吉神社」の四季折々の板戸絵が描かれた時季限定御朱印

日本神話に登場する住吉三神は、広く大衆に信仰され、全国には長い歴史をもつ住吉ゆかりの地がたくさん存在します。中でも日本三大住吉とされる大阪府・住吉大社、福岡県・住吉神社、山口県・住吉神社は、住吉の起源に関わる場所に鎮座し、長い歴史があり、地域の人はもちろん、お祓い・航海安全・産業育成などのご利益を求めるたくさんの参拝者が訪れています。住吉三神とご縁をいただくことができる御朱印には、深い由緒が詰まっていますので、参拝の際にはぜひ拝受してみてください。

「日本三大住吉」マップ

ライター：千年帳編集部
オーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」の商品詳細情報や魅力、こだわりなどを発信しています。千年帳を携えて寺社を参拝し、実際に拝受した御朱印の情報など、御朱印巡り好きの人のためのお役立ち情報もお届けします。