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福岡県福岡市博多区にある「十日恵比須神社」は、恵比須様と大國様を祀る神社で、特に正月大祭の際には、商売繁昌や家内安全を願う多くの人々が参拝に訪れています。通常の御朱印のほかに、祭事限定や月替わりなどの華やかなデザインの御朱印も授与されています。
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福岡県福岡市博多区にある「十日恵比須神社(とおかえびすじんじゃ)」は、恵比須様(えびすさま=事代主大神:ことしろぬしのおおかみ)と大國様(だいこくさま=大國主大神:おおくにぬしのおおかみ)を祀っている神社で、古くより博多の商人たちの守り神としてあつく信仰されてきました。
十日恵比須神社は、博多で商売を営んでいた竹内五右衛門(たけうちごえもん)が、戦国時代の天正19年(1591年)に香椎宮(かしいぐう)と筥崎宮(はこざきぐう)の参拝の帰り道に、千代松原(ちよまつばら)の浜辺にて恵比須様のご尊像を拾い上げたことから始まります。その後、自宅に大切に祀ると大いに商売繁昌したことから、翌年文禄元年(1592年)1月10日に十日恵比須神社が創建されました。この話は次第に人々の間に広まっていき、ご利益にあやかろうと多く人々が訪れるようになります。
明治12年(1929年)には公園の整備に伴い崇福寺(そうふくじ)の境内から現在の場所に移転し、昭和27年(1952年)には出雲大社(いずもたいしゃ)から恵比須様の父神である大國様を勧請し祀りました。
※香椎宮、筥崎宮、出雲大社に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
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恵比須様は元々は漁業の神様として信仰されていましたが、平安時代に市場に祀られ、商業の発展に伴って商売繁昌の神としての性格ももつようになり、ふくよかな笑顔(えびす顔)で描写される福神としても知られるようになりました。
毎年1月8日~11日に開かれる正月大祭には、商売繁昌や家内安全を願う人々が大勢参拝に訪れます。正月大祭では、空くじなしの福引きにてその年の運勢を試します。福起こし(だるま)、福寄せ(熊手)、そろばんなど縁起の良い品々が境内で販売され、これらの縁起物は博多の多くの店舗で飾られているのを目にすることができます。
十日恵比須神社では、通常の御朱印のほかにも、祭事限定や月替わりなどのいろいろな御朱印が授与されています。
通常の御朱印は、「奉拝」「筑前博多 十日恵比須神社」「参拝日付」の墨書きに、「蔓柏(つるかしわ)紋」「社印」の朱印がおされるデザインです。通常時は御朱印帳に直書きしていただけますが、私は正月大祭の際に参拝したので、参拝者数がとても多く、書き置き授与のみの対応でした。
御朱印の上部に「筑前博多(ちくぜんはかた)」と墨書きされています。
十日恵比須神社がある地域は、かつては筑前国(ちくぜんのくに)に属しており、その中でも博多は戦国時代より商人たちの自治都市として栄えていました。昔から人々が商売繁昌を願ってきた想いは今も変わらず受け継がれ、この御朱印にもその願いが込められているようです。
右上部の朱印は、柏の葉と蔓をあしらった十日恵比須神社の神紋「蔓柏」です。柏の葉は新芽が出るまで古い葉は落ちないことから、古来より家系が途絶えることがないという縁起物として崇められてきました。子孫繁栄を願う想いも現代へと受け継がれています。
十日恵比須神社では、祭事限定や月替わりなどで多種多彩な御朱印が授与されています。
私が参拝した令和7年(2025年)の正月大祭では、干支の巳の御朱印と、大國様と恵比須様が描かれた見開きの御朱印が用意されていました。
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月替わりで授与される色鮮やかな見開きアート御朱印も話題になっています。
令和7年5月は「博多松囃子(はかたまつばやし)」をテーマにした御朱印が授与されていました。博多松囃子は、福岡の街中を祝い巡る室町時代から続いているとされる伝統行事で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。博多の5月の風物詩になっている大祭「博多どんたく」の先頭を練り歩き、博多松囃子がどんたくの源流であるといわれています。
「流(ながれ)」と呼ばれる博多の自治組織が受け継いでいて、福神は福神流、夫婦恵比須は恵比須流、大黒天は大黒流が受け持ち、それぞれ「言い立て」を謡う子供たちを先頭に、3本の「傘鉾(かさぼこ、めでたい字や絵をかいた6枚の揮毫を垂らした鉾)」、御神馬にまたがった神様、白丁を着た御付き、そして流の人々という順番で街々を祝い練り歩きます。
福神、夫婦恵比須、大黒天の三福神が十日恵比須神社とゆかりが深く、博多松囃子を表現した御朱印には、伝統行事を多くの人に知ってもらいたいという願いが込められています。
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古銭を借りて縁起を担ぐ「福種銭(ふくたねせん)」という風習が古来よりありますが、十日恵比須神社ではこれを「えびす銭」と称して貸し出しています。
かつては、寺社からお金を借りて商いの元手とし、翌年その倍を返して再び借りるという習わしがありました。えびす銭は、その伝統を現代に伝える象徴的な存在です。借りたえびす銭は、1年後に必ず神社に返すというしきたりがあり、財布に入れておくと宝が満つるともいわれています。その御利益を求めて、毎年多くの人が正月大祭の際に借り受けています。なお、えびす銭は正月大祭以外の時期でも授与されています。
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また、十日恵比須神社の手水舎は鯛の口から流れるという珍しい形をしています。この手水舎には「松原水」と呼ばれる井戸水が使われています。かつて博多地区は水質が悪く、この水が命の綱として非常に重宝されていました。現在もこの井戸は、千代東公園内に大切に保存されています。
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恵比須様は釣り竿を手にして鯛を抱えた姿で親しまれており、鯛は「めでたい」とも掛けられる縁起の良い魚として広く知られています。また、恵比須様は七福神の中で唯一日本に由来する神様であり、商売繁昌の他にも航海安全や豊漁を司る存在でもあります。そんなありがたい手水舎で心身を清め、かつての博多の街に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
十日恵比須神社は、商売繁昌の神様として広く親しまれている神社です。恵比須様に加えて、出雲大社よりお招きした大國様も祀られており、縁結びの神社としても有名です。「博多の正月は十日恵比須から始まる」ともいわれるほど、正月大祭は地域に深く根ざした行事であり、毎年多くの人が縁起物や屋台を楽しみに訪れています。地元の人から長く親しまれてきたこの場所で、御朱印をいただきご利益を感じてみてはいかがでしょうか。
※十日恵比須神社も含まれる福岡県内の初詣参拝者数上位5社の御朱印に関して、以下リンクの記事で紹介されていますので、こちらもぜひご覧ください。
ライター:綾木ゆうき
山口県を拠点に活動している国内旅行と寺社仏閣巡りが好きなWEBライター。御朱印帳とスタンプ帳を携え日本各地を行脚し、ご当地ピンバッチと記念メダルも集めています。
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「出雲大社」は、島根県出雲市にある日本最古とされる神社のひとつです。縁結びの神様として特に知られており、全国各地から多くの参拝者が訪れます。御神体を参拝する拝殿と、大しめ縄が有名な神楽殿で御朱印をいただくことができます。
岐阜県岐阜市にある「常在寺」は、戦国武将・斎藤道三ゆかりの日蓮宗の寺院です。参拝の証としていただける御首題には、日蓮宗の御題目「南無妙法蓮華経」と「斎藤家菩提所」の墨書きがのびやかに美しく記されます。
愛知県南知多町にある知多四国霊場36番札所「遍照寺」の御本尊は全国的にも珍しい弁財天です。住職自ら書き入れてくださる細く滑らかな書体で弁財天の美しさを表す御朱印と弘法大師空海生誕1250年記念の期間限定宝印が人気です。
東京都杉並区にある「高円寺氷川神社」は、境内に日本で唯一の「気象の神様」を祀る「気象神社」があることで有名です。御朱印のデザインが2社で一対になるように工夫され、月替わりでいろいろなモチーフが追加されるのも特徴になっていて、御朱印集め好きの間で人気です。