
- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
- ¥11,880
愛知県名古屋市中区にある「若宮八幡社」は、江戸時代には尾張徳川家の氏神として崇敬をあつめ、「名古屋総鎮守」として長きにわたり地域の平安と繁栄を見守り続けてきた神社です。長い信仰の歴史を物語る伝統的なデザインの御朱印のほか、季節や祭事にあわせて多彩な限定御朱印も授与されています。
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愛知県名古屋市中区にある「若宮八幡社(わかみやはちまんしゃ)」は、大都市・名古屋の中で中心的な繁華街である栄地区にひっそりと佇む、1300年以上の長い歴史があり信仰の深い神社です。
伝承によると、天武天皇(てんむてんのう)の時代または大宝年間(701年 – 704年)に現在の名古屋城三の丸に創建されたと伝わっていて、平安時代の延喜年間(901年 – 923年)に再興されたといわれています。
その後は、現在の名古屋城の南に位置する那古野神社(なごやじんじゃ)に隣接していましたが、戦国時代の天文元年(1532年)に、戦国武将・織田信秀(おだのぶひで)が名古屋城の起源とされる那古野城を攻めた際に社殿を焼失し、天文8年(1539年)に信秀の手によって再建されました。さらに、安土桃山時代には天下人・豊臣秀吉(とよとみひでよし)から200石の寄進を受け、江戸時代に入った慶長15年(1610年)には江戸幕府初代将軍・徳川家康(とくがわいえやす)の命により名古屋城築城の際に現在の地へ移されており、現在の愛知県にゆかりがある戦国武将に大切にされていたことがわかります。
江戸時代には尾張徳川家の氏神として崇敬を集め、「名古屋総鎮守」として地域の人々から広く信仰をあつめるようになります。
寛文4年(1664年)には、尾張藩第2代藩主・徳川光友(とくがわみつとも)により社殿が造営されましたが、第二次世界大戦の名古屋大空襲により焼失してしまいます。その後、昭和32年(1957年)に復興され、現代でも地域の信仰の拠り所として親しまれています。
地元名古屋では、江戸時代から続く名古屋東照宮(なごやとうしょうぐう)の「東照宮祭(とうしょうぐうさい)」、那古野神社の「天王祭(てんのうまつり)」と並ぶ「名古屋三大祭」の一つとして広く知られている「若宮まつり」が開催される神社としても有名です。
約300年続く若宮まつりは毎年盛大に開催され、多くの参拝者や観光客で賑わいます。特に、江戸時代から伝わる山車1両(福禄寿車)と神輿が、那古野神社との間の街中を練り歩く巡行は、地域の人々にとって初夏の風物詩になっています。
若宮八幡社は、近年では各種メディアに取り上げられる機会が増え、地域の人々だけでなく全国各地からの参拝者が訪れていて、あつい信仰と崇敬をあつめる神社となっています。
若宮八幡社の通常の御朱印は、右から「名古屋総鎮守」「神社印」の朱印、「奉拝」「神社名」「参拝日時」が書き入れられる長い歴史に根ざした伝統的なデザインで、御朱印帳に丁寧に書き入れていただき、初穂料は500円でした。
若宮八幡社の御祭神は、15代天皇「応神天皇(おうじんてんのう)」、16代天皇「仁徳天皇(にんとくてんのう)」、そしてその忠臣とされる「建内宿禰(たけうちのすくね)」の三柱です。この三柱の神様は、古代日本の皇族であり、神格化され崇敬されています。
全国各地に点在する八幡社・八幡宮・八幡神社は、応神天皇を主祭神としていることが多いです。その恩恵は家内安全や国家繁栄はもちろん、恋愛成就など多彩な願いに応えてくれると信じられています。
若宮八幡社は、特に国民の幸福と絆を大切に思うという信仰が根付いていて、良縁や縁結びの神として有名で、恋愛運向上や良縁を願う女性の参拝者の姿がたくさんみられることが特徴です。
墨書きされた文字中で特に強調されているのが「八」の字で、名古屋市の市章である「丸に八」を連想させます。市のシンボルマークである市章としては珍しい意匠ですが、これは尾張徳川家が合印(あいじるし、あいいん)として用いられていたもので、江戸時代の名古屋においてはとても馴染みのある印でした。「丸は無限に広がる力、八は末広がりで発展を示す」というおめでたい意味も含んでいて、若宮八幡社の御朱印の八の字からも、前向きな力を感じました。
この御朱印は、私がオーダーメイドの注文をしたオーダーメイド納経帳・御朱印帳「千年帳」に書いていただきました。本紙は、職人さんが1枚1枚手漉きした高品質の土佐手漉和紙の中でも「楮紙(こうぞし)」という、和紙らしい表面感があり、あたたかみのある白色が特徴のものを選択しています。
柔らかくしなやかな書体で繊細に表現された墨書きを楮紙がしっかりと受け止め、中でも「奉拝」と「若」の文字のかすれがのびやかで美しく映えています。熟練の書き手の技術と楮紙の特徴である墨の吸収の良さがうまく組み合わさることで、文字に生命と味わいが生まれ、その美しさは芸術の域に達しているように感じ、楮紙が文字の表情をより豊かに引き立てているように思いました。
※千年帳の本紙に関しては、以下リンクをご参照ください。
私が参拝した令和7年(2025年)5月25日には、通常の御朱印のほかに期間限定の御朱印も授与されていました。色鮮やかなあじさいが立体的に表現された台紙が可愛らしいアート御朱印です。
この御朱印のモチーフになっているあじさいは、境内南にある「龍神社」の周辺に植えられており、例年6月上旬から7月中旬まで美しい花を楽しむことができるそうです。若宮八幡社を梅雨時期に訪れた際には、色とりどりのあじさいが咲き誇る風景もぜひご覧になってください。
若宮八幡社では、季節や祭事にあわせていろいろなデザインの期間限定の御朱印が授与されていますので、参拝した際にはどのような御朱印が授与されているか、ぜひチェックしてみてください。期間限定の御朱印は、数量も限定でなくなり次第終了のようなので、手に入れたいお目当ての御朱印がある場合は、限定期間内で早めの参拝をおすすめします。
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若宮八幡社は、名古屋の中心地で長きに渡って地域を見守り続けている神社です。長い歴史を感じることができる伝統的なデザインの御朱印のほか、季節や祭事にあわせてデザイン性豊かな限定御朱印が授与されていますので、名古屋中心市街地を訪れた際にはぜひ立ち寄って、広く信仰をあつめている御祭神とご縁を結ばれてください。
※同じ名古屋市中心市街地にある大須観音に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
【御朱印情報】愛知県「大須観音」の聖観音菩薩の迫力ある御朱印
ライター:竹内友章
知多半島のお寺が好きで、知多四国霊場を中心にいろいろな霊場を巡礼し、観光やご当地グルメ(特にラーメン)を楽しんでいます。御朱印集めも趣味で、知多半島のお寺の御朱印はもちろん、全国各地の御朱印をもらいに巡り、アート御朱印などは取り寄せたりもしています。
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山口県下関市にある「大歳神社」は、この地に関係する偉人である源義経や高杉晋作などとゆかりがある神社です。時季やイベントにあわせて授与される限定のアート御朱印など、多彩な御朱印をいただける神社として話題になっています。
大阪府大阪市にある「阿部王子神社」は、平安時代に流行した「熊野詣」とゆかりが深い神社です。熊野詣の途中に休憩や遥拝などを行うための社「九十九王子」のうち第二王子社であった歴史が記される御朱印をいただくことができます。