- 【御朱印帳】土佐手漉和紙「朝光」 小判 38ページ 楮紙 白米×淡黄蘗
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福岡県福岡市博多区にある「海元寺」は、閻魔大王と観音菩薩を祀る寺院として知られています。博多の秋の風物詩として名高いライトアップイベント「千年煌夜」の期間中には、閻魔大王をモチーフにした限定の切り抜き御朱印が授与されていました。
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福岡県福岡市博多区の呉服町エリアにある「海元寺(かいげんじ)」は、室町時代の応永3年(1396年)に開かれたと伝わる、浄土宗鎮西派の寺院です。
安土桃山時代の慶長5年(1600年)に起こった「関ケ原の戦い」の功績により、福岡藩初代藩主として筑前国(現在の福岡県)に入国した黒田長政(くろだながまさ)が、防御を固めるために現在の博多区千代町付近から、現在地に移築したのだそうです。
※福岡県内にある黒田家と関係が深い春日神社、香椎宮、住吉神社、光雲神社、東長寺に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
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境内にある平成28年(2016年)に建て替えられた閻魔堂と観音堂が有名で、閻魔堂に祀られている閻魔大王が、観音堂に祀られている観世音菩薩にお参りする人が大勢訪れています。
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海元寺は、例年の11月上旬に開催される中世に日本最大の貿易港湾都市として栄えた旧市街に点在する寺社や歴史スポットをライトアップするイベント「千年煌夜(せんねんこうや)」の会場のひとつになっていることでも知られています。
千年煌夜は、博多の旧市街地をめぐりながら、千年煌夜限定の御朱印をいただけたり、普段は見られない寺社の宝や普段とは異なる魅力的な夜の風景を見学できたりと、多くの人で賑わう博多の秋のイベントです。
※同じく千年煌夜の会場になっている櫛田神社と東長寺に関して、以下リンクの記事でご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
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【御朱印情報】福岡県「東長寺」の千手観音・ふくおか大仏の御朱印と「千年煌夜」
私は、令和6年(2024年)の千年煌夜期間中に海元寺を参拝しました。
参道脇のテントに御朱印やグッズが並べられていて、こちらで千年煌夜限定の御朱印をいただきました。
黒い紙に凛々しい閻魔大王のイラスト、「ゑんま大王」の文字、寺院印などがデザインされている見開きサイズの切り抜き御朱印で、初穂料は1000円でした。
切り絵のモチーフとなっている閻魔大王は、冥界の王であり、地獄の王としても有名です。
昔から「嘘をつくと閻魔さまに舌を抜かれる」といわれるように、閻魔大王は怖い王のイメージがありますが、仏教では慈悲深い地蔵菩薩と同一視されていることから、閻魔大王にも優しい一面もあると考えられています。
海元寺に祀られている閻魔大王は、江戸時代の延宝8年(1680年)に石堂口から松原の方に入って左手にあった自性院という寺に祀られていた閻魔大王が移転されたものであると伝わっています。福岡藩3代藩主・黒田光之(くろだみつゆき)の宰臣・鎌田九郎兵衛(かまたくろうべえ)の槍持であった源七という者が、上方のとある辻堂で閻魔さまの木像の首の部分を筑前(現在の福岡県)に持ちかえって、これを安置するために自性院を建て閻魔大王を祀ったというエピソードがのこっています。
御朱印の中央に「石城三十三箇所観音霊場第20番」の印がおされていますが、「石城三十三箇所観音霊場(せきじょうさんじゅうさんかしょかんのんれいじょう)」とは、近畿周辺に点在する33ヶ所の観音霊場寺院を巡礼する「西国三十三所(さいごくさんじゅうさんしょ)」の旧博多地区における写し霊場で、海元寺が20番札所になっています。
さらに、海元寺の観音堂には、西国三十三所観世音菩薩も祀られています。
西国の広範囲に三十三ヶ所ある霊場を回るのは、特に交通手段が発達していなかった昔は大変だったため、石城三十三箇所観音霊場のように狭い範囲で巡礼できる写し霊場を創設し短距離短期間で巡礼できるようにしたり、海元寺のように西国三十三所の観世音を模写した観音堂を建て、ひとつのお堂の中で巡礼できるようにしたりすることで、西国三十三所の観音霊場をお参りしたのと同じ功徳を受けられるようにするといったことが、全国各地で行われました。
令和6年(2024年)の千年煌夜のテーマは「龍」で、海元寺では閻魔堂と観音堂がライトアップされていました。
昇り龍として空に昇った龍が、3000年の時を経た後に、降り龍として再び地上に降り立ち、人々の願いを叶えていくとの言い伝えがあり、海元寺に降り立った龍が境内を光に包み込んで幸運をもたらす様子を表現したものです。
暗闇の中、カラフルな明かりで浮かび上がる閻魔堂と黄金色に照り輝く観音堂、境内に照らし出される龍の片鱗が印象的でした。
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また、参道には、特別公開の寺宝「十王図(じゅうおうず)」が展示されていました。
「十王図」は、人が死後に行く冥界(めいかい)にいて、死者が天国と地獄のどちらに行くかを判断する十人の王を描いた作品です。
初七日に「秦広王(しんこうおう)」、二七日「初江王(しょこうおう)」 、三七日 「宋帝王(そうたいおう)」 、四七日 「伍官王(ごかんおう)」 、五七日」「閻羅王(えんまおう)」 、六七日 「変成王(へんじょうおう)」 、七七日 「太山王(たいざんおう)」 、百箇日 「平等王(びょどうおう)」 、一周忌 「都市王(としおう)」 、三回忌 「五道転輪王(ごどうてんりんおう)」と、冥界の十人の王が亡くなった人の生前の行いを裁くという中国の道鏡による思想「十王思想」に基づいています。
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福岡県博多の旧市街地にある海元寺は、閻魔堂と観音堂が有名な寺院です。毎年11月初旬に開催される千年煌夜の舞台のひとつになっていて、イベント期間中には限定の御朱印をいただけたり、特別なライトアップが行われたりしますので、ぜひ一度秋の夜間の海元寺に参拝に訪れてみてください。
ライター:neko
学芸員の資格を持つWebライター。九州を中心に全国の寺社仏閣に出掛け、御朱印を集めるのが趣味です。今までにいただいた御朱印は、御朱印帳5冊ほどになりました。
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